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【マイナー楽器】ファゴットあるある

こんにちは。
突然ですが、私は楽器演奏を趣味の1つとしています。

主な楽器は、ピアノとファゴットです。


この話を周りにすると、


「ファ、ファボ・・・?」
「え、なんて?」

と、言われることが多いです。



こんなのはもう慣れっこです。
こういう名前の、木管吹奏楽器があるんですよ。



もしくは、ファゴットをある程度知っている人からは、

「おお〜、レアじゃん。」

と、言われることが多いです。



これはちょっとだけ、「どやあ。」ってなりますね、謎に。



そんなわけで今回は、

ファゴットあるある

をお話していきたいと思います。



もちろん、楽器の話をするからには、楽器の魅力そのものもお伝えしていきます!



ファゴットをある程度知っている人からしたら、クスリと笑えるかもしれませんし、ファゴットを知らなかった人からしたら、「ふーん、こんな楽器もあるんだー。」という内容になるかと思います。



あわよくば、ファゴットの魅力を分かってもらえれば幸いです。

楽器名を聞き返される

この子がうちの子です。

こちらは、フェルトで作った分身です。



文字起こしすると分かってもらえますが、口頭で「ファゴット」と言っても伝わりません。

ちなみに、「ファゴット(fagott)」はドイツ語です。



冒頭でお話したように、「ふぁぼ・・・?」とか言われるので、検索して見せるまでがセットです。



英語で「バスーン(bassoon)」と言ったところで、どちらにしろマイナー楽器なので伝わらないですね。

音の説明をしても納得されない

何しろマイナー寄りの楽器ですから、

「木でできた吹く楽器で、低音~中低音あたりを担当してるんだよ。」

と言っても、「ああ、あの楽器ね!」とはなりません。


なんなら、音を聞かせたところで、やっぱり「ああ、聞いたことある!」となることは少ないです。



ちなみに、こんな音をしています。
綺麗でしょ。


実は日常で耳にしているはずなのに気づかれない

実は意外と、日常的に聞く機会の多いファゴットですが、なかなか気付かれない。

やっぱり何といってもマイナー楽器ですから。



「ちびまる子ちゃん」や「ドラえもん」などの、国民的アニメのBGMに使われていたり。

ディズニー映画「ファンタジア」の「魔法使いの弟子」には、おいしいおいしいファゴットソロ(ソリ)まで。

私もこれ吹いたことありますが、めっちゃ緊張しました。
2:43~と、7:38~です。



ジブリ映画にもたくさん使われています。
例えば「魔女の宅急便」とか。



Jポップにだって。
例えば、やくしまるえつこさんの、「ルル」
0:26~からいます。


SEKAI NO OWARIさんの、「hey ho」
イントロからいますね。うれしいね。


また、公式YouTubeでのMVはないですが、椎名林檎さんの「マ・シェリ」にも使われています。


その他、テレビCMなどでもちょくちょく耳にします。


でも一般的には、「この音」=「ファゴットの音」とは思われないんですよね。
素朴で綺麗な音なんだけどなあ。

指揮者にスルーされる

よく、指揮者にスルーされます。


【指揮者】
じゃあ、5小節目から、(トロン)ボーン、ユーフォ(ニアム)でやってみて。


【ファゴットを吹いている粍井】
(あれ、ここって・・・。)


~演奏中~

~演奏ストップ~


【ファゴットを吹いている粍井】
あの、そこファゴットもあります。吹いた方がいいですか?



ということが結構あります。

ついでに、バスクラリネット辺りも、よく忘れられます。


指揮者もスコア(=全パート分の楽譜が載っている楽譜)を逐一見ずに、聞こえている音で判断することがあるんですよね。

だから、聞こえていない楽器たちはよく忘れられるのです。

聞こえてないからミスがばれにくい

聞こえていないことのいい所は、ミスがばれにくいところです。

何なら、大勢で吹いていると、自分で自分の音が聞こえなくなる時もあります。

バレないのをいいことに、本来は伴奏なのにもかかわらず、こっそりメロディを吹いていたこともあります。

※もちろん本番ではちゃんとやります。

木管低音で吹くように言われるとドキッとする

そこそこの人数で吹いている部分で、たまに「木管低音で吹いて」と言われることがあります。


木管低音という括りだと、大体、ファゴット、バスクラリネット、バリトンサックスくらいで、この辺が全員で吹いたとしても多くて6人程度。


そんな人数でユニゾン(同じ音を吹くこと)で吹くと、ミスった時により目立ちます。
音程のずれなども目立ちやすいのです。怖。

孤独

先ほど、「木管低音は多くて6人程度」と言いました。
各楽器だと1人か2人です。

これは、学校の部活の場合でも、学外の団体でも同じようなもので、楽団全体で50人くらいいても、ファゴットは1人か2人(か、0人)。



バランスの観点でも、ファゴット人口の面から考えても、大体このくらいの比率です。
学校なら、先輩も後輩もいないなんてのはザラです。

なので、先輩からあまり教わることなく、独学という人も比較的多いのではないでしょうか。



だから、孤独!!

逆に、孤独でもいい、孤独を愛する人に向いてるのかもしれません。

しかも、木管低音の中でも、「バリトンサックス」はサックスパート、「バスクラリネット」はクラリネットパートに属するため、そうなると8人くらいの大所帯になります。

が、ファゴットはそういうパートが無いか、もしくはダブルリード(※)パートにくくられることが多いです。

※吹き口(リード)が、2枚の木の板でできているので、「ダブル」な「リード」なのです。
クラリネットやサックスは、1枚の木の板なので、「シングルリード」
フルートはリードがないので「エアリード」といいます。



私の場合、高校の時は「ダブルリードパート」でした。
オーボエも2,3人くらいだから、くくった所で大した人数にはならなかったです。


大学のサークルでは、オーボエがフルートと一緒にされてたので、ファゴットは「低音パート」でした。
チューバ・ユーフォニアム・コントラバスの中に入れてもらうという形で。



学外の団体では、パート分けという制度自体がなく、ただ「ファゴットパートさん(1人)」と呼ばれるだけでした。

オプション扱い

人口が少ないからなのか分かりませんが、ファゴットの楽譜には「オプション」と書いてあることがあります。
(オーボエもよくある)



これは、「もしもファゴット(オーボエ)がいたら、これを使ってね。」的な意味合いです。

だから、オプションの楽器がいなくても、演奏が成り立つようになっているんです。
ちょっと寂しい。



何なら、初めからファゴット(オーボエ)の楽譜が用意されていないものもあります。

そういう時は、ファゴットはユーフォニアムやトロンボーンの楽譜を一緒に吹いたり、吹くところを切り貼りしたり、必要に応じてバリトンサックスやバスクラリネットのパートをもらったりして、ファゴット用の楽譜を用意します。

ちなみに、私が1年だけオーボエをやっていた時、オーボエの楽譜がない時にはフルートの楽譜を吹くことが多かったんです。
が、フルートの楽譜だと音域が高すぎるので、オクターブを下げて吹いてました。

レアと言われる

冒頭でもお話した通り、ある程度ファゴットのことを知っている人に、「ファゴットやってます」と言うと、「レアだね」と言われます。

バランスの観点からしても、目立たなくて知名度も低いという点からしても、人数が少ないので、そりゃまあレアですよね。

寂しい時もありますが、「レア」と言われると、ちょっと嬉しいものです。

レア故に「変人」とも言われる

「レアな楽器をやっているから変人」なのか、「変人だからレアな楽器をやっている」のか、どっちなのかはわかりません。

どっちもそうかもしれません。



実際、「変人」ってよく言われます。
部活の顧問にも、先輩後輩にも、全然関係ない人にも言われます。



ちなみに私の場合は、

  1. 入部前にあらゆる楽器を試し吹きして、
    オーボエとファゴットしか吹けなかった。

  2. 持ち運びの楽なオーボエを志望した。

  3. しかし、楽器2本に対して希望者が3人いた。

  4. あみだくじの結果ファゴットになった。

  5. 練習して吹けるようになると楽しくなってきた。


という経緯で、今でもファゴットを続けています。
(その後オーボエの人数が減ったことで、1年間だけ臨時でオーボエに移りましたが)

さいごに

今回は、「ファゴットあるある」をお話しました。

マイナーだから、あまり議論にも上がらない話ですが、マイナーだからこそ、分かる人の間では盛り上がる話なんじゃないかと思います。



ここに挙げたこと以外にも、結構色々ありますよね。

(親指働きすぎだとか、ハーネスタイプのストラップは脱ぐの忘れがちとか、チューバみたいにバズーカごっこできるとか。)



ファゴットを知らなかった方は、良ければこの機会に、ファゴットの音を楽しんでみてください!

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