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【価値と価格に5年向き合って知ったこと】

このテーマと向き合って5年が経とうとしています。

もし1万時間の法則が当てはまるとしたら、2周近くしていることになる笑

2015年に法人を設立したばかりで試行錯誤していた頃、国内ではまだ今みたいにアートとかデザイン思考みたいなのがビジネス的な視点ではそこまで話題になっていなかったと記憶しています。

特にアートはその頃はまだまだビジネスの市場として一般的に認知もされていない感じでした。今でもまだ一般的?ではないかもしれませんが、今よりもっと。

なんとかサバイブして5年間で私が知ったことがたくさんあるのですが...

その一つは、


『価値と価格はイコールでは語れない』ということ。


冷静に考えたら、すごく普通のことなんですが...

定義がなんなのかとか色々ありますが、『幸せと成功はイコールでは語れない』というのと比較できるか微妙だけど、それと近いレベルで違う感覚..


私の認知で分けると以下

価値:定性的で属人的に感じること
価格:定量的で客観的に理解できること


最近トレンドでよく聞くようになったアート分野の市場で、少し気になっているのが上記の点です。

メディアへの取り上げられ方なども少し影響しているかもしれませんが、

『価値=価格』

と捉えてしまいそうになる場面が多くあるなと思います。
この捉え方で見ると、『〇〇〇億。え、これが〜〜???』的な反応になるのかなと(〇〇〇億とかも一言には語れないですが、ここでは一旦スルーします。一言で本当は語れることもあるけど。。)。
その反応の差が大きくある性質を持つ市場の部類に入るのがアート市場とも言えるかもしれません。


そして、スタートアップとか老舗企業とか関係なく、この市場のどこかの切り口で何かビジネスをしようと考えた場合、『価値』か『価格』かどちらかに寄せなければいけなくなる局面があります。もしくは、別の視点で概念を定義するか。
プロダクトを突き詰めると本当にその局面になります。本当に。

そうなった時にどちらの方向性で進めるかによって、戦略・戦術共に変わりますし、寄り添うべきユーザーも当然変わります。


と久々にnoteを更新したのも、結構市場が一般的?でないが故に、アート×ITで一括りにされた感じで各所でいただく質問やお話の中で出てくる内容がごちゃ混ぜになっている感じがしたので、少しだけそれが整理されると良いなという気持ちで書いてみました。

↑あまり役に立たないかもですが、少しは役に立つかもです。


私たちの会社自体はがっつりなアート市場というところからは外れていますが、新しい価値を生み出す、創造するという点ではアートから得た学びがあり、設立当初から変わらず会社のヴィジョン・ミッション共に軸になっていることは間違いありません。


マイケル・フィンドレーの『THE VALUE OF ART』という著書の中で、
アートが備える価値を三美神に例えています。

タレイア(豊穣と富の女神):アートの商業面
エウフロシュネ(喜びの女神):アートの社会面
アグライア(美の女神):アートの根本・本質面

この著書の中で言われる『価値』は個人的には『価格』にちょっと傾いているので私のイメージとは少し違いますが、アートのことを知りたいという人はぜひ手にとってみてください。
そこに具体的に何か答えがあるわけではないですが、アートディーラー的な視点から見た仕組みが少し分かるかもしれません。



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