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「損をしたくない」は、自分の価値観によって自分を守ること。


服のメーカーが「うちの商品はこれくらいが原価で、利益はこれくらいなのでよそよりもお買い得ですよ。」と宣伝するやりかたをよく見かけるようになった。

ひとつの服ができるまでにどんな生地をつかって、どれだけのパーツがあって、どこの、どんな工場で縫われて、どうやってお店まで運ばれてくるのか。そういう、ひとつのものが生まれるまでの「流れ」をなんとなく知ったり、意識のすみに置いておくことはたしかに大切なことだと思うけれど、原価を公表して、それを売り文句としてつかうのは、やっぱり野暮なことで、けっきょく誰のためにもならないんじゃないだろうか。


「原価を公表しているから安心して買い物ができる」というのは、つまり「損をしたくない」っていう気持ちのあらわれだと思う。それなのに、相手の言われる「これがお得です」をそのまま飲み込んでいては、実はそれが(いろんな場合で)損だったとしても、それに気づくことすらできないのだ。
そして、正直に言ってしまうと、「原価率」というのは示す側の裁量でいくらでも「マジック」ができてしまうものでもある。


「損をしたくない」という気持ちは汚らしいように見えるけど、大切なことである。それは自分の価値観によって自分を守ることである。そして、自分にとっての「お買い得」を見つける目こそ、ひとりひとりが大切に磨いていかないといけないものだと思う。

提供されるわかりやすいものさしでものを見るのでなく、自分の価値観でそれがお買い得なのかを見てほしいし、判断ができる自分でありたいと思う。



参照:ECでも原価率でもない、これからのアパレル業界に重要なこと | Fashionsnap.com https://stage.fscom.xyz/article/2018-01-04/ec-2020/ 


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