夜は短し歩けよ乙女と「偽電気ブラン」、あとは京都の大学生について。


観に行きました。映画はもちろんおもしろかったんですが、原作の森見登美彦さんと、監督の湯浅政明さん、キャラクターの中村佑介さん、音楽のアジカン。「四畳半神話大系」のときも思ったけど、こんなに全員の個性がまざりあってぴったりとくる仕事ができて、幸せだろうなぁと思った。


夜の京都とは魅惑の街である。木屋町通りの若者のにぎわいや、先斗町の大人なたたずまい。鴨川のほとりで短い夜をつかい果たす人々。

この原作を読んだのは、たしか19歳のときだ。まさに京都で大学生だった自分は、物語の中にでてくる「偽電気ブラン」を探して酒場をさまよったこともある。結局、「偽電気ブラン」は架空の飲み物だったようなのだが、去年ようやく電気ブランを飲みに浅草の「神谷バー」に念願かなっていくことができた。昔ながらのぴりっとした空気と・気取らない懐の深さが感じられる、すばらしいお店だった。


偽電気ブランを初めて口にした時の感動を
いかに表すべきでしょう。
偽電気ブランは甘くも無く辛くもありません。
想像していたような、
舌の上に稲妻が走るようなものでもありません。
それはただ芳醇な香りを持った無味の飲み物と言うべき物です。
本来味と香りは根を同じくする物かと思っておりましたが、
このお酒に限ってはそうではないのです。
口に含むたびに花が咲き、それは何ら余計な味を残さずに
お腹の中へ滑ってゆき、小さな温かみに変わります。
それが実に可愛らしく、
まるでお腹の中が花畑になっていくようなのです。
飲んでいるうちにお腹の底から幸せになってくるのです。
…ああ、いいなあ、いいなあ。
こんな風にずうっと飲んでいたいなあ。…


「偽電気ブラン」をはじめて飲んだときの、「乙女」の感想である。こんなにも豊かで色っぽい表現をされてしまっては、酒飲みとしてそれを求めないわけにはいかない。いつか飲んでみたいなぁ。と思いながら、あまのじゃくな自分はずっと想像のなかでこんな味をたのしんでいたいという気持ちにもなってしまうのである。


それにしても、大学生というのは最強の生きものだ。頭を悩ますことなんか、単位と女のことくらい。あとは人生でもっとも自由で・時間があって・責任のない時期である。たくさん失敗をするといいし、少しぐらい危険な目にもあってみるといい。明けがたのカラオケでくるりの「ワンダーフォーゲル」をうたっておひらきにしよう。

大学生よ、みじかい夜を遊びつくすのだ。



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