この壮大な宇宙に唯一つ、地球にのみ
生命(いのち)がある。
地球は宇宙の一部分ではない。
宇宙の存在目的は地球のいのちにある。
いのちの話は宇宙の話
私たちは、いま、ここに生かされている。
”いのちの舞台”の本真実に目覚めよう。
いのちの母体である宇宙の声に耳を傾けよう。
元初まりの話
世界一れつを救済するために確立された
”かんろだいづとめ”
(かぐらづとめ、たすけづとめ、よふきづとめ)
という祈り。
それは、人間創造のために最初に宿し込まれた元の一点、”ぢば”(人間創造の元の場所)に据えられた”かんろだい”(人間宿し込みの証拠として据えられている六角形の台)を取り囲んで行われる。
そこで選ばれた十人の人々(つとめ人衆)が、かぐら面をつけて、おのおのが異なった手振りでつとめ(祈り)をする。
それは、創造の元の”をや”が、泥の海のような原始地球で、人間にまで進化するであろう、元一つの生命体の創造と進化の十の働き(機能)を、おのおののつとめ人衆の手ぶりにあらわしてつとめられる。
かんろだいづとめは、ありとあらゆるもの一切の創造の守護の再現である。
ありとあらゆる一切の一つ一つが、いま、ここ(実在の今)にある。
私たちが、いまここに実在することへの感謝が天理教、おみちを信仰するものの基本姿勢である。
そして、このような手振りのおつとめをし、そのおつとめの理をよく解らせようとして説かれたのが”元初まりの話”である。
こふきをつくれ
「学問に無い、古い九億九万六千年間のこと世界へ教えたい」
”おふでさき”が明らかにする元初まりの話の生命史的意義がある。同時に、宇宙史的意義でもある。
元初まりの話は真実の話
元初まりの話は、創造の真実の話である。
元初まりの話は真実の話
その真実の根を掘り切ることを急き込まれる。
この”おふでさき”に応えて、元初まりの根を掘る努力を重ねたのが元初まりの話
元初まりの話
”おふでさき”に示された教理を芯にして
”こふき話”から生命科学的に肉付けする。
夫婦をこしらえる
”このよふ”をはじめかけた真実を明らかにする。人間をはじめかけたのは、”よふきゆさん”が見たいからである。
”いのちの真実”の話であり、真実の守護、働きに焦点がある。
展開した守護とは?
「こふき話」に生命科学的知見を加えると
「元初まりの泥の海の中で、人間をつくり、その陽気ぐらしをするのを見て共に楽しもうと思いつかれた元のをや・真実のをや、月日(くにとこたちのみこと、をもたりのみこと)が、泥海の中を見澄まされると、沢山のどぢよの中に、うをとみという二種類の生物が混じっているのが目にとまった。うをとみだけでは味気ないので、うをを男雛形・種、みを女雛型・苗代の材料、夫婦の雛型にしようと、まずこれを引き寄せ、その一すじ心を見澄ました上、最初に産みおろす子数の年限、九億九万九千九百九十九年経ったなら、宿し込みのいんねんある元の屋敷に連れ帰り、神として拝をさせようとお約束なされ、承知をさせて貰い受けになった。この男雛形・種、及び女雛型・苗代の理に、いざなぎのみこと、いざなみのみことという神名が授けられた。
続いて、乾(北西)の方からしやち(鯱)を、巽(南東)の方からかめ(亀)をお引き寄せになり、承知をさせて貰い受け、食べてその心味わいを試し、その性をお見定めになり、それらを男一の道具及び骨つっぱりの道具、また、女一の道具及び皮つなぎの道具とし、それぞれを男雛型・種であるうを及び、女雛型・苗代であるみに仕込み、夫婦で子どもを産むという最初の働きが守護された。この男一の道具及び骨つっぱりの道具の理に月よみのみこと、女一の道具及び皮つなぎの道具の理にくにさづちのみことという神名が授けられた。こうして泥の海の中で初めて夫婦で子どもを産む働きが守護された。だが陽気ぐらしをする人間になるまでには、最初に産みおろす子数の年限、九億九万九日九十九年という長い年月、生まれかわり出かわりして、いのちが伝承されねばならなかった。
そこで、東の方からうなぎ(鰻)を、坤(南西)の方からかれい(鰈)を、西の方からくろぐつな(黒蛇)を、艮(北東)の方からふぐ(河豚)を次々とお引き寄せになり、これまた承知をさせて貰い受け、食べてその心味わいをお試しになった。そして、うなぎの性質は勢が強く頭の方へも尾の方からでも出入りするから飲み食い出入りの道具として守護され、その働きにくもよみのみこととの神名をお授けになった。かれいの性質は身が薄く、あおげば風が出やすいので息吹き分けの道具として守護され、その働きにかしこねとみこととの神名をお授けになった。くろぐつなの性質は勢い強く引いても切れず、どんどん成長するので稔を引き出す道具として守護され、その働きにをふとのべのみこととの神名をお授けになった。最後に、ふぐの性質は食べてあたり、生き死にのとき縁が切れるので切る道具として守護され、その働きにたいしょく天のみこととの神名をお授けになった。こうして、いのちの真実を支える十の働きが守護された。」
約九億年前の泥の海の中に存在していてたうをとみを種と苗代の材料として、男一の道具・骨つっぱりの道具、及び女一の道具・皮つなぎの道具の守護により、夫婦で子どもを産む働きが始まったことが明らかにされた。
いのちのあゆみ
約九億年前に夫婦で子どもを産む守護が明らかにされた後、陽気ぐらしをする人間になるまでのいのちのあゆみ
雛型と道具が定まり、いよいよ人間を創造されることになり、元一つの守護が始まる。
それは単なる生命の創造ではなく、夫婦で子どもを産むという有性生殖の守護。
元のをや、真実のをやである月日親神様は、泥海中のどぢよを皆食べて、その心根を味わい、これを人間の種となされた。そして、男雛型・種(いざなぎのみこと)であるうをに男一の道具・骨つっぱりの道具(月よみのみこと)を仕込み、それに月様(くにさづちのみこと)の守護が入り込み、また、女雛型・苗代(いざなみのみこと)であるみに女一の道具・皮つなぎの道具(くにさづちのみこと)を仕込み、それに日様(をもたりのみこと)の守護が入り込んで人間創造の守護を教えられ、三日三夜かかって、九億九万九千九百九十九人の子数をいのちの母体である母親(いざなみのみこと)の胎内に宿し込みになった。それから、いざなみのみことは、その場所に三年三月とどまり、やがて七十五日かかって子数のすべてを産みおろしになった。こうして、夫婦で子どもを宿すという創造の守護を完成させてのち、父親なるいざなぎのみことは身をお隠しになった。
最初に産みおろされたものは一様に五分であったが、五分五分と成人して九十九年経って三寸になった時、皆出直してしまった。けれども、一度教えられた守護により、いのちの母体であるいざなみのみことは、さらに元の子数を宿し込み、十月経ってこれを産みおろしになったが、このものも五分から生まれ、九十九年経って三寸五分まで成人して皆出直してしまった。そこで、また、元の子数を同じ胎内に三度宿し込みになったが、このものも、五分から生まれ、九十九年経って四寸まで成人した。この時、いのちの母体であるいざなみのみことは、
『これまでに成人すれば、いずれ五尺の人間になるであろう』と仰せになって、にっこり笑うて、その守護を完成して身をお隠しになった。そして、子らもその後を慕うて残らず出直してしまった。
こうして人間は、魚から虫・鳥・畜類など八千八度の生まれ変わりを経て、またもや皆出直し、最後にサルがいちにん残った。これは人間へと成人するいのちの母体であり、女一の道具・皮つなぎの道具・くにさづちのみことの守護でもあった。
このいのちの母体であるいちにんのサルのくちさづちのみことの胎に、男五人、女五人の十人ずつの人間が宿り、五分から生まれ、五分五分と成人して八寸になった時、創造のをや、月日親神様の守護により、泥海中に高低が出来かけた。そして、一尺八寸に成人してから子が親となって元の人数が生みそろい、海山も天地もようやく区別できるようにかたまりかけてきた。
そして、人間は、一尺八寸から三尺になるまでは、一胎に男一人と女一人と二人ずつ生まれ、三尺に成人した時、ものを言いはじめ、一胎に一人ずつ生まれるようになった。
この理によって人間は三歳でものを言いかけるのである。次いで、五尺になるまでに、人間の成人に応じて、海山も天地も世界も身出来て、人間は陸上の生活をするようになった。
この時までに、成人に応じて食物、農作物を不自由ないようにお与え下さった。
この間、九億九万年は水中の住まい、六千年は知恵の仕込み、三千九百九十九年は文字の仕込みと仰せられる。
人間は百十五歳の寿命を持っている。
元初まりの話が語りかけるもの
それは、一切の一つ一つが
いま(時間) ここ(空間)
にあること。
時空の本真実である。
元初まりの話の焦点は、”今”であること。
十全の守護
元初まりの話にあらわれてくる十の働きを、十人のつとめ人衆が、おのおのの手振りにあらわしてつとめるのが、教祖が完成を急がれた”かんろだいづとめ”
これが十全の守護である。
一切のいのちは、十全の守護によってみな、その生成を遂げている。それ故、この身体は決して自分のものではなく、”をや”のかしものであり、かりものである。
※いのち ─今、を活きる─ 山本利雄 著
より抜粋