「認知的不協和」を描くのに気を付けたこと


 読書まとめの用語のインフォグラフィックスでまとめた中から,「認知的不協和」について用語の補足とデザインの意図を説明しようという内容です.大した補足ではありませんが,描きださなかったものがあるのでそれに触れます.

 このインフォグラフィックのもとは『ヘンテコノミクス』(マガジンハウス)の認知的不協和の項から題材をとっていて,本の内容はすっぱいブドウのキツネが死んだあと男の子に憑りついて負け惜しみばかり言う人生にしてやるぞといったものです.なので左の坊にキツネが憑りついています.

 改めて,認知的不協和について説明すると,矛盾する2つの考え(状態)があるときに生じる葛藤,違和感,不快さのことです.図だと,右のキツネが「食べたい!」と思っているのに「手が届かない」状態があって認知的不協和が生じています.効果音だとむぬわぁーって感じ.食べたいのに食べられない,そんな口内炎薬のCMがありましたがまさにあれ.

 そんな認知的不協和に対する薬があればいいですが,そんなものはないのでキツネは「あのブドウはすっぱいに違いない!」と言って,「食べたい」という考えを否定して認知的不協和を解消しています.ここまでは有名な話.

 それに対し,左の坊は少し事情が違ってきます.坊の場合,自分は「おいしそう」と思っている,でもキツネに「すっぱいに違いない」と言わされて,認知的不協和が生じています.

 実はここにちょっとした問題があって,図の上部にある文字を当初考えていた「応用」から「発展」に変えました.

 「発展」編の場合,人の信念を変えるために認知的不協和が利用されているのです.人は認知的不協和を解消するために,自分が信じてないことでも主張させられれば信念を変えます.(逆に強制されなければ自分と相反する主張に対してより強固に否定します)

よく分かる遷移図.
2の状態のとき,否定させられることで認知的不協和が生じている.自明.

 よくセールスマンがドアに足を突っ込んで認知的不協和を利用するという話がありますが,私は人に損をさせるための知識の利用の仕方はいけないし,そのようなデザインをすべきじゃないと考えています.自分が得をする≠他人に損をさせる,ですが,だからといってその人が必要としていないものを売りつけるために知識を使うべきではありません.

 だから,「応用」という言葉を使うのをやめました.今は「発展」よりも「展開」にすべきだったかなと思っています.明らかに上記の図の「基本」と「発展」の場合,違うものですからそれを表しつつ,うまく知識の悪用を感じ取れないものにしたかった.単なる言葉遊びと思われるかもしれませんが,言葉の影響は大きくて,注意したいのです.

 本当は認知的不協和を利用して相手の信念を変えているところまでより明示的に触れたかったのですが,それを描いてしまうと情報過多になりますし,これを最初に投稿したTwitterは詳細な解説文を載せるのは向いていません.一部だけが見られたり,へんな情報の伝わり方をするなら描かないほうがいいと思い,描きだしませんでした.

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

強くなります.

22

目々連

#デザイン 記事まとめ

デザイン系の記事を収集してまとめるマガジン。ハッシュタグ #デザイン のついた記事などをチェックしています。広告プロモーションがメインのものは、基本的にはNGの方向で運用します。
1つのマガジンに含まれています

コメント1件

すごくわかりやすいです!
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。