この記事は関西大学総合情報学部 山の上 Advent Calendar 2018の8日目の記事がめちゃくちゃ長かったのでまとめ直したものです．元の記事はこちら．長いのに「遅刻しなかった～」ぐらいしか書いてないので削りました．
記事の最後に2019年度情報追記（2019年3月16日）

　8月28日から30日にかけて開催された日本認知科学会のサマースクールに参加しました．この記事ではざっくりと参加したよ！という話を書くので，サマースクールの詳細は日本認知科学会のサイトをご覧ください．
　本当にただの参加記ですが，自分が参加申し込みをするときについていけるかと不安になって迷ったので，興味がある方の参考になればと思います．

・書いている人

学部4年生 
所属はインタラクションデザイン系のところ
うっかりしてるので間違えている可能性がある（※重要※）

・読み手の想定

アドベントカレンダーが「後輩のためになろう」というものなので一応，弊学部の1～4年生
の中で，とくに認知科学に関心があり，院進を選択肢に入れている人
ただし，だいたい誰でも読めるようには

　会期中に一切写真を撮っていなくて手元にあるのがノートぐらいなので以下ずっと文字だけです．雰囲気が気になる人は，Twitterで#JCSSサマースクール2018を検索するとセッション内容とともに写真がいくつか出てきます．ありがたい．

いざ，

　今年の会場は立命館大学大阪いばらきキャンパスです．1日目，2日目にセッション，グループワークの時間が設けられ，最終日にグループワークでまとめた研究計画の発表があります．参加所は主に学生と先生方で，社会人の方も参加されていました．

　学部生も参加していて，中でも3年生が多かった印象です．専門については3分の1ずつ工学系，心理学系，その他に分かれていました．「その他」を分かれていたといっていいかは知りませんがだいたいそんな感じです．

セッション

　初日，2日目に先生方から認知科学とは何か，良い実験デザインの立て方についてレクチャー・解説があります．

　申し込むときに学部生でもついていけるか不安でしたが，講義やゼミでやっていくらか知っている内容だったので問題ありませんでした．「講義やゼミでやった内容だったから大丈夫」なんて不安に思っているほうからしたら何の参考にもならない情報ですが，実験計画の立て方については学部1年でもレポートの書き方はやっているだろうからそれの発展みたいなものですし，他についても「認知科学」の授業を受けていればなんとかなります．

 　と，偉そうなこと書いてますが，なんとかならずに分からないところもありましたし，グループワークなんかずっと他のメンバーの方に頼りっきりだったので非常に申し訳なかったです．

　セッション内容について担当の先生と題目だけですが記しておきます．

1日目
　嶋田総太郎先生（明治大学）「認知科学の基礎」
　米田英嗣先生（青山学院大学）「実験デザイン入門」

2日目
　開一夫先生（東京大学）「何のための認知科学？」
　安西祐一郎（日本学術振興会）「認知科学の研究に理論とモデルはなぜ必要か」

グループワーク

　5人前後のグループに分かれ，「インタラクション」「対話」「教育」のテーマの中から1つ以上を選び具体的な研究計画を立てました．セッション内容をふまえて，知りたいことからアプローチを考え具体案に仕上げていきます．

　グループワークの目的は，セッション内容の実験デザインの立て方を実際にやってみること．あと，学際的な認知科学の特徴である異なるバックグラウンドを生かすこともいくらか含まれていたんだったかもしれません．3ヶ月以上経ってから思い出して書いているのでその辺はいくらか曖昧です．はい．
　正直，2日（のうちの限られた時間）で実際に研究として成り立ちそうなものを考えて具体的研究までもっていくのは少しハードだなと感じました．さらにお互いのバックグラウンドを活かしてグループワークでわざわざやるだけの成果まで出せたかというと難しいです．しかし，普段とは違う方たちといつもと異なるテーマで研究を考えるのはすごく楽しかったですし，勉強になりました．

ティロ・フィナーレ

　1日目のグループワークの時間と，2日目は昼休みとセッション終了後の時間にまとめた研究計画を3日目の午前に発表しました．たしか発表までやるのは今年が初めてだそう．
　グループごとに発表していき質疑応答（かつ先生方による講評）を行いました．いろいろな研究テーマがありましたが援助や支援についてのものが多かった気がします．

　このグループワーク発表をもって3日にわたるサマースクールが終了となります．あとは各々自由に，そのまま残って大会に参加した人もいれば，自分の場合は用事があったのでポスター発表だけ回って帰りました．

まとめ

　という，本当にただの参加記です．はじめにも書いたとおり，申し込むとき不安だったので興味がある人の参考になればいいなと思っています．お世話になった方々ありがとうございました．もし，何か間違えている，問題があるなどの箇所がありましたらご連絡ください．

<!-- 以上までが参加記 -->

　「読み手の想定」の中で「院進を選択肢に入れている人」とあるのは，サマースクールの目的が若手研究者の交流で，学部生でも問題ないけど想定している対象は院生以上だと感じたからです．ただ，サマースクールが交流を目的としている理由は，外の環境へ出ていろいろな研究者と刺激しあうためです．なので別に大学院へ進んで研究を続けていくのなら，学部生のときから外に出ていってもいいんじゃないかなと思います．

　もっと詳しく知りたいという人は，実は日本認知科学会の『認知科学』 No.4にサマースクールの参加報告が載っているのでこちらで他の方のちゃんとした参加記が読めます．キャンパス図書館の，新聞が置かれているところの横が学会誌の棚になっていてそこにあるはずです．過去の分については，図書館入ってまっすぐ行ったガラス張りのところ，あそこが過去の学会誌を製本したものの棚になっているのでそこを確認するか，司書の方に聞いてください．

　サマースクールに参加しようと思ったら，参加募集が6月から始まります．参加費がかかりますが，ありがたいことに学生補助が用意されていて負担をずいぶん軽くすることができます．自分が応募したのは7月初めで，そのころにはすでに学生補助の残り枠が少なくなっていたので，興味があったら日本認知科学会のサイトをちょくちょく確認してください．ただし，来年は会場が静岡だった気がします（が公式の情報が見つけられない）．

　はい，以上までが参加記でよかったかな．ここから先は個人的な話で，サマースクールで（比較的）近いことをやっている人たちと話せて楽しかったという話です．

　アドベントカレンダーのタイトルにもあるとおり，弊学部，情報系です．なので外へ出ろっていったときに勉強会やハッカソンなどへ出てる人がいると思います．自分もたまに勉強会へ出ますが，UIやインタラクションについて研究していますという方にあまり会いません．もっと近い分野のものを探して出ていけって話なんですが，如何せん探し方が分からないし，見つけても開催場所が東京で金銭的・時間的に出るのが難しいということが多々あります．
　もちろん，フロントエンドやセキュリティの話を聞くのも面白くって，違う分野の方と話していると知らないことばかりで楽しいです．でも，いろいろな人と話せというのと少し矛盾しますが，自分の関心の中心は認知科学（の中でも知覚やHCI）にあるわけで，やっぱり自分と近いことをやっている人と話すとすごく面白くて刺激になります．

　この3日間で，普段喋る機会のない方たちと話し，いつもと違う環境で過ごすという貴重な経験ができました．サマースクールに参加してよかったです．

2019年3月16日　追記

文中に来年の会場は静岡と書きましたが，現時点ではどうやら次のサマースクールは神奈川でやるようです（学会は静岡）．

2019年度　日本認知科学会第36回大会
9月5日（木）から7日（土）まで
会場は静岡大学浜松キャンパス
大会ページ（https://www.jcss.gr.jp/meetings/jcss2019/index.html）

日本認知科学会サマースクール
8月28日（水）から30日（金）まで
場所は箱根湯本富士屋ホテル
関連ツイート（https://twitter.com/jcss_wakate/status/1105218388110921729）

大阪からさらに遠くなっちゃった．仕方ないね．