葛西臨海公園/水族園 水鳥・海鳥と河童
今日は鳥以外も見たんですが特に鳥に注目していたので。
到着から水族園の開園までうろついていました。ウミネコはもっぱら飛行や散策で餌を探す海鳥ですね。
潜水で餌を探す海鳥(水鳥)の中でも後肢で推進するタイプのカワウです。ペンギンとは対照的ですね。
カワウは行動が面白いです。
あまり訪れる人がいないんですが葛西臨海水族園には淡水コーナーもあり、正面のドームの下にある本館に行く道から逸れると着きます。私はここ最近はこちらを先に見るようにしています。淡水生物館の道すがらにはタンチョウとコウノトリを主に紹介する水鳥のケージがあります。
クロツラヘラサギが手前にいました。しゃもじみたいなクチバシですが羽繕いにはクチバシの先端にある小さく尖った部分を使います。
タンチョウが水辺で餌を探していました。野生さながらの作業です。いい生態展示ですね。
しかしこれで満足していたら、
対面の小川に野生のコサギがいました。野生にはかないませんな。
淡水生物館の特別展です。なんで水族館で河童なんだとお思いでしょう。
メインはこの水槽です。伝承にある河童の習性から河童に必要な工夫を割り出して設置されています。
これはいかに生き物の習性に関する情報から飼育法を確立するかということを、情報上の生き物である河童を例にとって示した展示なのです。他の生き物の展示でも同じような工夫が行われているということでもあり、ユーモアを通じて水族館を見る目が変わる素敵な特別展です。
河童の原型になったであろう生き物達が違った感じに見えてきますね。
そもそも河童の伝承が生まれた頃の人々にとって、急に水に飛び込んだっきり見えなくなる生き物達は毎回何だったかちゃんと分かるようなものではなく、また生活の糧を得るために水辺に近付いて事故に合うことも今より多かったでしょうから、水辺の生き物の把握できない部分と水辺の恐ろしさが結びついたものなのではないでしょうか。
つまり、水辺の生き物に何か不思議を感じたらその生き物は部分的に河童なのです。
……などと考えていたら、外が見える池の水槽のほとりにまたコサギ。
さらに淡水生物館から本館に戻る道すがらまたしても。
こっちの道がいかにひっそりしているかということなんですが、野生動物がこんなに見られる水族館なんて最高かもしれないですね。
さて本館館内。情報資料室(ミニ博物館みたいなコーナー)にウミガラスのデコイと卵がありました。伏線です。
今回主な目当てはフンボルトペンギンだったんですが、夏なので換羽中です。
普通換羽中のペンギンって元気ないしぼさぼさだしでオフシーズンみたいなものなんですけれど、今回はペンギンの羽繕いと換羽に注目して見てみました。
フィーディングタイムもテンション低めでいつものペンギントルネードは見られません。しかしテンション低いように見えない写真ですね。ナイスキャッチ。
羽繕いをしている様子をきちんと見てみましょう。クチバシだけでなく水面に浮かんで足も使って羽繕いをします。
水かきのある鳥は水をかく邪魔にならないように爪が小さいものが多いようですが、ペンギンの場合は水かきで進むのではないことと陸で岩場なども進むこともあってしっかりした爪があるようです。これで羽繕いもしていたんですね。
換羽が完了したフンボルトペンギンと換羽途中のフンボルトペンギンです。
換羽前ともなると羽が古く水弾きが悪くなっています。
換羽直後だととてもよく水を弾きます。
生後1ヶ月の若鳥です。換羽途中のが子供と間違われることも多いようです。
フェアリーペンギンも見ていきましょう。木陰で何やらにぎやかにしていました。割と木陰を好むようです。
一羽がもう一羽を伏せさせて抱きよせています。
繁殖期だったようです。
もう1羽が横から物言いを付けてオスを追い払いました。もしかしたら本来のカップルではなかったのを本来のパートナーであるオスが止めに入ったのかもしれません。
こちらも換羽中です。
ミナミイワトビペンギンとオウサマペンギンは涼しい地域に生息する種なので春夏はバックヤードにいるのですが、その様子を映すモニターが設置されました。
別にペンギンを可愛いだけのものとは全然思っていないにも関わらず、こうした良いペンギン展示の前では時間が溶けがちです。
北の海鳥のコーナー、エトピリカは美しい夏羽です。
ウミガラスは育児中でした。両親以外の血縁者も給餌するそうです。
北の海鳥のコーナーは撮影が難しいので、いつもペンギンとは違って翼を半分畳んだまま羽ばたいて泳ぐ様子がうまく撮れないのが残念です……。
葛西臨海水族園30周年です。今は立派に茂っている園内の木々も当初は寂しかったようです。
なんと情報資料室で見たウミガラスの卵そっくりのお土産が売られていました。「そういうのだよ!!」と叫びたくなるほど的確なグッズです(形はちょっとずんぐりしていますが)。中身はアメちゃんです。
というわけで、葛西は別に鳥類専門ではないにも関わらず目当ての水鳥・海鳥について充実した見学ができた一日でした。
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