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組織が大きくなって全員サッカーが通用しなくなったら、仕組みを作ろう

組織が大きくなると、全員サッカーから脱却して組織化しないとと勝てない、という話(サッカーの話ではなくて組織の話です)

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よく聞く話で「組織の壁」というものがあります。仕事がたくさんありレベニューも確保できてくると、より稼ぐために人を採用します。人員の増加スピードに対してマネジメント育成やビジョン・ミッション・カルチャー構築が追いつかないと、メンバーの顔と名前が一致しなくなり、部署は利害ドリブンでサイロ化が進み、新人と旧人で情報格差ができ、やがて組織は崩壊していきます(自分は崩壊した組織にいた経験がないのでわかりませんが、一般的にそう言われています)

これは全員サッカーができる人数ではないのに全員サッカーをしている状態に似ていますよね。

フィールドに11人以上いるのに役目と連携が与えられず、「相手のゴールにボールを入れたら勝てる」というルールしかなかったらどうなるでしょうか。ゴールに向かう人、応援する人、サボる人、相手のチームに寝返る人、その様子をツイッターで面白おかしく中継する人・・・いろいろ出てくるでしょう。いわゆる「人任せ」ってやつです。

サッカーにはフィールド上に11人、それぞれポジションがあります。それ以外にもベンチに控えている選手、ベンチに入れなかった選手、監督、コーチ、フロント、GM、サポーターなどなどなど。いろんなロールで成り立っています。

組織においても、役割を分担して協働のやり方を設計して、同じ旗印の元に走る状態を作る必要があります。

小さい組織では、協働は対話を通して達成します。ルールを作ったりするよりも、いち早く・一円でも稼げるほうが重要です。わいわい一丸となって何かを目指すのは楽しく、阿吽の呼吸で仕事ができるのでつまらないルールを作るインセンティブも働きません。それが全員サッカーの状態。そのままのノリで人が増えていくと、前述の組織の壁にぶつかります。

上記リンクでは、マネジメントの育成や社長のスタンスなど、トップ層がやるべきことが書いていますが、現場の人間でもボトムアップでできることはあります。それは、協働のやり方を設計することです。

組織の在りようによりますが、これまでなんとなく人依存で進めていた業務をプロセスを見える化して誰でも遂行可能にする、他部署の情報共有のラインを決めて情報の非対称性を緩和する、部署間の相談窓口を明確にして特定の人に問い合わせが集中しないようにする・・・

ビジョン・ミッションなどの旗印を誰かが決めてくれるのを待つのではなく、誰かが自分や他者を育ててくれるのを待つのではなく。このように現場の人ができることがたくさんあると思います。

同じように他部署や新しく入ってきた人に興味を持つこと、顔を名前を早く覚えること、のようなことも大事ではありますが、これは個人が努力すべきことであって全員に期待するものではありません。極端に言うと、どのような人であっても協働できうる「仕組み」を作ることも同じくらい大事なのです。

近代サッカーは戦術理論とデータアナリシスが発達し、それらを下敷きにチーム内でルールを作りプレイヤーがフィールド上で質の高い判断ができるかどうか?相手チームのルールを事前に見破りその構造上の弱点を突くことができるか?が勝ちを奪い取るための重要なポイントになっているようです。

同じことが、組織にも言えるのではないでしょうか(企業にはサッカーのような「相手チーム」はいませんが)

ビジョン・ミッションという戦略をベースに、協働のルールとそれを実現できる人材・タレントとその配置、データを元にした組織 PDCA サイクルを回す。そのようなリーンな、別の言い方をすれば基本所作を低コストで遂行できる組織にこそ、クリエイティブを発揮する余地が産まれるのだと思います。

なので、目の前の小さな改善を明日からやっていきます。



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