知らない人んち

【知らない人んち(仮)】テレ東シナリオコンテスト第1話参加


#テレ東シナリオコンテスト

↓視聴者全員で続きを考える新実験ドラマ「知らない人んち(仮)第0話」の続きのシナリオを書いています^^

↓誰でも応募できるようです。応募詳細はこちら!

第0話あらすじ

『夕飯に出前オゴってあげるから、家泊まってってイイですか?』
と声をかけたら、果たして泊めてくれる人はいるのか?」 という
体当たり企画をはじめたYouTuber・きいろ(筧 美和子)。ある一軒家を訪ねると、そこは3人の男女が住むシェアハウスだった。
撮影をお願いしてなんとか中に入ると、家の中の様々なものから きいろはあることに気づく。
「……この家、この人たちの家じゃない」
不審に思うも「何か面白いものがとれるかも」と欲が出たきいろは
屋根裏に潜入し、撮影を開始する。
一体、3人の正体は?
この家にはもともと住んでいた人がいる?
その人たちはどこに?
きいろに襲い掛かる危機とは!?

こんな第0話。この続きとして、第1話に続く私が考えたシナリオは「ヒーローと悪者の葛藤」です。

物語の背景

アク(25)、ジェミ(20)、キャン(19)は、星座戦士ゴレンジャー。アクはアオレンジャー、ジェミはピンクレンジャー、キャンはアカレンジャー。他に2名、グリーンレンジャーとクロレンジャーがいる。グリーンレンジャーはジェミの双子の兄。普段は、困った人を助けている。しかし、ヒーローたるもの、正体は絶対に明かしてはいけない。今日もYoutuberのきいろが困っているのを発見し、「バイトを首になって金欠」だという彼女を救うために、協力しようと立ち上がる。しかし、ヒーローであるという本性をばらしてはいけないので、ひやひやしている。

第0話の謎・違和感・伏線の回収

①ジェミが空き地に埋めていたもの/探していたもの

・・・正義のヒーローの最終手段であるスーパー巨大ロボ。敵が巨大化した時には、あの空き地が地割れし、中から出てくる

②きいろがなぜ住宅街で協力者を探していたか

・・・きいろは実は悪の秘密結社の一員。初めから、アク/ジェミ/キャンがターゲットであり、倒したいと思っている

③外観を撮らせない理由

・・・正義のヒーローの拠点の所在地は誰にもしられてはいけないにきまっている

④玄関の杖と子供用三輪車と犬のケージ

・・・今まで助けた人たちが忘れたり、助けた人のために用意したもの

⑤壁のカレンダーが2018年12月(現在2019年)

・・・ヒーローは24時間忙しいのだ。カレンダーを変えている暇がない

⑥キャンの涙の理由

・・・正体を一生隠し続けなければならないキャンにも、「恋がしたい」とか「誰かに共感してほしい」とか、それなりに葛藤があるのだよ

⑦きいろの髪の毛から落ちた(恐らくプラスチック的な)何か

・・・きいろにつけられた発信機。悪の秘密結社のボスがきいろの居場所を特定するためにつけている。きいろは気づいていない

⑧子供が描いたような絵

・・・子供がヒーローにプレゼントした絵。ゴレンジャー全員が描かれている。壁に貼っていたが、落ちてしまったようだ

⑨×の「暗室」

・・・正義のヒーローグッズが置いてある。コスチュームとか超スーパーアイテムなど

⑩ジェミ「このままは返せない」

・・・ヒーローは誰かを助ける正義感が強すぎる。「(金欠で困っていて、youtube動画を撮りたいきいろを)このままは返せない」

⑪ベッド下のカメラ

・・・悪の秘密結社の一員きいろが、ヒーローの弱点を探るために、仕掛けた盗撮機

⑫きいろ「この家・・・この人たちの家じゃない」

・・・「この家・・・(普通の家過ぎて)この人たち(ヒーロー)の家(本部)じゃない」

⑬きいろ「何か面白いものが、とれるかも」

・・・「(仕事して帰らないと殺されるから、本部じゃない新しい情報やお手柄のような)何か面白いものが、取れるかもしれない」

⑫ジェミが軍手を落とした理由

・・・ジェミはきいろが敵である悪の組織の一員であることを知っている(最終話で視聴者には分かる想定)。軍手を落としたと見せかけて、

登場人物の謎

・きいろの謎

きいろは悪の組織に所属しているが、最近悪の幹部たちが組織内で権力闘争をしており、仲間割れや下克上が起こっている。元々ヒーローになるのが夢だったきいろは、活躍するゴレンジャーに嫉妬した際、悪の組織にその嫉妬心に付け込まれてしまい、悪の一味となる。しかし、最近、セクシーな女性しか昇進できない風土や、怪獣同士の派閥、若いと事務処理ばかりさせられる等、「悪の組織」の慣習(多様性や個性を受け入れない組織)に違和感を感じている。悪の組織を抜け出したいと、バイトを始めるが、クビになっているため、悪の組織視界場所がないと感じている。悪者の掟として、ヒーローが人間である間や変身している間等、一人一人が自己紹介をする前は攻撃してはいけない、というルールがあるため、アクやジェミ、キャンを安易に傷つけられない。

・アクの謎

アクは、みずがめ座の戦士、アオレンジャー。正義感が人一倍強く、困っている人を見つけると見捨てられない性格。一方、まじめな性格のため「ヒーローは絶対に正体を知られてはいけない」というヒーローの掟に固執しており、突っ走ってしまうタイプ。0話での外出は、子供が悪者に捕まっているのを助けるために、出かけている。途中、あの空き地に寄って回収した袋には、ゴレンジャーのグッズを作っている「博士」が新しくパワーアップさせたアオレンジャーの変身グッズが入っている。早く迷子を助けないといけないので、早く着替えたく焦っている。アクは嘘をつかないので、「夕食の用意」は迷子を助けた後買って帰る予定。

・ジェミの謎

ジェミはふたご座の戦士、ピンクレンジャー。双子の兄がおり、兄はグリーンレンジャーである。今回、正義感が強すぎるアクが、「困っている人を助ける」と言って助けてしまったきいろの正体に気づいた唯一の存在。アクやキャンにいつ伝えようか、思案しながら、きいろの行動に常に目を光らせている。一方、正義のヒーローの弱点は「嘘がつけない」こと。×の暗室について、嘘をうまくつけずに、パニックに陥ってしまった結果、暗室等と口走る。嘘をついていくことに葛藤しながらも、どうにか、きいろをゴレンジャーのチームで退治できないか思案している。

・キャンの謎

キャンは蟹座の戦士アカレンジャー。昔からセーラームーンやおジャ魔女ドレミ、プリキュアなど、女性戦士に憧れており、念願のヒーローの仲間入りを果たす。一方、お年頃なので、正体を明かせない縛りのせいで、彼氏が作れない(作っても本当のことを言えないので、結局作れないのと一緒)、タピオカジュースを飲んでもinstagramにUPできない等に悩んでおり、きいろが今の普通の女の子としてyoutuberを楽しんでいることに羨ましさを感じている。

第1話のシナリオアイデア①ヒーローと「知らない」人んち

画像1

画像2

↑部屋の間取りはこんな感じ。

◯和室(3:00PM)

和室で、youtuber魂を燃え滾らせた(ように見せかけて、悪の組織への新情報で褒めてもらいたくて、思い直した)きいろは、不吉な笑みを浮かべながら、独り言のようにつぶやく。

きいろ「……何か面白いものが取れるかも」

きいろが呟いた次の瞬間、和室の襖が開く。ジェンが柱にもたれかかり、腕を組み、片方の膝を少し曲げて形で立っている。

ジェミ「……なんか、見つけた?」

すぐに絵のことだと察するきいろ。見つけたことがバレると、捜査していることがばれてしまう。笑顔をかわいい系に作り直し、

きいろ「あ!?さっき、リビングに落ちていたから!子供も一緒に住んでいるの?」

ジェミ「……。いや、いないけど。もらったのよ。こどもに。」

きいろ「そうなんだ!かわいい絵だね!

なんでこどもにもらったの?!教えてほしいな!」

ジェミ「……。いいわよ。リビングで……話す?」

ジェミの後に黄色い撮影用携帯を持ちながら、続くきいろ。きいろの笑顔の背景には、和室のテーブルの上に散らばったカバンの中身が少し映る。そのうちの一つに、悪の組織入館カードが映る(視聴者にはわからないレベル)

◯ダイニングルーム(3:30PM)
カメラを手にウロウロしているきいろ。キッチンでお茶を入れている様子のジェミ。

きいろ「きいろでーす!今からこのおうちの女子2人と女子トークでーす!いぇーい!では、お二人にインタビューしたいと思いますー!

(大げさな様子で)

あー!ここに犬小屋があるー!わんちゃんがいるんですかー?わたし、犬とか猫とか、大好きなんです!」

キャンがお菓子のかごを持ってきて、椅子に座る。

キャン「すわってすわってー!わんちゃん、飼っていないけど、昔、捨てられた子犬が少しそこにいたんだよねー!最終的には、飼い主さんが心を改めて、おうちに帰っていったんだけど!」

きいろがテーブルの方に近づく。ジェミがお茶のセットを持ってくる。

きいろ「へー!やさしい~!アクさんも夕食の用意くださるし、皆さん優しすぎる~!」

ジェミ「でも、なんで、知らない人の家に行こうと思ったのよ。」

ジェミがいぶかしげな視線を投げかける。その質問に大きく頷くキャン。きいろは、携帯の内カメラに向かって話す。

きいろ「おおーっと!きいろが逆インタビューされちゃいましたー!そうですねー。気になりますよねー。見てくださっている皆さんも興味ありますよねー!いいですよー!おしえましょう~!

(第0話のyoutube仕様のような早送り)わたし、バイト、クビになったって言ったじゃないですかー。なんか、うまくいかないんですよねー!ドーナツ屋さんでは、スマイルで接客してたのに、バイトリーダーに『笑顔が変だ』とか言われてクビになるし(悪っぽい不吉な笑みしかできない)、漫才のスタッフバイトをしていた時は、高笑いしてしまってクビになるし(悪者は高笑いしがち)、引っ越し屋のバイトしていた時は、荷物の中身を壊しちゃってクビになるし(怪力気味)……全然うまくいかないんですよねー!アハハハハハハ(やっぱり高笑い)

だからもう、自分のを売るしかないんですよー!身体は売らない……ですけどね♡」

ジェミ「でも、知らない人の家って…」

また、ジェミの言葉に頷くキャン。

きいろ「いや~、面白いじゃないですか!『YOUは何しにニッポンへ?!』とか!あれのyoutube版みたいなもんです!

てか!私ばっかりインタビューされてますよ!」

その時、ジェミが突然立ち上がる。顔色が悪く、頭を抱えている。

ジェミ「私、ちょっと。」

キャン・きいろ「え!?」

きいろ「そんな、急にどうしたんですか?!」

ジェミ「ちょっと……私、あんまり体調良くないのよ、ごめんなさいね。ゆっくりしてね。」

ジェミが部屋から出ていく。立ち上がって見送るきいろ。キャンがきいろをもう一度座らせるように肩に手を置く。

キャン「まあまあ、ゆっくりしてね♪youtubeで顔出して、身体張ってすごいよ~!私達で良かったら何でもするからさ!」

ジェミは、部屋に戻らず外へ。

〇空き地前(3:30PM)

ジェミがまた軍手で土をいじっている。

〇一階廊下(4:30PM)

キャンが台所に立っているところを見計らって、こっそりダイニングを出るきいろ。こっそり二階に上がっていく。

〇二階廊下(4:35PM)

階段を上り、女子部屋の前に立つきいろ。ドア越しに耳を澄まし、誰もいないことを確認して入る(きいろは誰もこの部屋にいないことを仕掛けた盗撮機で分かっている)。

〇女子部屋(4:40PM)

ドアが開き、入室したきいろの足元が盗撮機によって撮影されている。

チェストの中を開けるきいろ。写真を見つける。写真には、祖父母と思わしき男女、両親と思わしき男女、5歳くらいの男の子の写真。

子供の絵、玄関の三輪車、杖の回想シーン。

きいろ「やっぱり、この家、この家族のものなんじゃ……。」

ガタっ!

大きな音がし、すぐに写真を元に戻し、部屋を出るきいろ。盗撮機がきいろの退出の様子を映している。

〇廊下(5:00PM)

またガタっ!音がする。どうやら暗室のようだ。暗室の扉越しに耳をそばだてるきいろ。その時、暗室の扉が開く。驚いて、隠れる場所を探し、風呂場に逃げ込むきいろ。

〇浴室(5:10PM)

浴室のドアのすきまから、アクが暗室から出てきて、鍵を何重にもかけ、周囲を見渡しながら鍵をポケットに入れる様子が見える。ポケットに入れるときに、何かが落ちる。アクは落ちたものには気づかず、周囲を何度も確認しながら、非常に警戒した様子で、階段を下りていく。物置側から浴室のすりガラスにきいろが覗いている様子とシルエットが映っている。アクの姿が完全に見えなくなり、そっと浴室のドアを閉め、ドアを背に腰をぬかす様子のきいろ。

きいろ「ふぅぅぅ~~~!」

きいろ(やっぱり暗室には何かある……もしかして。もしかして。)

そして、ふと目を浴槽に向けると赤い血痕が2滴見える。きいろは腰をぬかした体制で浴室の壁に向かって後ずさりする。

きいろ(え・・・・血!?)

浴室を見回すきいろ。ゴム手袋が濡れている。シャンプーやボディソープなどは見当たらず、塩素系漂白剤、洗濯洗剤、酸素系クリーナーとバケツが端においてある。

きいろ「血…血が。」

〇キッチン(4:45PM)

キャンがふと上を向くと、1階と2階の間の入り口が開いていることに気づく。冷めた目で空いた入り口を見つめるキャン。

アクがキッチンに戻ってくる。キャンが空いた入り口を指さす。

アク「バレたか……!?」

キャンは口を手で押さえおびえた様子でアクの方を振り向く。

キャン「どうしよう……!?」

アク「とにかく、このまま返せないな。」

アクの拳のアップ。ぎゅっと拳を握るアク。

〇浴室再び(5:10PM)

浴室の壁にもたれて腰を抜かしているきいろ。一階からキャンの声がする。

キャン「きいろちゃ~~~ん!」

きいろは慌てながら、浴室を出て、アクが落としたものを拾ってトイレに逃げ込む。トイレの中で拾ったものを見ると少年の盗撮写真。

キャン「きいろちゃ~~~~ん?」

階段を上がってくるキャン。きいろは、トイレの水をわざと流し、出てくる。

きいろ「ごめんごめん、お手洗いに行きたくなっちゃって。」

キャン「えー!トイレ一階にあるのに~!?階段の下にあるよ?」

きいろ「え!?気づかなかった!ごめんね!」

キャン「ふふふ、これからはゼ・ッ・タ・イ、一階を使ってねー!」

きいろの腕を無理やりひっぱりながら、階段をおりるキャン。きいろの視線の先には、浴室が見える。

第一話のラストシーンは、浴室の血痕、塩素系漂白剤、洗濯洗剤、酸素系クリーナー、少年の盗撮写真の回想シーンでおわる。

視聴者は、このドラマがヒーローvs悪の組織の構図があることを知らないまま、ミステリーとして続く。この家は、どんな秘密を抱えているのか、この主題がまだ開示されないまま、続く。

第1話シナリオアイデア①ネタバレ

①浴室の血痕

・・・アクが悪者から子供を救出する際に、負った怪我。シャワーを浴びているが、結構腕がやられている

②塩素系漂白剤、洗濯洗剤、酸素系クリーナー

・・・ジェミが手洗いでコスチュームを洗う際に使うもの

③少年の盗撮写真

・・・助けた男の子の写真。意外にヒーローはアナログ

④女子部屋で見つけた家族写真

・・・過去に助けた家族の写真。意外にヒーローは思い出に浸る

第1話のシナリオアイデア②裏切り者を「知らない」人んち

◯和室(3:00PM)

和室で、youtuber魂を燃え滾らせた(ように見せかけて、悪の組織への新情報で褒めてもらいたくて、思い直した)きいろは、不吉な笑みを浮かべながら、独り言のようにつぶやく。

きいろ「……何か面白いものが取れるかも」

きいろが呟いた次の瞬間、和室の襖が開き、キャンが笑顔で和室に入ってくる。

キャン「きいろちゃぁぁん♪そんなとこにいないで♪せっかくだから、リビングでおやつ食べない?3時だし^^甘いの好き?

あ、(子供の絵を見つけて)……それー!!!!壁に貼ってたやつ!」

きいろ「え!?壁!?…あ!壁から落ちちゃったのか!さっき、落ちてたから、渡そうと思って、こっちに持ってきちゃった!」

キャン「ありがとう~~~!じゃあ、おやつ用意してるからリビング来てね♪」

キャンは子供の絵をきいろから奪うように手に入れると、ニコニコしながら、和室を出ていく。きいろは、自分の携帯から女子部屋に仕掛けた盗撮機をのぞき込む。

盗撮機を巻き戻し、録画を見ると、ジェンが「このままでは帰せない」と話している。

きいろ「え、バレてる……!?」

〇きいろの回想シーン

きいろは元々、ヒーローに憧れていた。でも、なりたくてオーディションを受けても合格しないし、ある日突然ベルトが空から降ってくることもなかった。ヒーローが人を助けるたびに、うらやましい気持ちが増殖する。そんなある日、学校からの下校途中に、高架下のトンネルで悪の集団の親玉に話しかけられる。「きいろちゃん、ヒーローがうらやましいよね。みんなに注目されて、パワーもあって…。自分がもっとパワーあるって世界中に知らしめてみない?あなたには、みんなが注目する素質があるのよ。」そして、きいろは悪の集団に入ることを決意する。(きいろが悪の組織であることを視聴者に開示。かつ、ヒーローが5人いて、そのうちの3人がアク、キャン、ジェミであることを開示。)

〇ダイニング(3:30PM)

キャンが、お菓子を用意していると、ジェミが携帯を触っているのが目に入る。悪気はないがこっそり見ようとすると、ジェミの携帯には、アクの部屋に仕掛けられた盗撮機の映像。

キャン「(え・・・!?ジェミ、なんで、アクの部屋の盗撮を!?)」

キャンはジェミを疑い始める。ジェミはキャンの様子に気が付かず、キャンに話しかける。

ジェミ「ねえ、キャン。今、新宿のコンビニで少女を盾に立てこもり事件が発生してる。アクに応援を頼まれたから、行ってくるわ。」

キャン「え・・・わたしは?」

ジェミ「大丈夫よ。他の応援も呼んだし。それより、きいろさんを一人にするわけにはいかないでしょ。」

キャン「でも・・・。」

ジェミ「いいのよ。とにかく、このまま、彼女を帰らせられないんだから。」

キャン「うん・・・・。」

家を出るジェミ。

〇和室(4:00PM)

和室の中をうろうろするきいろ。

きいろ「え、どうしよう。もしかして、私が悪の組織だってバレてる!?もしかして、この家でやられるなんてこと…ないない。でも、やられる前にあいつらの秘密を見つけないと。ヒーローの弱点さえわかれば、ミッション終了だもんね!」

〇二階の階段

和室をこっそり抜け出し、二階に上がろうとするきいろ。その時、キャンが周囲をきょろきょろしながら、アクの部屋に入っていくのが見える。

きいろ「え、キャンがアクの部屋・・・?」

〇男子部屋(4:10PM)

男子部屋を捜索するキャン。

キャン「確か、このあたりに・・・あ、あった!」

RECの文字が浮かぶ盗撮映像がキャンの顔を映し出す。

キャン「やっぱり、ジェンが盗撮機をアクに仕掛けてる…もしかして、ヒーローの秘密を悪の組織に流すつもりかしら。ジェン、裏切るつもりね。」

〇空き地周辺(4:10PM)

立てこもり事件現場に急ぐジェミ。携帯の画面上でアクと会話をしている。

ジェミ「こちら、ジェミ。今、向かっているわ。状況はどう?」

アクは、ヒーローのコスチュームの頭部分を脱いで、ジェミに話しかける。(アクがヒーローであることを視聴者に開示)

アク「ジェミ、ありがとう。こっちは、立てこもり犯人が悪の組織の一員であることを突き詰めた。怪獣に変身して、店内を破壊し始めている。早く来てくれ。」

アクを映し出していた画面が切れ、携帯の画面に戻る。

ジェミ「よし、変身!」

人影に隠れたジェミがピンクのヒーロースーツで出てくる。(ジェミもヒーローであることを視聴者に開示)

すると、ONにしていたアクの部屋の盗撮機にキャンの顔が大きく映し出される。

ジェミ「え…。キャンが盗撮機を・・・!?きいろが仕掛けた盗撮カメラだと思ってハッキングして様子を見ていたけど、キャンだったのね。もしかして、キャン、ヒーローの秘密を悪の組織に流すつもりかしら。裏切るつもりね。キャンときいろを二人きりにはしておけない。」

〇二階廊下

きいろ「これは、この”暗室”を見るしかない。」

暗室の鍵を開けようとするきいろ。ガチャガチャ・・・ガチャ。

きいろ「う~~~~ん。なにこれ、全然開かない~ちゃんとピッキングの授業、真面目に受けとくんだった~~~~!はあ、どうしよう、壊すしかないかな・・・うーん。」

ガチャ

その時、アクの部屋が空き、キャンが出てくる。慌てて身を隠すきいろ。キャンは手にカメラを持っている。

きいろ「(あ!私が仕掛けた監視カメラ!ばれてる!やっぱり、私が捜索しているの、バレてるわ。やばい)逃げないと。」

キャンがカメラを手に持ちながら、階段を降りるのを見届け、きいろも二階から一階に降りる。

〇和室(4:30PM)

きいろ「あ~~~!やばい!ばれてる!これは、ここでやられるのか、わたし。結局ヒーローには勝てないのかぁぁ。とはいえ、悪の組織に帰っても、殺される・・・どうしよう、どうしよう~~~!

・・・はっ!でも、キャンがアクの部屋にこっそり入った様子を見ると、キャンはヒーローを裏切ろうとしているんじゃないかな。もしかして、キャンを仲間にすれば・・・。」

和室を出るきいろ。ダイニングに入る。

〇ダイニング(4:30PM)

キャンのいるダイニングに入るきいろ。手には自撮り棒で撮影している。

きいろ「は~い、いつも黄色信号のyoutuberきいろで~す。きいろ、今日は、知らない人のおうちに泊めてもらうことになりました~!こちらキャンさんです~!かわいいですね~」

キャン「きいろちゃん、これって、私の顔が全世界に流れるの?」

きいろ「そうですよ~キャンさん♪絶対、youtuberなれますよ~これで、たくさんの人に見てもらって、キャンさんのファンができるかもしれないし~。

あ!皆さん、キャンさんyoutuberになりたいそうですよ~!応援して下さいね~!」

キャン「うん・・・。」

きいろ「そういえば、キャンさんとアクさんは、このおうちで出会われたんですよね?キャンさんはアクさんの部屋に入ったことありますか?」

驚いた表情で固まるキャン。

キャン「え~!いくらなんでも、男の部屋には、入らないですよ~。私ひとりっ子の家庭で育っているし、人生で一度も男の人の部屋、入ったことないんだ~。」

アクの男子部屋から出てくるキャンの回想シーンが挟まれる。

きいろ「え~!キャンさん~!うぶ~!かわいい~!これは、世の男性をトリコにしちゃいますね~!アイドル~!ケケケケケケケ」

悪人の出す高笑いをするきいろ。その時、先ほど絵を見つけたチェストの下に光るものを見つけたきいろ。寄ってみて、拾ってみると発信機。悪の組織のマークがついている。

きいろ「え・・・わたし、発信機、付けられてたの!?悪の組織に疑われている!?もしかして、どっちにしても命はないってこと!?」

〇玄関(5:00PM)

玄関から疲れた様子で帰ってくるアク。

〇二階(5:05PM)

二階の自分の部屋に入ろうとすると、違和感を感じて、ドアノブを見る。ドアノブに書いているマーカーの線とドアに書いたマーカーの線が合わない。急いで部屋に入るアク。

〇男子部屋(5:05PM)

アク「荒らされている・・・。誰か、この部屋に入ったな。きいろか。いや、まさか、ジェミやキャンなのか!?

この家で、ヒーローを崩壊させようとしているヤツがいる。徹底的に叩きのめさなければ・・・。」

〇エンドロール

キャンがジェミを疑い、ジェミがキャンを疑い、アクがジェミとキャンを疑い、きいろがキャンとジェミ、そして悪の組織を疑っている様子が流れ・・・・

「裏切者は誰だ」

で、終了。誰かが誰かを疑っている。本当の裏切者は誰かを探すのが次回となる。

タイトル「知らない人んち(仮)」の意味

「知らない」のは、

・きいろが悪の組織の一員であることを「知らない」ヒーローや、悪の組織に発信機を付けられるなど監視されていることを「知らない」きいろ。

・そして、世界が複雑であることを「知らない」私達。例えば、ヒーロー対悪者、いいニンゲンと悪いニンゲンというふうに、この世界はそんなに単純に分けられず、ニンゲンである限り色んな葛藤がある。「勧善懲悪」のようなシンプルな世界ではないはずだ。

そんな「知らない」ニンゲンの集まる「家」であることを示唆している。

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