見出し画像

一次試験の傾向と対策(小学校教員資格認定試験)


はじめに

私は会社員として働いていた社会人10年目、何か資格が欲しいと思って、この試験にチャレンジしました。

これは、通信教育や教育実習をせずに、一発試験で小学校教員免許が取得できるという、かなりオトクな試験です。

私は、もともと教員免許は何も持っていません。
そんな中、会社員としてフルタイムで働きつつ、土日も普通に遊びつつ、というかんじで、一次試験まで3カ月の勉強で、この試験に一発合格しました。コツコツ勉強したというよりは、ポイントだけを押さえて対策した、というかんじです。

この記事では、最短に効率的に対策するにはどうするか、という視点で紹介していきたいと思います。

一次試験の概要


さて、まずは一次試験があります。
今年は7月に行われるようです。

とにかく一次試験を突破すれば、二次試験は倍率が低いので、まずは一次試験頑張ってください!
二次試験の勉強は、一次試験が終わってからで大丈夫だと思います!
(一次試験の対策をきちんとすれば、二次試験の対策にもつながる)

2023年度の一次試験については、こんな案内となっています。
(引用:試験要項)

これだけだとイメージわかないかもしれないので、具体的に表にしてみました。2020年度時点での制限時間も載せました!

マークシート形式で「教職教養」と「小学校6教科」があり、あとは論述があるというかんじですね!

対策のポイント

過去問は最重要

一番のポイントは「過去問」です。

ついついテキストをはじめから勉強しがちですが、それよりもまずは過去問を分析することをオススメします。
基本的にこの試験は、毎回、過去問を焼き直したようなものです。

この試験は「競争相手がいるような採用試験」でなく「資格認定試験」です。そのため、「資格に必要な一定量の知識があるか」を見ています。

教育において普遍的に大切なことはそんなにコロコロ変わるものではないので、出題されるポイントは限られてくるのです。(学習指導要領の大きな改訂がある時は過去問からだいぶ変わる場合もある!)

この試験は範囲が膨大で、どこから手をつけたらいいかわからない…、となりがちなので、まずは区分Ⅰ~Ⅳの区分ごとに傾向をつかみ、対策を行っていくとよいかと思います。

私は、エクセルを使って、過去問の傾向をまとめたり、勉強計画を立てたりしていました。

参考書

小学校教員資格認定試験用の参考書はなかったため、私は教員採用試験用のテキストを購入しました。私のまわりの受験者も、みんな教員採用試験用の教材で勉強していました。

私は、セサミノート(穴埋めで用語を覚えるもの)と、オープンセサミ(参考書として)を購入しました。
「教職教養」と「小学校全科」の両方が必要です。

分厚いと持ち歩くのが大変なので、アイロンを使って教科ごとバラバラにしました。アイロンで分厚い本をバラバラにする方法は、ググれば出てくるよ!

私はそれを、100均で買ったじゃばらファイルに教科ごとに仕分けていました。私的には、そのじゃばらファイルに過去問も入れて、試験区分や教科ごとに整理するのが楽でした!
(この試験は、とにかく範囲が多くて、過去問や学習指導要領なども参考にするので、整理しておかないと勉強に必要な資料ぐちゃぐちゃになりがち!)

じゃばらファイルはこんなの

それでは次は、試験区分ごとの傾向と対策について書いていきます。


試験区分Ⅰ:教職教養(マークシート)

傾向

このセクションは、70分で20問の問題を解きます。
時間はたっぷり、有り余ります。

この70問に含まれるのは、主に以下の6分野。
・教育法規
・教育心理
・西洋教育史
・日本教育史
・教育原理
・新学習指導要領

参考までに、私が過去問を分析したところ20問の内訳はこんなかんじでした!

対策

まずはこれらをふまえて、私はこんな風に勉強しました!

①過去問を見て、押さえておくべきポイントと傾向をつかむ。

②用語に慣れるため、「セサミノート」の教職教養を、答えを見ながら埋める。

③過去問を解く。最初は全然わからないので答え見ながらでOK!

④家事や通勤中に、YOUTUBEの「きょうさい対策ブログの人」を聞き流す。https://www.youtube.com/watch?v=fdI_IKqQ4oc&list=PLV0aDyad8t5rc6fc3c5f3Hkz0F7zQbONB

⑤家事や通勤中に、YOUTUBEの「ボカロでらくらく攻略 教育法規」を聞き流す。
https://www.youtube.com/watch?v=acLjlcIv8t0&list=PLQ0qYbMgw_6kJJXWl3MHpcwdpTtVWqHa9

他にもYOUTUBEにはたくさん良いものが転がっています。基本的には、教員採用試験で検索すればOK!
私は参考書にはあまり課金しませんでしたが、YOUTUBEに関しては、この試験のために月額1000円のプレミアム会員になりました。(プレミアム会員にならなくても全部見れるけど広告が入る。)

私は「聞き流し」を多く利用しました。
マークシート式の回答だと、用語を覚えていなくても、なんとなく全体の雰囲気を理解していれば正しいものに〇をつけられるからです。

過去問の傾向を見ていただくとわかるように、ここでは基本的な教職教養の内容に加えて、その年のホットな教育トピックも入ってきますが、これは後述する一次試験の論述部分の対策を行っておけば、おさえておくべきポイントはつかむことができます。

試験区分Ⅱ:小学校6教科(マークシート)


傾向

このセクションでは、小学校の科目の中から6教科を選びます。
私は、学習指導要領が一番少ないもの6科目を選びました。
そうすれば、覚えることや網羅しなければいけない範囲が狭いので。

本番では、1教科10問×6教科を、180分で回答します。
1教科を30分で解けばよい計算ですが、10問解くのにそんなに時間はかからないため、時間はたっぷり、有り余ります。

私が選んだ科目は、以下の6科目。
・生活
・音楽
・図画工作
・家庭科
・体育
・外国語

このセクションの勉強において最も大切なこと、それは、まず「各教科の過去問を確認して出題傾向を把握すること」です。

科目ごとに問題を作っている人が違うため、「え?!教科によってこんな出題傾向バラバラでいいの?!」というほど、全然問題の出方や難易度が違うんです。

私はまず、各教科の過去問を数年分確認し、それによって各教科の勉強方法を計画しました。(エクセルにまとめた。)

急がばまわれ!闇雲に勉強を始めるよりも、この方が効率的に得点できます。

こんなかんじ…(2020年時点)


科目ごとに出題傾向はバラバラ

こんな風に分析すると、各教科で「毎年出ている問題」というのが見えてきます。これらを押さえておく必要があるから、初めに過去問分析をすることが大事なのです。

また、科目によって「学習指導要領(全体像だけ書かれたやつ)」から出題されるのがどの程度か、「学習指導要領解説(解説まで書かれた分厚いやつ)」から出題されるのがどの程度か、という傾向もつかんでおくと、何を勉強すればよいかポイントがつかめます。

対策法

まずはこの出題傾向をふまえた上で、全体的には大体こんな風に勉強しました。ただしこれも、各教科ごとに勉強法を変えた方が効率的です!

①教科によって出題のされ方が全然違うため、それぞれの教科の過去問を見て教科ごとの傾向と対策をエクセルにまとめる。

②用語に慣れるため、セサミノートを答えを見ながら穴埋め。

③学習指導要領&学習指導要領解説のPDFをダウンロード。

④スマホにPDF読み上げアプリ(GoodReader)を入れて、家の中や通勤中に学習指導要領と解説を聞き流す。一生懸命聞かなくても大丈夫です。聞き流しておくと何度も繰り返される用語などがあり「大体こういうことが大事なのね」と雰囲気がつかめるので、マークシート形式で出題された際には正しい回答にチェックできるようになります。

⑤知識系からも出題される教科はオープンセサミを読む。

⑥過去問は何回か解く。


試験区分Ⅲ:小学校1教科(論述)


傾向

試験区分Ⅲでは、小学校の教科の中から1教科を選択し、論述を行います。
時間は60分。

私は家庭科を選択しました。

理由は、この3点。
・小5、6年生だけの教科で範囲が狭いから
・常識的な範囲で答えられる問題がありそうだから
・勉強したら生活に役立ちそうだから

実際の過去問を見てみて、自分が一番回答しやすそう、勉強しやすそう、な科目を選択するとよいと思います。

科目を決めて対策する必要はありますが、
本番では全教科がひとつの冊子で配布されたため、
問題を読んでから教科を選ぶことも可能でした。

区分Ⅰと区分Ⅱのマークシート形式のセクションに比べて、
この論述セクションは結構時間に追われます。


対策

私は、科目を選んだあとは、こんなかんじで対策を行いました。

①学習指導要領解説をスマホのPDF読み上げアプリで聞き流す。

②国立教育政策研究所の「指導と評価の一体化(小学校・家庭科)」を読んで授業作りのポイントをつかむ。(科目によっては動画もあるかも)
https://www.nier.go.jp/kaihatsu/shidousiryou.html

③区立図書館で教科書を借りて目を通す。

④過去問を解く。

あとは、普段から文字を書く練習をしておくとよいと思います。
私は社会人になってからずっとPCを使い手書きをする機会がなかったので、漢字を忘れていたり字が上手に書けなかったりしました。笑


試験区分Ⅳ:教職全般(論述)


傾向


このセクションでは、「教員として必要な能力全般(教職への理解・意欲、児童理解、実践的指導力等)」を問うとされています。

これも、60分で2問の論述を行うので、時間はぎりぎりです。
私の時は、テーマは「学級経営」と「道徳教育」の2問でした。

この試験は「競争相手がいるような採用試験」でなく「資格認定試験」です。そのため、自分の考えというよりも、模範解答を書けば得点できます。
独創的な考えや意見は全く必要ありません。逆にそれを書いた方が落ちやすいです。

大切なのは、最近の教育界のキーワードを知識として持っておき、そのキーワードを組み合わせながら書く、というイメージです。

この論述の対策は、二次試験の面接の対策にもなります。

対策


①教員採用試験の論文対策の参考書を購入して読む。(なるべく最新)

この論述の対策については、教育界で今ホットな話題が出題される可能性もあるため、できれば最新の参考書を購入したり借りたりすることをお勧めします!
私の時は、月刊「教員養成セミナー」の「論文特集」を購入しました。
これは、その年の教員採用試験に出そうな論文トピックと模範解答がまとまったものです。


②出題されそうなテーマについては、NITS(教職員支援機構)のHPにある校内研修シリーズで当該テーマに関する研修動画を見ながら、自分でノートにまとめることでポイントをつかむ。
↓ 校内研修シリーズ

ちなみに、2020年時点では、出題されそうなテーマとして、私はこの辺をおさえていました。

③論文を書いてみて、可能であれば添削してもらう。
私は、卒業した大学の教育学部にある「教員就職指導室」というところに相談して指導していただきました。(卒業生でも利用ができた。)
卒業した大学に教育学部があれば問い合わせてみるのもアリかと思います!

役立ったグッズ・アプリなど


①じゃばらファイル(100均で購入)


範囲が多すぎて勉強に必要な資料がぐちゃぐちゃになりそうだったので、じゃばらファイルで教科や試験区分ごとに参考書や過去問を整理していました。
 

②(PCの)エクセル


過去問を分析した上で勉強計画を立てて、進捗状況をエクセルで管理していました。
 

③Youtube


教員採用試験のための教職教養、NITSの校内研修シリーズなど、勉強になるコンテンツがかなり多くあります。
 

④PDF読み上げアプリ


通勤中や家事をしながらなど、ずっと学習指導要領解説を聞き流していました。
ずっと聞き流しているとなんとなく概要がつかめます。
私はGoodReaderを使っていました。
 

⑤ウェアラブルスピーカー


料理中、掃除中、ドライヤー中など、あらゆる時間に資料を聞き流すのに大変役立ちました。
(イヤホンだと生活音も遮断されてしまうのでちょっと不便)
 

⑥タブレット


過去問や読みたい資料(学習指導要領PDFとか)など印刷するとお金がかかるので、タブレットを手元に置いて過去問を解いたり、資料を読んだりするのに使っていました。
ファーウェイの安いやつ(2万円くらい)を購入しました。
私はどうしても印刷が必要な時はコンビニで印刷してましたが、紙派でじゃんじゃん印刷したい人はRentioでプリンター借りるのもありかもしれません。(インク使い放題で月3000円とかある。)

おわりに

長々と書いてしまいましたが…!
とにかく一次試験を突破すれば、二次試験は倍率が低いので(私のまわり4人も二次試験までいった人は全員合格した)、まずは一次試験頑張ってください!

コメントや質問あればどうぞ

https://peing.net/ja/6df10199885f8c

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?