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はじめての読書会

先日、はじめての読書会に参加した。
自宅から遠くない場所での開催で、参加人数も少ないということで、思い切って申し込み、さっそく翌日のランチタイムに課題図書を買いに行った。

課題図書は分厚かった。

会の開催まで2週間程度。さて読み切れるものだろうかと恥ずかしながら不安を感じる私。カバーの内側には登場人物一覧表。なんだか懐かしい。翻訳物のミステリーを長らく手にしていなかったことを感じる。

しかし、読み始めたら、どんどん読める。先が気になって止まらない。
読み終えた途端に頭から読みたくなること請け合い。

おかげさまで通勤時間があっという間だった。

課題図書は『トゥルー・クライム・ストーリー』(ジョセフ・ノックス/著 、池田真紀子/訳 新潮文庫)

メタミステリーなるジャンルのものを初めて読んだ。私はメタな構造が割と好きなので、この作品も著者の仕掛けや工夫を楽しめた。あとがきにも書かれていたが、同じメタミステリーの作品では『ポピーのためにできること 』が良く知られているとのこと。今回参加した読書会でも以前に課題図書になったようで、話題にのぼった。

さて、ミステリー好きにはお馴染みだろうが、この作品の帯で私ははじめて「ノックスの十戒」を知った。「ノックスの十戒」とはイギリスの推理作家ロナルド・ノックスによって示された推理小説のルールで以下のとおりらしい。

(1)犯人は物語の序盤に登場していなければならない。
(2)探偵方法に超自然能力を用いてはならない。
(3)犯行現場に秘密の抜け道や扉を用意する場合、2つ以上作ってはならない。
(4)未知の薬物や、一般人が理解しづらい難解な化学技術を用いてはならない。
(5)中国人を登場させてはならない。
(6)探偵は偶然や勘で事件を解決してはならない。
(7)探偵自身が犯人であってはならない(犯人に変装するなどの場合は除く)。
(8)探偵は読者に明かしていない手がかりによって事件を解決してはならない。
(9)探偵の助手にあたる人物は、自身の判断を読者に知らせなければならない。
(10)双子や一人二役の人物を出す場合、存在をあらかじめ読者に伝えなければならない。

この十戒を逆手にとった作品もあるようで、たしかに、こうリストアップされると逆手にとりたくなるのも頷ける。ミステリーに少し足を踏み入れられた良い機会だった。

この作品の訳者、池田真紀子さんが訳された『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』(ガブリエル ゼヴィン/著 早川書房)も気になっている。内容も気になるし、カバーのデザインもかわいいから原書を読もうと思ったけど、ちょっと分厚くて断念し、ならば訳書から読もうかなと。

『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』の原書の代わりに読んでいるのは『The Good Sister』(Sally Hepworth/著)。年内には読み切りたいと思っていたが、さて間に合うかどうか。



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