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【まとめ】Bリーグのピクト図解とマーケティングトレースをやってみた

黒澤 友貴さんのマーケティングトレースに感化され、

「自分もなにかアウトプットしなければ」と思い、まずは手を動かすことにしました。

今回の題材はバスケットボールの「Bリーグ」さん。最近マーケティング界隈でお話をよく聞くようになりましたし、何よりシーズンが終わる前に振り返っておきたかった。

折角なので前回の記事で紹介した財務諸表の簡単な分析と、ビジネスモデルを俯瞰するピクト図解を添えてみました。

■■Bリーグのビジネスモデル

■物販、広告モデルだけじゃない

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箱ものビジネスなのでお客さんをいっぱい集客し、一人の単価を上げることが重要になるのは容易に想像できます。要は、基本的な物販モデル。

またお客さんが集まるプラットフォームとして価値が高まれば、企業にスポンサーになってもらい広告宣伝費をもらえます。あとはTVやネット配信の放映権による収入もありますね。

ただ、ピクト図解に起こすとちょっと面白い。

後述の財務諸表を見て気づいたのですが、「ユース・スクール関連収入 」という項目のがあるんです。

つまり物販や広告モデルのだけでなく、(おそらく)継続モデルとして子供たちに通ってもらい長期的にお金を落としてもらっている。シーズンオフとかも、収入源になるのかな?

この「ユース・スクール関連収入 」、全体の営業収益の割合で見ればたった3%ほどです。

が、ここで教わっている子供たちやご両親がファンになって、クチコミで広めてくれることを考えると、それ以上の効果を発揮しているのかもしれませんね。


■■Bリーグのマーケティング戦略

■4Pと戦略の方針

●大きな方針・優れたコンテンツを有する「メディアカンパニー」として、バスケの魅力を伝えられるものなら何でも積極的に作って発信していきたい・従来型のコピペ仕事はしない。LEDで光るコート、ドローン空撮など
●プロモーション・都市部のスマホユーザーを囲めるように、認知~購買すべてをデジタル化・競技者登録している消費者データと紐づけて独自のCRMを展開・全チームにSNSを開設させ、デジタルでもクチコミを起こさせやすく・コアファンに注力し、クチコミによって広める戦略
●商品サービス・試合のチケット、グッズ・バスケのスクールなど
●店舗流通・北海道から沖縄まで34都道府県45クラブ、各地で試合が行われる・料金を払えばTVやスマホからでも観られる
●価格・2階席:1,500~3,000円程度・1階席:3,000~10,000円。席の種類が多くレンジが広い・野球やサッカーと大きく変わらない(筆者が比較した所感)

■3C

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https://newswitch.jp/p/11703

●競合他社、顧客サッカーや野球を比較に出すものの、別競技からお客さんを争っているわけではなさそう。あくまで元競技者や若年層を中心に市場を創っていくという印象を受ける。
●自社日本で3番目のプロスポーツ組織として、全国各地に展開。ただ、前述の「メディアカンパニ―」を目指すという戦略が、バスケをしたことがない層にも面白いコンテンツを生み出す原動力になっている。


■■Bリーグの財政状態

こちらは、2016年度(2016-2017年の間)のBS、PLになります。ちょっと古くてごめんなさい。

■BS

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一部マイナスなチーム(普通の会社で言えば「事業部」になるのかな)もありましたが、基本的に黒字経営です。

設備投資もあったためか、若干、流動資産(3億)に対して流動負債(3.4億)が上回ってますが大したことないですね。

(自己資本比率までよく見たいですが)純資産が5.3億あり、安定していると言えそうです。

■PL(クラブ決算概要より)

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私は今まで、こうやってスポーツビジネスをひも解いたことがなかったのですが、びっくりしました。いろいろ桁間違えているのかなと。

まず、売上高全体から営業費用を差っ引くと、営業利益がざっくり2億しか残らない。チームの人件費や試合関連経費、販管費が大半を持って行ってしまいます。

次に経常利益が「特別利益」により押し上げられ、営業利益より微増の2.1億。

最後に税金で抜かれて、当期純利益が800万。本当急こう配なんですね。

■■さいごに

時間は予想以上に掛かったものの、やはりまとめてみると勉強になることが多かったです。

SNSマーケティングのコンサルを行う筆者は直接Bリーグにインタビューをし、上記記事を執筆した経験もあったんです。

ただ、それはプロモーション部分にフォーカスしたもので、マーケティング全体からみると新しい発見が多いと感じました。

今後も積極的に取り組んでいきたいと思います。ていうか、実際に現場いきたくなってきたな。


参考資料:https://www.bleague.jp/files/user/news/pdf/financial_settlement_2016.pdfhttps://www.bleague.jp/files/user/about/pdf/m-2016.pdfhttps://b-corsairs.com/ticket/price/https://www.tokyo-dome.co.jp/dome/baseball/giants/ticket/general.html  https://forbesjapan.com/articles/detail/20712/1/1/1https://markezine.jp/article/detail/28345https://newswitch.jp/p/11703https://www.businessinsider.jp/post-108003https://gaiax-socialmedialab.jp/post-56444/ 


・・・

★ちょっと追記(2/16)

さて、バスケットボール協会が2016年に統合されてから、Bリーグは4期目を迎えました(正確には6月で迎えます)。ざっくり直近の経営を振り返ってみます。

まず直近の売上高ですが、年々伸びています! 

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とはいえ、利益の創出は1部も2部もまだ苦労している様子。公開資料による

と、当期純利益は1部リーグ全体では634,784、2部では210,976円の損失。

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一般正味財源期末残高ベースで1億円以上あるのですぐ潰れるようなことは全然ない。

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ttps://www.bleague.jp/files/user/about/pdf/m-2018.pdf

五輪特需や選手の海外進出などで弾みをつけて集客を伸ばし、協賛企業を増やして粗利率の高い広告収益を確保できるか、今まさに頑張っているのではないでしょうか。

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