見出し画像

編集長の推薦図書「予想どおりに不合理」 #今週のマーケ本

皆さんいかがお過ごしでしょうか。靴磨くマーケターの小東です。

今週私は自社の社員総会がありました。3年目の社員として、ライトニングトーク(通称LT)に登壇しました。

テーマは「入社3年目が教える、複業で『ブランド人』になる方法」。私自身まだまだブランド人ではないのですが……w

●社員がソーシャル上で積極的に発信するのを会社が支援していること、
●また、それを新卒社員にも教えて良いと太鼓判を教えて貰えたこと、

それらが嬉しくてかなり熱が入ってしました。バイブス満タンでした。

いつか写真が上がってきたらnoteやTwitterで報告して行ければと思います。

・・・

興奮しているときヒトは冷静な判断ができないと言いますよね。

そうした人間の行動の不合理性をさまざまな実験から指摘したダン・アリエリーの名著「予想どおりに不合理」を今週はご紹介します。

注意点! サクっと読める分、内容が濃いので頭の中で整理や応用がかなり必要な本です。


■本の要約

本の趣旨を私なりにまとめると、こうなります。

・従来の経済学では人間が合理的で、完全な情報と計算能力をもっていて、自分の生活における満足度を最大化させるために活動するとしていた

・一方、実際は直感に頼ったり、過去の判断に引きずられたり、誘惑に負けたり、非合理的な行動をする

・そうした人間らしい、意思決定のバイアスを考慮した経済学(=行動経済学)を数々の事例とともにまとめた

事例が多いので要所を掻い摘んでいきましょう。今回は私が特に気になった特性を3つ紹介したいと思います。


■ポイント:最初の経験が後の行動に響きやすい

・学生に、自分の社会保障番号の下2桁を紙に書かせた後、聞きなれない商品6点の値段を予想させた

・結果、番号が大きい集団ほど、どの商品も予想した平均価格が大きいと判明した

これは「アンカリング効果」といい(無関係の事象であっても)事前の経験や認識が後の判断に左右してしまう現象です。要するに「比較対象」の出現で判断が引っ張られること。

実感したことのありそうな例でいうと、小売店の販売価格は普段アンカリングされていますよね。

たとえば大型百貨店で鞄を買うにしても、メルカリやヤフオクといったCtoCとの比較。コメ兵や大黒屋といった中古店との比較。そして直営店やセール時の割引額との比較。

関与度によりますが「ペルソナの生活者って、ここを起点に比較するよね!」てツボが分かる人こそ、実店舗のマーケティングが上手いマーケターのひとつの条件かもしれませんね。


■ポイント:一度手にしたものを過大評価して手放せなせなくなる

・超人気な大学バスケットボールの試合を抽選で当てた人と、外れた人にそれぞれヒアリングした。そうすると、当たった人は平均2400ドルなら売れると言い、外れた人は平均175ドルなら買えると言った。

・ヒトのモノに対する所有意識にはクセがある。自分のモノには手にした途端に惚れやすくなること、今後手に入ることより失うことに反応してしまうこと、他の人の取引の視点も自分と同じだと思い込んでいることなど。

著者はこれを「高価な所有意識」と呼んでいますが、私も超分かる。

カメラやバイクといった比較的高関与な耐久消費財を愛する人は、こういった経験はないでしょうか?

私は死ぬほど革靴が好きなのですが、マーケティングやPRに関わる人間として、なるべく冷静に客観的に見れるようにしています。

本書を読んでいる時、ふと革靴好きな友人がこんなことを言っていました。

・この革靴を商談で履いていくと勝率が上がる。相手から敬意を払われる気がしてくる 

・色々革靴を売り買いしてローテ回しているが、これは一生手放せない。仮に●●円くらい出されても売れない

正直言います。多分そんなことはあり得ない(笑)! ……でも(百歩譲って)その人のモチベーションが上がり自信に満ち溢れ、結果論としてそういった姿勢が商談相手にウケたかもしれませんね。

でも、それは革靴好きでない人からしたらただの中古靴であるのは間違いなく、売ろうとした場合はご自身が思っている以上に安くなるでしょう……


■ポイント:事前情報に得られた思い込みで物事を判断しやすい

・コカコーラとペプシの目隠しテスト、ビールと酢入りビールの比較テストなどで、事前情報と味覚の判断を確かめた

・味に関する情報や配膳されるお皿や盛り付け方、ブランドのラベルなど、事前の情報次第で
人はどちらを評価するのか変えてしまうと分かった

ヒトは良くも悪くも、目の前の事象に予想を立てて安心したり危機回避をしたりする生き物。ここを逆手に取られて、いい様にコントロールされてしまう危険性も確かにありそうです。

同じ章で紹介されていた実験では、言葉の連想ゲームで「老化」と回答した若い被験者たちは実験後の帰路で老人のように歩くのが遅くなっていたそうです。

いくら疑り深いメンタル強人でも、この手の誘導を完全に回避するのは無理かと思いました。

私たちにできるのはメディアが発信する情報(特に企業都合のデータ)を見る時に、調査方法や出題形式といったメタデータを見て、恣意性を確かめることじゃないかな。


■まとめ

本書の内容を私なりにまとめると下記になります。

・人の価値判断や意思決定は合理的ではないという性質を理解し、企業視点と生活者視点の両方から活用したり注意したりすべきだ

・「代表性」や「想起性」、「アンカーリング」、「相対性」などクセの種類を押さえておこう

この本は度々読み返して、自分の仕事や実生活に当てはまるケーススタディと照らし合わせると理解が深まりますね。

・・・

今週は靴磨きではなく革靴の紹介。マドラスのカスタムオーダーシューズです。

先日、革靴伝道師の活動の一環でいただいた革靴。これから育てるのが超楽しみです。ゲヘヘ


■ゆるく、ランチ・お茶できれば


■私が過去に書いたnote


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

サポートしてくれた方、いつでも靴を磨かれに来てください。

15

小東真人(こひ) @靴磨くマーケター

■本業:100万PVメディア「ソーシャルメディアラボ(https://gaiax-socialmedialab.jp/ )」編集長 / BtoBマーケター ■複業:革靴人口を増やすメディア「フルブローグ(https://fullbrogue.jp/ )」管理人 / 革靴伝道師

オウンドメディアとマーケティング

「ソーシャルメディアラボ」の編集長として、マーケティングや企業のSNS活用について書いています。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。