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32歳、明治神宮で披露宴。「やめたこと」リスト

昨年末、明治神宮にて挙式・披露宴を執り行いました。一生の思い出に残る、素晴らしい時間を過ごすことができました。

30代に入ってからの結婚式というのは、少し、20代の式とは心持ちが違うものがあるかと思いまして。(皆さん、どうなんでしょう?あまり年齢は関係ないですかね?)
友人の素晴らしいお式に、一通り参列してきた後になるので、全く皆の真似ではなく、どこかにオリジナリティを出していきたい。
一方で、豪華絢爛・盛大にやるのも、どこか気恥ずかしさがある。ブライダル業界の価格設定に対しても、いささかの疑念もある。

ということで私の式にあたっては、「引き算」を大きなテーマに掲げ、選択と集中を行いました。以下、やめたことリストを紹介します。

お色直しをやめた

明治神宮の披露宴会場としては、信濃町にある明治記念館と、明治神宮境内にある桃林荘の2箇所があります。桃林荘は最大収容人数に制約がありますが(50名まで)、「東京都選定歴史的建造物」にも選定された見事な空間を、貸切で利用することができます。内装・お庭の雰囲気に惚れ込み、アットホームなお式にしたいという思いからも、桃林荘を会場に選びました。https://www.meijikinenkan.gr.jp/forestterrace/facility/tohrinsoh.html

桃林荘内にお色直しができる設備がなかったこともあり、ゲストとの時間を最大化するため、挙式から披露宴まで、白無垢で通すことにしました。

洋髪を予めセットした上に、ポコっと綿帽子をかぶります

自分が参列した友人のお式では、ほとんどの方がお色直しをしていたので、「みすぼらしくなってしまわないだろうか…?」と不安もありましたが、当日は本当にあっという間に時間が過ぎてしまうので、結果的にゲストと1分でも多く触れ合う時間が持てて良かったなと思っています。

衣装を1つに絞ることで、費用面もだいぶと抑えられたと思います。シーズン割引が効いたのもあり、私の衣装レンタル代は11万円でした。結婚関連のサイト上では「花嫁の衣装代平均 約50万円」といわれていますので、なかなかお値打ちではないでしょうか。
白無垢は必ずしも、値段が高いものほど美しいという訳ではなく、色・柄で自分に合うものを選べればそれでOKかと感じました。(形にもドレスのように選択幅がないので、衣装合わせも一発で終わって楽ちん)。

綿帽子を脱いで、花飾りをつけて完成。生花は案外お手頃な価格でした!

「色々な衣装を着てみたい」という場合は、結婚式内で複数着るよりも、前撮りをするのが時間・コスト的に良いように感じました。私はこちらのサービスを利用しましたが、衣装レンタル・写真レタッチ諸々込で14万円。結婚式の招待状や、ムービー内で多く使用し、ゲストの方にも見ていただく機会が持てました。

お祝儀袋の回収・受付をやめた

「お祝儀」という文化・風習、私個人は苦手意識が強くてですね…。
まずゲスト側の煩雑さとしては
①新札を用意せねばならない(平日の日中に銀行に行く必要あり)
②祝儀袋を購入せねばならない(柄にもセンスが問われる)
③誤字なく美しい文字で記入せねばならない(筆ペン使用は更に高難易度)
の3点。私自身も平日に銀行に行きそびれ、途方に暮れた経験がしばしば…。

またホスト側としても、結婚式の費用が前払いの会場が多い(明治神宮もそう)中で、お祝儀は当日回収なので、一時的にキャッシュが不足してしまいます。お祝儀袋も、捨てるのは忍びないものの、家に保管し続けるにしてはいささか量が多いですよね(収納を職業にする身としてはこれが一番厳しい…)。

ということで今回は楽々決済のデジタル招待状内にある、事前決済機能を使うことにしました。

良かった点は、ゲストが違和感なく使えるUIと、手数料の安さです。

招待状の出欠を入力する際に、事前決済を選んだゲストには、振込先の情報が案内されます。よく知らないサイトにクレカ等の決済情報を入力するのもセキュリティ上不安があるので、銀行振込式なのは、ゲスト側から見ても安全な手段です。

お祝儀は一律で3万円を請求するのではなく、ゲスト自身が設定可能。振込未対応者へのメールリマインドも自動で行われ、集めたお金はホストの口座に一括で振り込まれます。

そして手数料は3,500円の事務手数料のみ。ゲストの数が50人でも100人でも、一律で3,500円です。決済機能を持つ他社のデジタルお祝儀機能では、「ゲスト1人あたりお祝儀額の3%」など、決済手数料がゲストの人数ごとにかかるパターンが多いので、それと比べると相当お得です。

支払い方法は任意で選べる形にしたのですが、ほぼ全員が事前決済を選択してくれていたので、当日に受付を設置する必要がなくなりました。会場スタッフの方に座席表を入り口で配ってもらい、自由に席に着席します。

母手作りのポーセリンアートを中心としたウェルカムスペース。ミッフィーはメルカリでGET

受付がなくなると、芳名帳もいらなくなるんです!個人情報が詰まった芳名帳は安易に捨てづらいものでもありますよね…。

招待状は前述の「らくらく招待状」でデジタル化しましたが、当日の集合や注意事項などの詳細は、デジタルしおりを作成し、直前に案内をしました。こちらの工程表サービスのPenは、無料で使える上、UXが大変よいので、旅行の際にもよく使っています。わかりやすいとゲストにも好評でした。

ダイエット・ブライダルエステ・ネイルをやめた

和装を選んだ理由として、もちろん自分自身が和の雰囲気が好きだったというのもありますが、「肌の露出が少ない」という面も少なからず魅力になりました。

ブライダルインナー会社の調査によると、花嫁の7割が結婚式前にダイエットをするそう。日常の会社勤めがある中で、結婚式の準備によりタスクが爆増、結婚直後という環境の変化、日頃以上の親戚・友人との接触頻度の増加など、ただでさえもメンタル不調の要因が多い時期に、過度なダイエットは危険に感じます…。

ウエディングドレスは大胆な背中の露出をはじめ、ウエスト・お尻まで、360度身体を見られてしまいます。自分の大切な人を一斉に集めて、一生分くらいの写真を撮られてしまう…。勿論、結婚式をモチベーションにダイエット・自分磨きを頑張れるという方は素晴らしいのですが、私のようにズボラ・焦りやすいタイプは、首から上しか見えない和装にして本当に楽だったなと思います。結婚式直前の新婚旅行では、イタリアで爆食できたのも良い思い出です。

ゼクシィの調査によるとブライダルエステに花嫁がかけた金額の平均は9.4万円。エステには全身のケアが含まれますが、和装なら、首から下は「見えないからいらない」ということになります(花嫁としての意識が低いですかね?でも見えないから頑張らなくてOK!)。首筋の肌感・スキンケアは、当日にボディメイクをつければ、プロの技術で隠れました(ドレスだと面積が大きいので、そうも行かないですよね…)。

私がやったのは、理容室でのうなじ剃りぐらいです(1回、4,500円)。
フェイシャルについては、普段からシーボン化粧品を愛用しており、化粧品を買うと無料でエステがついてくるので、普段どおりの無料エステを直前に行いました。

唯一直前に気を使ったのは睡眠時間と減塩です。睡眠時間は1ヶ月ほど前から、挙式当日の日の起床時間にあわせて起き、睡眠アプリを活用して必ず8時間睡眠をキープするようにしました。減塩は1週間前から、塩味のある調味料を使わず出汁・酢のみで料理をしました。あとはyoutubeで見つけた顔筋マッサージ。これで当日はだいぶ顔周りがスッキリしたかと思います。

ネイルについても、「明治時代の和装の女性は、ネイルしてなかったよね」というロジックで、実施なしとしました。和装では、挙式内での指輪交換はあるものの、着物の袖が長いのもあり、あまり指先を見せるようなシーンがありません。

手元がうつっていた写真はこの1枚だけ。手持ちのトップコートをセルフで塗ってます

さて着物で気になるのが、重い・締め付けが苦しいというポイントですが、幸い選択した白無垢が軽めのものだったのもあり、挙式〜披露宴と長丁場でしたが、一切気持ち悪くなることなく、食事もガンガン食べられました。刺繍の量や素材にもよるようです。白無垢と比べると、色打掛けの方が刺繍の関係で重く、苦しく感じることもあるそうです。

桃林荘のお食事はどれも美味しく、ゲストからの評判も良かったです。

動画の外部委託をやめた(パワポで作る)

披露宴中に流すムービー、凝り始めるとクオリティが気になってしまうものですが、ゲスト側としては多少粗くても、新郎新婦の情報と、真心が伝わればOKではないかと考えています。

一般的にはオープニングムービー、プロフィールムービー、エンディングムービーの3パターンありますが、縦長の会場で、プロジェクタを見るのに後列の方が席を立たなくてはならなかったこともあり、プロフィールムービーだけに絞って作成をしました。

動画制作は、会場に委託すると10万円、個人で外注すると3~5万円が相場です。「動画を一から制作するなんて、ハードルが高い…」という方も、microsoft パワーポイント(PPT)だけで動画が作れること、ご存知でしたでしょうか?!普段お仕事などで、パワーポイントを使っている方であれば、誰でも簡単に動画が作れます。私が使ったのはこちらのテンプレートで、費用は2,700円でした(安い)!

凝った動画演出はできないのですが、会社のプレゼン等で使われているツールなのもあり、「正しく新郎新婦の人柄を理解してもらう」という観点では全然ありではないかと考えています。
また「夫婦で動画制作ソフトを使いこなす」のはハードルが高くても、「夫婦ともパワポを使える」夫婦は結構いるはずでして、私たちは自分のスライドは自分で作成、追ってファイルを統合するというやり方で分担をすることができました。「私ばっかり準備して不公平…」と、どちらかが不満を持ちがちな結婚式準備も、双方が使い慣れているツールを使うことで、少しでもストレスが解消できると良いですよね。

パワポに写真+テキストを挿入するだけの作業なので、誰もができるはず!

CDの持込をやめた(琴onlyにした)

既に結婚式を終えた友達に、「準備で面倒だったものは何?」と聞くと、真っ先に「音源の準備…」という方が結構多くてですね。

夫婦で流す音楽を決めるだけではなく、J-POPは著作権の扱いが非常に厳しいため、諸々手続きが必要みたいなんですよね。CDを1曲ずつ買って手配したり、リストを作って申請したり…(あまり詳しくないので、詳細はこちらの方の記事などを見ていただけますと)

明治神宮にはオプションでお琴の生演奏を追加できるのですが、「CDを一切流さず、最初から最後まで琴で通す」というのも可能とのことだったので、私は琴onlyとしました。

お二人の先生が、JPOPから洋楽・クラシックまで、生演奏くださいます

お琴で演奏できる曲は、思いの外幅広く、大半のJPOP(音域が広すぎる・転調が激しいものを除く)、クラシック(バッハなど、ゴシック音楽が中心)、洋楽まで、対応してもらえます。

推奨曲リストにない曲も、譜面取り寄せの部分から、まるっとおまかせ可能(曲をリクエストしても追加料金はかからない)。全部で35曲ほど曲をオーダーして、入場から退場まで好きな曲を演奏してもらうことができました。夫が好きなミスチルの楽曲も多く流せて、大満足。何よりお琴の音色の素晴らしさに私自身が魅了され、結婚式後に、お琴を習い始めたくらいです。笑

コスト・時間のカットに寛容な会場を選ぶ

このほかにも、ケーキカットをしない、花はゲストの目がいく場所に絞る、使用する色を絞って華美な装飾をしない、等、カットできるものはとことんカットをし、適用できる割引がないかも相談していきました。会計士の夫が手元でExcel試算しながら、妻が総合商社で培ったコスト交渉力を発揮するという、ストロングスタイルな布陣で臨みましたが、明治神宮の担当プランナーの方は嫌な顔一つせず、「シンプルな雰囲気で良いですよね」「確かにコスパはそっちが良いですよね」「アットホームな式にするにはこの演出はなくていいですね」と、常に寄り添っていただけました。メール・電話でも迅速に返信をして下さり、不在の際には他のどのスタッフの方も的確な回答をして下さったので、「プランナー待ちで動けない」という瞬間がなく、また不要な対面打合せは潔くカットしてもらえたので、本当に無駄がなかったです。気持ちよく準備を進められたことに、心から感謝をしています。

鏡開きは、どうしてもやりたい演出!ということで、乾杯の後に行いました。

見学会などで見積もりをする際、「お祝い事ですので」「一生に一度の晴れ舞台ですので」という枕詞と共に、演出のアップセルを巧みに勧めてくる会場もありましたが、この言葉を使われた瞬間に、「交渉がフェアじゃない」と私はシャッターを閉じてしまいました。どの夫婦も、使える予算と時間は限られています。ゲストに対する感謝の表現や、家族との思い出の表現は人それぞれであるべき。そこに柔軟に寄り添ってくれる会場を選びたいものです。

では、そこまで削って結婚式をやる意義とは?

ここまで読んでいただいた方は、「なんてケチな人なのだ!」と驚いたかもしれませんし、「そこまでして、結婚式自体をやらなくても良いんじゃないか?」と思われたかもしれません。マイナビ調べでは結婚式の実施率は45%ということで、やらない派の人が過半数ということになります。

私としては結婚式はやってよかったと心から言えますし、一生の思い出の時間になりました。ただ、「一生の思い出」という表現だけだと、夫婦での旅行や、フォトウエディングでも代替されてしまうので、納得感がないかもしれません。結婚式でしか実現できなかったこととしては、やはり「大切なゲストとの交流」なのではと考えます。

SNSが発達した世の中といえ、自分、そしてパートナーの人生にとって大切な人について、節目がないと、なかなか振り返ることは難しいものです。
私たちが行った結婚式の前準備として、ゲスト1人1人の名前と思い出を夫婦でシェアし、ノートにメモしていきました。夫婦でお互いの友人について話す時間自体も、かけがえないものでした。

式の当日には、夫婦でゲストを紹介しあい、直接お話をして、感謝の気持ちを伝えられたのが、一番よかったことでした。自分自身の友人・親戚との思い出を振り返る良い節目となり、いかに自分が人に支えられ生きてきたかを、痛感する時間でもありました。

「親孝行」という意味でも、やはり晴れ姿を見せられたのは良かったかと思います。素晴らしい旦那さんと友人に恵まれ、楽しく過ごしていることを見せることができて、安心してもらえたのではないでしょうか。

母・娘での参進。当日はお天気にも恵まれ、晴れやかな門出となりました。


ということで、結婚式を考えているけれど、膨れ上がるコストに不安を感じている方や、選択肢が多過ぎて困っている方の、少しでも参考になると幸いです。






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