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年金制度が破綻しかけている今考えるべきは個の生産性である

2017年に起きたICOの流行。当時、世界中の多くの人が「ICOをすればお金が集まる」「ICOに投資すればお金が儲かる」という迷信にとらわれていた。まるでペーパーカンパニーの株式投資に皆が踊り狂った18世紀イギリスの南海バブルのように。
そんな中、業界で一際話題になったICO詐欺がある。アメリカ発祥のBitConnectだ。彼らは世界中の投資家に高額配当を謳い、ポンジスキームで多額の資金を集めた。詐欺の手口は今ではありきたりのものだが、YoutubeにアップされたPR動画があまりにも衝撃的だった。「ヘイヘイヘイ〜♪ヘイヘイヘイ〜♪」と代表が歌い出すこの動画を見て、腹を抱えて笑った人も少なくないだろう。何なら動画で後ろに写る人たちすら代表の講演を聞いて笑っている。見ればわかるが、彼らは詐欺を通り越して本物だ。

と、同じポンジスキームICOに関する記事を読んでふと思い出したわけだが、この業界に限らず同様の手口を使った詐欺は世の中に数多く存在している。そして、悲しいことに今の日本国民は強制的にその“詐欺”の被害者になりつつある。

金融庁は6月3日、年金だけでは老後の資金を賄えず、95歳まで生きるには夫婦で約2,000万円の蓄えが必要になるとの試算を報告書「高齢社会における資産形成・管理」の中で発表した。つまり、今の20代30代の若者は年金の支払いを強制されながら、それが将来その全額が返ってくることはなく、さらに1人あたり約1,000万円の負債を抱えていることになる。戦後の経済成長期には増加する人口によってピラミッドの上の人たちは十分に支えられていたが、最近の少子高齢化そして経済成長の鈍化によってそれが全く機能しなくなっている。私たちは、ねずみ講として設計された年金システムをアップデートする必要性に迫られているのだ。
政府は年金支給開始年齢の引き上げや国民の資産運用推進といった安易な策を考えている。これについて私見を述べるならば、年金だけでなく生活保護、失業保険といった社会保障制度全てを見直し、ベーシックインカムの導入を検討すべきである。高齢者、生活保護者、失業者の棲み分けが無くなり、労働者か非労働者しか社会にいなくなれば行政負担は大きく減るだろう。支給財源については、増税は避けられないが、少子高齢化が進む日本ではその負担の絶対額が年々大きく増えることはない。定年退職の考えも捨てて、働きたい人は働き、そうでない人は最低限の支給で暮らす。それで良いのだ。

とは述べたものの、ここまで大きく破綻したシステムを立て直す正解策は誰にもわからないだろう。しかし、一つ確かに言えることは、年金の話に限らず、個人が国や会社に守られて生活する時代は終わりを迎えつつあるということだ。人口が減少し国全体のGDP減少が避けられない中では、国の経済を活性化するために一人あたりの生産性を高めるしかない。生産性が高い人材であれば自ずと仕事にも恵まれ、老後生活の心配などしなくて済むだろう。大半の人がアンコントローラブルな制度うんぬんは政府に任せて、私たち国民、なかでも特に若い世代の人たちは意識的に個の生産性向上に努めるべきと私は思う。

#年金 #ポンジスキーム #BitConnect #暗号資産

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