カメレオンのための演劇

カメレオンのための演劇【うたがわきしみさん宛て/オーダーメイド小説#01】

 カーテンコールに紙吹雪なんて演出を、思いついたのは誰だろう。
 視界のあちこちで翻る紙片を見ながら、僕は意外の感に打たれていた。
 僕のアイディアではない。誰の差し金だろう。劇団員たちの顔を思い浮かべる。派手好きの「パンサー」? それとも気遣いの濃やかな「エボシ」? 千秋楽を記念してのサプライズだろうか。座長の僕を差し置いて、なかなか粋なことをしてくれる。
 あれ? でも、今日の演目は何だったっけ?
 スポットライトが眩しいくらい照りつけて、僕の脳髄をスウィングさせる。
 ざわざわと止まない観客の喧騒。熱気に囲まれた舞台には僕しか立っていない。カーテンコールだというのに、他の役者たちはどこへ行った?
 ばさばさと中空に舞い上がった紙吹雪は、やがて床を埋め尽くす。紙吹雪にしては大きすぎる紙切れ。表はフルカラー、裏は二色刷り。「夏の夜の夢」の文字を囲むように配置された出演者の顔写真は――色鮮やかなカメレオンだった。
 …フライヤー?
 拾わなくては、と思った瞬間、僕は倒れ込んでいた。駅前のロータリー。誰かが僕を呼んでいる。街路樹から成り行きを見守っていた団員たちが、するすると樹を降りて僕のまわりに集まってきた。
「座長」
「きしみさん」
 横ざまになった僕の視界の内に、次々と歩み寄ってくるカメレオン。黄色に茶色にオレンジに緑。よほど驚いたのか、「エボシ」は文字通り色を失って、白っぽく変色している。
 カポーティの書いた奇妙で美しい物語「カメレオンのための音楽」みたいだ。
 ピアノではなく僕を取り囲む1ダースのカメレオン。
 そうこれは、カメレオンのための演劇だ。


 カメレオンたちとの出会いは動物園だった。
 閉園間際、缶ビール(あの頃から、僕は揺るぎないモルツ党だ)を片手に歩いていた僕は、チェーンで封鎖された爬虫類館の前で足を止める。コンクリートの建物の陰で車座になっている色とりどりのカメレオンを見つけたのだ。
「こうなれば、若い者だけでもペットショップに再就職させようじゃないか」
「でも、みんなバラバラになるなんて…種が違ったって私たち、家族みたいなものなのに…」
 どちらかといえばユーモラスなフォルムの爬虫類たちが、顔を突き合わせて何事か相談している。何やら深刻そうだ。そのうちの一匹が、ひょいと僕の方を振り向いた。
「あんた、何かいい知恵はないかね」
 年長者らしいカメレオンは、ひときわ鮮やかなブルーだった。深い青ではなく、淡く発光しているような美しいターコイズブルー。ふつうに頭数に入れられてしまい、僕は戸惑いながらも彼らの輪に加わる。
「ええと、何が起こっているんですかね」
 カメレオンは口々に説明してくれた。動物園の経営陣が方針を変え、爬虫類館を潰して小動物たちとのふれあいコーナーを設けることになったこと。爬虫類館の閉鎖に当たり、ワニやヘビなど大型の爬虫類はよその動物園に引き取られたこと。しかしカメレオンたちに新たな受け入れ先はなく、本日をもって解雇となったこと。
 肩を落とした一匹が、解雇通知書を見せてくれる。
「当社は、就業規則第 XX条の規定により、貴殿を平成 XX年 X月 XX日付をもって解雇いたします。したがって、労働基準法第20条第1項の定めにより、解雇予告手当として平均賃金の30日分を、平成 XX年  X月 X月分の給与とあわせて、平成 XX年 X月 XX日に給与振り込みの指定口座にお支払いいたします」
「ははあ」と僕は言う。ついさっき、僕が勤め先からもらったものとほとんど同じ内容だった。人間がもらうのもカメレオンがもらうのも、文面に大差がないことに変な感動がある。
 赤ちゃんカメレオンを抱えたメスのカメレオンがまごまごしている。
「育休もきちんともらえるって話だったのに…」
 ソラマメほどの大きさの赤ちゃんは、既に母親と同じ見事なレッドをその身に帯していた。オレンジがかった緋色の体に、白いラインが一本ずつ、背中と側面に入っている。毛羽立つような硬い鱗は恐竜を思わせた(パンサーカメレオンという彼女の種類を、僕は後から知った)。
「私はこれでも、爬虫類館の花形でね」
 そう言ったのは、先ほどのブルーのカメレオンだった。エボシカメレオンという種らしい。彼は特に珍重される「ブルー血統」の持ち主なのだそうだ。
「遠足でやってきた子どもたちが、我先にとガラスに張りついて私を見物する。それがお役目と思っていたし、楽しくもあったんだが…もう、カメレオンなんざ社会に必要とされてないのかもしれないな。自然淘汰ってやつだ」
 カメレオンと言えば体色変化が売りだ。しかし実際には彼らはその能力の多くを、擬態や保護的効果のためではなく意思表示に使うのだそうだ。表情を変える代わりに、体の色を変えて感情を表現する。愛情や敵意、リラックス、興奮、恐怖。彼らは生まれながらの表現者なのだ。
「そうは言っても、私たちはワニやヘビにはなれんしなあ。…どうしたらいいのかねえ」
 彼らは今、何の保障もないまま社会に放り出されようとしている。声優を夢見て上京し、俳優に憧れて舞台を経験し、20代後半で挫折して――何十社も面接を落ち、ようやく就職した会社からもついさっきリストラされたばかりの、僕と同じように。
「それなら」
 残りのビールを飲みほし、僕は「売れっ子俳優そのものの自信に満ちた」――のちのちエボシカメレオンが語ったところによれば――笑顔を彼らに向けた。
「僕と劇団をつくりませんか? 脚本、書きますよ」
 そうして漕ぎ出した「うたがわきしみ一座」だが、順風満帆とは言い難かった。
 何しろ彼らを「書生」として置いておくだけで、月々の出費は馬鹿にならない。労力だってけっこうかかる。紫外線ランプの取り付け、朝夕の霧吹き、温度調節、食事の調達にも(多くは語らないが)、いろいろと気を使うのだ。よかったことと言えば、寒ければ黒っぽく、暑ければ白っぽくなる彼らのおかげで、衣替えの新しい指標ができたことくらい。
 おまけに演技は素人ばかりである。僕の指導のもと、カメレオンたちは発声練習、読み合わせ、立ち稽古に明け暮れた。
 カメレオンたちは出番が少ないと言って怒ると鮮やかになり、台詞をトチって落ち込むとくすんだ色になり、死ぬと灰色になる。灰色になったカメレオンを、僕は何度も見とった。
 そう、カメレオンの寿命は長くはない。種ごとに世代交代の時が訪れ、古株は一匹ずついなくなった。親たちはみな「きしみ座長についていけば間違いないから」と言い残してこの世を去る。夢を捨てられずに食うや食わずの生活をしている僕のあとを、若いカメレオンたちがよちよちついてくる。妻子が去っても、彼らが去ることはなかった。これだけの食客を抱えている上に慰謝料と養育費の支払いに追われ、ふところは常に極寒。そうこうしているうちに40歳の大台に乗った。食生活の不摂生や慢性的な睡眠不足のせいか、酒は抜けにくくなったし腰痛持ちになったし、あちこちガタは来ているが、一座の座長として芸には脂が乗ってきているのも感じている。
 零細から大手まで企業を転々とし、ギリギリのところで縁と運に拾われながら食いつなぐ暮らしの中で、時折ふと、灰色になりたい、と甘美な妄想にとらわれることがあった。特に団員たちを見送るとき、その衝動は抗いがたく強くなる。僕も彼らと同じ灰色になりたいと。
 けれどかちこちになった彼らを何匹土に還しても、新しい命を引き継いだ二世、三世たちが、脚本を書いてくれ、稽古をつけてくれと僕にせがむ。こうなるとどちらがこの劇団の舵取りをしているのかわからないが、とにもかくにも僕はまだ、僕の享年を遅らせ続けていた。今は「きしみさんの演技が映えるのは、俺という好敵手がいてこそだからな」が口癖の四代目パンサーと、「わたしは、きしみさんの秘書みたいなものだから」と自負する五代目エボシの二匹が、たいていは主演を務める僕の脇を固めている。
 僕らの劇団の守備範囲は広い。シェイクスピアだってチェーホフだって取り上げる。みんなで演目を話し合い、脚本・演出を手がけるのは僕。新解釈やパロディ、オリジナル劇もお手の物だ。自慢じゃないけれど、僕のつくる台本は評判がいい。よその劇団に脚本を提供することさえある。同時に演技力も買われ、「うちに来ないか」と引き抜きの声がかかったことも一度や二度ではない。しかしカメレオンたちを置いて、ひとりスポットライトを浴びる気にはなれなかった。僕の記憶に残っているのは、パンサーやエボシがここ一番で鮮やかな体色変化を披露し、役を演じきった舞台だ。目を閉じると、これまで彼らとともにしてきた台本の印字をありありと思い出せる。「テンペスト」、「すする宇宙」、「十二夜」、「むちゃぶりカンペ劇場」、「お気に召すまま」、「ありやなしや」、「桜の園」…。
 カメレオンたちは喜劇が好きだ。


 何世代にもわたる猛特訓の甲斐あって、カメレオンたちの演技が板についてくると、次なる課題は集客である。普通は団員で手分けして知人や友人、SNSを介して宣伝し、チケットを捌くのだが、いかんせん団員たちはリストラに遭ったカメレオンたちの末裔。人脈もなければ情報拡散の手立てもない。おまけにかつて辛酸をなめたDNAがそうさせるのか、人見知りで気の弱い個体が多かった。パンサーなどは内弁慶の最たるものである。
 そもそもカメレオンは高いところから見下ろされたり、別の生き物や個体が視界に入っただけでストレスを感じる生き物なのだ。舞台に立ち、役をこなしているだけでも御の字というところだろう。
 したがって、フライヤーを捌くのは僕の仕事だ。駅前に立って手配りしたり、飲食店や雑貨屋に置かせてもらうよう頼んだりしている。
 そんな状態なので、当然ながら一座の興行収入だけでは食ってはいけない。僕はマルチクリエイターとしても活動し、シナリオや演出、ライティング、アートデザインなどで稼いでいる。仕事の合間をぬっての宣伝活動には限界があるが、それでもフライヤーを見て、ひとり、ふたりとチケットを買ってくれる人がいるのだ。  
 客が客を呼ぶかたちで、わずかずつだが動員数は着実に増えている。満席にはまだ及ばないが、観客を呼べさえすれば、この一座は絶対に当たるのだ。だから今度こそはと思い切って、晩酌のモルツと引き換えにフライヤーの増刷をかけた。配りきらねば浮かばれない。
 このところ僕は連日、昼休みを利用して駅前に立っている。近くの街路樹ではめいめいに温度対策をした団員たちが「フライヤーもらってくれオーラ」を出しながら見守ってくれていた。まだ初夏だと言うのに日差しは強く、炎天下でのフライヤー配りはこたえる。
「詩河さん、顔色悪いよ」
 フライヤーを受け取ってくれた通行人の顔をふと見ると、同僚だった。
「たまには休めばいいのに」
「いやあ、でも兆しは見えてるから。そのうち僕の一座は絶対に、世界に躍り出るよ」
「こんなことを言うのもなんだけど…一座を解散したら? 彼らを手放せば、もう少し楽になるだろう。カメレオンの世話も劇団も、体を壊してまですることなのか?」
 フライヤーに目を落としたまま、彼は遠慮がちに言う。もちろん、親切心で言ってくれているのはわかっていた。
「…。…。…。き」
「き?」
 気持ちは嬉しいけど、と言いかけた僕の頭を目がけて、国内最大級のめまいが降ってきた。きしみさん、と呼びかける同僚の腕をすりぬけて、僕の体は平衡を失う。
 才能を切り売りして食い扶持を稼ぎながら、身を削るようにして脚本を書き、カメレオンたちと演劇に打ち込む。同僚には僕が命を粗末にしているように見えるのだろうか。
 だけど僕が最も大切にしているのは、自分の命だ。何かを感じられるのも、何かを話せるのも、何かを書いたり見たり聞いたり読んだりできるのも、おいしいものを食べたり飲んだりできるのも、誰かと交われるのも、感動できるのも、すべてはこの命があるからできることなのだから。
 僕が灰色になることに時に強く惹かれながら、それでもここに踏みとどまっているのは、生命は確実に永遠だと直感しているからだ。
 肉体を灰色にするのは簡単だ。だが命というのは、それで終わりではない。人間は生きたようにしか死ねない生き物だ。死んでから向こう側に持って行けるのは地位でも財産でもなく、自分が愛して磨いてきた魂そのものだけなのだと、僕は信じている。自ら死を選ぶことで、その魂まで灰色にしたくはない。
 僕の手に、灰色になったカメレオンの乾いた感触が残っている。ブルー血統を誇りにしていた初代エボシが、その色を失いながら「あんたのおかげで、もう一度夢が見れた」と言ってくれたことを覚えている。表皮が灰色になったからといって、あるいは荼毘に付されたからといって、最後まで生きることを諦めなかったエボシの魂までもがそのブルーを失っただろうか。僕はそうは思わない。あの瞬間にこそエボシのブルーは彼の肉体から魂へと転写され、そして子々孫々の魂にまで受け継がれたのだ。
 僕はパンサーのレッドを、エボシのブルーを魂に焼きつけたまま死にたい。自分の命を大切にしているからこそ、そして決して強くないからだを持ってその命を支えているからこそ、その命を使って感じたものを表現することに人生を使いきりたい。自分の命を表現のために使いたい。僕の好きな色を刻んだ魂を、向こうに持っていくために。
 カメレオンたちに囲まれながら、僕は往生際悪くフライヤーをかき集めようと手を伸ばしている。往来にぶちまけられたフライヤーは、やっぱり紙吹雪に見えた。


 目が覚めると、胸の上にパンサーがいた。起き抜けにカメレオンのアップはけっこうビビる。出目金のように飛び出した目が、僕を見て細くなった。
「ようやく起きたか」
「熱中症ですって」
 エボシが額のタオルを替えてくれた。数日寝込んでいたらしい。部屋の隅に、最近ご無沙汰している缶ビールが積んであった。本数を数えてみると、一匹ひと缶ずつ持ってきた計算だ。病人への差し入れとしてはいささか不適切だが、彼らなりの気遣いなのだろう。
「それよりやりましたよ、きしみさん」
 座長のピンチを「それより」呼ばわりして、ルディスが起き上がった僕の膝の上に乗ってきた。
「座長が寝込んでる間に、僕ら、駅前で配ってたんです、フライヤー」
「きしみさんがあんなに体張ってくれてるんだから、僕らも頑張らなきゃって」
「座長のお友達が車に乗せてくれて…あちこちで置いてもらうよう頼んできました」
「そしたら前売りが売れて…問い合わせの電話もかかってきて…」
 ラテラリスもジャクソンも、体色を濃くして興奮気味にまとわりついてくる。それもそのはず、一万部近く刷ってもらったフライヤーが、すべてはけたのだという。結果前売りは完売、当日券を若干残すのみだそうだ。
「演劇ライター? ってのが来てな。俺、インタビュー受けたぞインタビュー」
「パンサー、緊張で真っ白になってたけどね」
「座長のことしゃべっといてやったぞ。ちょっと変なとこあるけど才能あるし、いいやつだから観に来いって」
「絶対成功させましょうね」
「きしみさんが主演俳優なんだから、本番までに体調を万全にしといてくれよな」
 エボシの言葉を受け、がぜんやる気になったらしいパンサーが意気軒昂と両の目を回す。
 空模様がどんよりしていようと、僕らが立つ舞台の照明はいつもまばゆい。新たな演出だって思いついた。千秋楽のカーテンコールには、カメレオン色の紙吹雪を。さっそく手配しなくては。
 僕は缶ビールに手を伸ばす。好物のモルツだった。しかもプレミアム。
 どうやらお見舞いではなく、団員たちの心づくしの祝杯だったらしい。
 ならば飲まないわけにはいくまい。僕はステイオンタブをアルミ缶に押し込んだ。 

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【オーダーメイド物語工房いとう園 ご利用案内】
 https://note.mu/m_medium/n/n561ee6081c77?magazine_key=mbb8cc368af01

【いとう園園主より、うたがわきしみ様へ】
 このたびはモニター依頼を引き受けてくださり、誠にありがとうございました。
「カメレオンのための演劇」が、いとう園にとって初めてのオーダーメイド小説となります。オーダーメイド小説という形式について、当初は「いいかも!」と思ったのですが、書いていくうちに「よくよく考えてみれば、人様の生き様(シャレではありません)を題材にあれこれ書かせてもらうなんて、かなりおこがましいよなあ…」と、躊躇せざるを得ませんでした。
 いとうは、魅力的な主人公というのは「完璧ではない人」だと考えています。挫折を味わい、自分のウィークポイントに足を引っ張られ、散々な目に遭って、それでも自分を投げ出さずに信念を貫いていく姿を深く尊敬し、共鳴するからです。
 ですからカメレオンの一座を率いる「うたがわきしみ」さんにも、あれこれ苦労をしょい込ませてしまいました。思うところと違ったものになってしまっていたらごめんなさい。いとうにとっては魅力的な人物ですが、依頼人であるきしみさんにとって魅力的な物語に仕上がっていなければ、成功とは言えません。それがオーダーメイド小説の難しいところであり、目指すべきところであり、独自の価値を発揮できるところだと思いますので、どうぞ忌憚ないご意見を頂ければと思います。
 勝手な願望ながら、きしみさんの「人生の一篇」になれれば幸いです。

【うたがわきしみ様 注文書お控え】
1.あなたの好きな色
青 もしくは 赤

2.あなたの好きな場所、もしくは行ってみたい場所
自宅(書斎) 一番安心する 本の背表紙を眺めているのが一番好きな時間
それかトイレ。トイレは自分だけの閉鎖空間で安心するし、
ふっとリラックスして気がゆるんだ瞬間一番アイディアが浮かぶ。

3.あなたの座右の銘
「寒さにふるえた者ほど太陽の暖かさを感じる」ホイットマン

4.あなたの人生ベストワンの本と、その理由
『春の夢』宮本輝
主人公の人生と自分の人生と重ね合わせられた青春時代のバイブル
宮本輝、原田宗典、清水義範が青春時代をいろどった作家だけれど
中でも宮本輝の本(特に初期の「青が散る」とか「真夏の犬」などの短編集)やエッセー(「二十歳の火影」や「命の器」や「血の騒ぎを聴け」とか「ひとたびはポプラに臥す」とか)は気が付くと読み返すような立ち返っていくような私の原風景になっていると思われる。
その中でも一冊と言われたら柱に釘刺したトカゲとの暮らしが何とも言えない印象を残す「春の夢」かな。また宮本輝の描く女性がいいんですよねえ。

5.あなたが人生において最も価値があると思うもの(人でも可)と、その理由
自分のいのち
何かを感じられるのも、何かを話せるのも、何かを書いたり見たり聞いたり読んだりできるのも
おいしいものを食べたり飲んだりできるのも、誰かと交わったりできるのも、
感動できるのも……すべてはこの命があるからできることだから。
自分の生命に感謝できない人が人を心から愛して感謝できるわけがないと私は思うのです。

そこに本当の生命の尊厳があり、それは他者への命にも注がれる、
人間は生きたようにしか死ねない生き物だが、死ぬときというのは
地位も名誉も財産も、あらゆるものがすべて身ぐるみはがされてしまう。
死んでから向こう側に持って行けるものというのは実は
愛しく大好きになって磨いてきた自分の魂そのものだけなのだと私は信じている
そしてその魂への愛の蓄積は次の生命へと渡される。
生命は確実に永遠だと直感しています。だから、気軽に悪いことをしてはいけませんw
全部自分の命に刻まれて持っていかなきゃいけませんからw

6.あなたの憧れの職業(好きなお仕事であれば、現職も可)
マルチクリエイター
(半分現職ですがゲームではない方というかnoteで活動しているようなことで食べれている状態がいいなあw)
つまり、詩小説家(詩であり小説でもあるジャンルの作家)兼 うたがわきしみ一座の座長(俳優・声優)兼 脚本・劇作家 兼 演出家 兼 画伯(グッズアートデザイナー)みたいなw

7.あなたの物語の主人公の「名前」
うたがわきしみ 詩河 軋

8.あなたの物語の主人公の「長所」
尋常じゃない感受性 あふれる才能、日々ものすごいスピードで脳が回転している
だのに魂に対する平等な優しいまなざしがある
※魂そのものに対する平等であって、えこひいきは別途あるw むしろえこひいきしかしないw

9.あなたの物語の主人公の「弱点」
NOと言えないおひとよし気質 ほいほい引き受けて追い詰められてパンクすること多々
そして不健康で体が弱い 食生活の不摂生 日常的な睡眠不足によるダメージの蓄積
いざってときに力が出せなくなってしまう
自信がありそうでない気弱 小心者 人見知りで対人恐怖症
気心が知れたらこの上なく深い交友ができる

10.あなたの物語の主人公の「夢」もしくは「悩み」

一座を率いる座長として売れたいのになかなか売れない今に煩悶している
自分は食えてはいるが、ヒットまではいかず、周囲を楽にさせてあげられない。
しかし兆しは見えているので、一座みんなでそのまま世界に躍り出るのが夢

あと地味にバツイチ(貧乏でも表現で食べていきたいっていう私の道(エゴ)に
巻き込まれたくなくて妻子は避難しましたw 価値観の相違での離婚であり
男女問題のいさかいではありません念のためw)で、
慰謝料と養育費がかさんでふところが痛い、わびしい
好きな本を好きなだけ買えない……

11.「お気に入りのアイテム」
お酒(特にビール、特にモルツ党)

【軌跡ざっくり】
19、20で声優目指して新潟から東京にでてきて、
途中で舞台も好きになって新宿などで公演しつつ、
20代後半で挫折…。

社会の常識も、パソコンなどの機器の扱いも知らぬまま、
20代後半で、ぽ~んと社会に放り出される。

が、高卒学歴の役者くずれなど、
相手にしてくれるところなどあるはずもなく、
何十社面接受けても仕事につけず。

ひきこもり的生活。
頭の中に何度も死の影がしのびよる。
早く楽になりたい。

ボロボロになって彷徨っていたところ、
最後の希望に、だめもとで受けたところが、
とりあえず面接に呼んでくれて、
そこで自分は何かを表現するまでは死ねません!
何でもやります! と熱弁を奮いまくり、強引 に合格。

声や体を使う仕事ではないが、とにかく表現の道で
かせぐために一歩を踏み出す。

実際、パソコンなど、できないことだらけだったが
食らいついて、日々奮闘す。

おもにシナリオや演出で食べていけるようになっていく。

しかし、会社の首脳が政権交代して、宗旨替え。
あえなく、リストラ…。

その後、更に紆余曲折あって、巨大企業から小さな会社まで転々とし、
何度も死のうと思いながら、ギリギリのところで
人運にめぐまれ、食いつないできている。
しかし、妻子はあきれはてて出ていくw

(ざっくりだなぁ)

才能は関係ない。世の中、運だなぁと悟りつつ、
運は、前向きな人に流れ込むという法則を噛み締めて
今にいたる。

失敗すれば、いつ首になるかもわからない、
厳しい世界。不安な現状ではある。

安定の中の不安定はいらないから、
不安定の中の安 定がほしい。

胸中に不動の一念がは宿っていれば、
たとえ何が起きても、怖くはない。
人生を楽しめる。
世の中、強い人が幸福だ。

40代でうたがわきしみ一座をひっさげ
ますます油がのってギラギラしてきている。
そんな感じです。

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