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2023/夏 確定54歳と推定54歳の旅立ち

例によって今夏も、愛犬ラブラドールのシルフを伴って車中泊ロードへ
出発したのは8/2の早朝のこと。

奇しくも、癌宣告を受けてから3ヶ月後に当たる8/1に出発する予定が、
前夜の激しい雷鳴に眠りを妨げられ、睡眠不足スタートはよろしくないだろうと一日遅れての仕切り直しスタートになった。

なにも、衝撃の病魔に侵されたことからの衝動旅ではない。
ルートは違えど、今回のゴールは一年前にも目指したポイントだし、
そもそも愛犬との車中泊ロードは、4年前の50歳記念年(笑)に、五十と五島を語呂かけしての、長崎の五島列島ゴールの車中泊ロードに出たあたりから、恒例になっているのだった。

それにしても、
実は今回の旅は、途中1週間遅れで北海道に飛行機でやってきて合流した家族との道北旅が、それこそ宣告を受けるよりずっと前から決まっていたことが発端だった。
実際は病気が発覚した後、大きな手術を伴う長い入院生活とのスケジュールが丸かぶりになることを知った家族から、早い段階で即刻旅のキャンセルを提案されていた。

あの時の状況を思い返せば、至極当然。
だのになぜだろう。私の中では、この待ちに待った大好きな暑い夏に、
そんな旅がキャンセルになり、手術後の弱り変わった姿で病室の天井を見上げる自分の姿がまるで想像出来なかった。

あの時は、少し先の未来に愉しい予定が決まっているということだけが生きる希望のように思っていたのだったと思う。

それなのに、突然目の前に立ち塞がってきた人生のラスボスみたいなヤツに奪われてなるものか。
「こうしてても、どんどんキャンセル料嵩んでいくだけだよ?」と、当たり前にフツーなこと(笑)言ってくる夫の言葉もスルーし、この夏のイベントにしがみつき続けていたかった。

かくして、
数日前に54歳になったばかりの私と、人間年齢換算ちょうど54歳(実年齢7歳)のラブラドールとの、同級生同士と一人と一匹旅は、横浜の自宅を出て10分も経たぬうちに、本来予定していた東名高速道路ICへの道を逸れ、まだ早朝過ぎて空いていた国道246号をのぼりの都内方向へ向かったのだった。

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