自転車で100キロ走った先に待っていたもの。
20年間生きてきて、これまでで一番大きな(値段の高い)買い物は自転車です。
自転車といっても、いわゆる「ママチャリ」ではなく、高速走行を目的に作られたロードバイクと呼ばれるスポーツ自転車。
(スポーツ自転車は他にもマウンテンバイクと呼ばれる未舗装の走路を走るための自転車や、クロスバイクと呼ばれるロードバイクとマウンテンバイクの中間にあたる自転車などがあります。)
2016年春に購入した愛車。定価は100000円ほどの入門モデルですが、いわゆる「ママチャリ」とは比にならない性能を誇ります。
先日、友人と東京都の最果て・奥多摩までロードバイクで行ってきました。
ルートは新小平駅~奥多摩湖~都民の森~武蔵五日市駅の約100km。
奥多摩湖~都民の森の間には、とてつもない登り坂が待ち受けています。
(東京都で最も標高が高い公道である風張峠を通過します。)
なお、訪れたのは11月後半の紅葉真っ盛りの日曜日です。
今回の100kmサイクリング、結論から先に述べると
自転車、最高。
この一言に尽きます。
100キロを走破した過程を大きく3つに分けて振り返ってみます。
①新小平駅~奥多摩湖
まずは新小平駅~奥多摩湖までの50キロメートル。
9時15分に新小平駅を出発し、順調に進んでいきます。
昼過ぎに奥多摩駅に到着して付近の食堂で昼食を摂り、奥多摩湖に向けて出発。
無事に奥多摩湖に到着。
②奥多摩湖~都民の森
奥多摩湖から奥多摩周遊道路に入ると、ヒルクライムの始まり。
あまりのキツさに何度も折れそうになりました・・・
月夜見第1駐車場にて。
さっきまでいた奥多摩湖が眼下に。
ここで実感したのは
どんなに遅くとも、
脚を止めなければ前には進む。
ということ。
日常を振り返ると、不確実な未来を前に脚を止めたくなりますが、ゆっくりでも進み続けることが大切だということを奥多摩の坂は教えてくれました。
都民の森に到着。
武蔵五日市駅まであと30km。
③都民の森~武蔵五日市駅
都民の森を出発したのは16時15分頃。
日没には間に合うわけもなく、真っ暗の山道を自転車で下っていきました。
街に到着したときのコンビニの明かりの安心感を忘れることはありません。笑
武蔵五日市駅に到着。100キロを走破。
丸一日ペダルを回し続けました。
とてつもない疲労感を覚えましたが、最高の思い出になりました。
無事に自力で100キロもの距離を移動したわけですが、自転車で100キロ走った先に待っていたものとはなんでしょうか。
答えは以外と単純で。
別に何も待ってないんです。
だって、100キロ走り通したとしても、特殊な能力を得られるわけでもないし、普遍的な事実として無事に帰ってこられれば待っているのはいつもと同じ日常だから。
私が得たものは達成感、満足感、疲労感といった言葉にしにくいもの。
それを感じる人もそうでない人もいる。
だから、各自で100キロ走らないと何が待っているかはわからない。
帰りを待つ家族の存在の愛しさかもしれないし、普段何気なく食べている食事がとてつもなくおいしく感じるかもしれない。それは各自が決めて、感じればいいこと。
スポーツ自転車を持っている方はぜひ一度、節目の距離である100キロを走ってみてください。きっと素晴らしいものが待っていると思います!
ここで一つ疑問。
そもそも、なぜ、自転車で100キロ走ろうとしたのでしょうか。
普通に考えればエンジンのあるバイクや、雨風や暑さ寒さを防ぐことのできる車で訪れた方がよほど合理的です。
当然のことですが100キロ走るなかで、数え切れないほどのバイクや車に抜かされました。
それでも、スポーツ自転車は多くの人々を魅了しており、私たちと同じく自転車で長距離を走行している方はたくさんいらっしゃいます。
そんな自転車の魅力は何でしょうか。
私が考える自転車の魅力、それはズバリ
探求心
です。
自転車は、誰もが心の中に持っている探求心を刺激する乗り物だと思います。
誰しもどこか旅に出たり、非日常感を味わいたいといった欲求をも持っているのではないでしょうか。
自転車を使えば簡単な「旅」に行けたり、非日常感を味わうことができます。
自転車のエンジンは本質的には自分自身。
自らがエネルギーを生み出すことで進む乗り物です。
それゆえ、見知らぬ土地に到達したときの達成感、満足感は言葉では表現できないほど素晴らしいものがあります。
また、その道程を自らをエンジンとしていることにより、リアルに感じることができます。
もちろん、自動車や電車で旅をすることも素晴らしいことだと思います。
しかし、文字通り「自力」で、坂道や風、暑寒などの自然の厳しさを感じながら目的地に到達することができる手段は徒歩やランニング、ヨットなど限られています。
自転車はそんな乗り物の一つとして手軽であり、輪行(自転車を解体し、交通機関に持ち込んで移動すること)を用いれば自走するよりもさらに遠くの土地を訪れることができるのが優れていると思います。
知らない土地を走るという非日常感、「旅」をしている感覚を自転車は抱かせてくれるので、自転車は探求心を満たすことのできるツールであると言えると思います。
今回は
#買ってよかったもの
ということで。
私が20年間の人生で購入したもののなかで最も高価なロードバイクについてのnoteになりました。
・スポーツ自転車を買いたいけど迷っている。
・スポーツ自転車を持っているけど、ロングライドに出かけるのに不安がある。
・スポーツ自転車に乗ってみたい
そんな方々、ぜひ一歩踏み出してみてください。
現在ではレンタサイクルでもスポーツ自転車を貸し出しているところもあるのでハードルは下がりつつあります。
走り終えたその先に、素晴らしいものが待っていることをお約束します。
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