役立つ資格の選び方。進学、就職、転職等環境別の指針サンプル
「資格を取る!」と考えるとき、どんな気持ちでそこに望んでいるだろうか。私の場合、結論から書いてしまうと「金のため」という身も蓋もないものに落ち着く。言い換えれば、なるべく直接収入につながるものを考えた上で取得していくようにしている。大変恐縮ではあるが、実は私自身さほど勤勉なタイプではない。所得につながらないものを取るために努力をしても、申し訳ないが割に合わないと考えてしまうのだ。
ここでは参考までに、環境別にどんなものを取って行くべきか考える指針について、サンプルをいくつか挙げてみることにした。
・幼稚園児~中学生まで
・高校生から大学生まで
・今働いていて転職予定がない、同業種に転職予定がある
・他業種に転職予定がある、無職でつきたい職業がある
・ブログ、動画などで収入を得ている、得ようとしている
今回はこの5つの環境において、取るべき資格の方針について書いていく。
【幼稚園児~中学生まで】
この項を読んでいるのはほぼ100%親だと思われるが、この時期押し付けしてまで資格を取らせるのは賢い選択とは言い難い。うまく子どものモチベーションをコントロールできなければ、かえって勉強嫌いに育ってしまう可能性がある。そうであるなら、取るべき資格はむしろないと言えるだろう。
もし万が一この記事を資格を取ろうと考えている本人であるなら、一般的な知識を付けるのに有効なものを第一選択とすると良い。あらかじめ親に資格を取れたら何かを買ってもらう、という交渉をしてみるのも重要なことだ。
あなたが親か子どもかは置いておくとして、具体的に取るべき資格を挙げるなら無難に漢検、英検、地元の検定など。すぐに金銭にはつながらないものの、長い目で見れば教養があった方が良い。今後の予習ともなるので、進学する際には一歩先んじることができるだろう。私立高校などに推薦で入学を考えている場合も多少なりとも武器となる。
また、将来の夢が既に明確になっている場合、その役に立つ資格を今から取っておいて損はない。情報系に進むなら基本情報技術者試験、商業系に進むなら簿記といった具合。取れるかどうかはともかく、それらの資格のテキストを買って予習しておくことも強みになる。
◆【幼稚園児~中学生まで】総括 ◆
義務教育の間は地力をつける時期。まだ種類にこだわる必要はそこまでない。将来絶対なりたい職業があるなら、その下準備をしておこう。あなたが親なら資格を取らせるのも全くの悪とは言わないが、無理に資格を取らせるべきではない。むしろこの辺の時期は勉強だけでなく、幅広い世代と交流させてコミュニケーション能力を付けさせること等も必要なことだ。
【高校生から大学生まで】
進路に合わせた資格を取ることを第一選択とする。高校卒業後にすぐ就職したいなら対象企業に入って使えそうなもの。推薦で進学するならそこで面接でPRできそうなものを選ぶ(TOEICの点数○点以上を推奨しているならそれ以上の点を目指すなど)。うまく使えば試験で武器になるのだ。ただし中途半端なものはあまり意味がない。漢検1級(大学・一般程度)は活用できそうだが、漢検3級(中学校卒業程度)ではアピールに足らないからだ。
参考:各級の出題内容と審査基準 | 漢検の概要 | 日本漢字能力検定
一般受験したいなら、話は変わってくる。資格の勉強をする暇があったら赤本などの過去問を繰り返し解くべきだ。大学受験のためにはハッキリ言って、恐ろしく金がかかる。塾、予備校、受験料。滑り止めの入学金……どいつもこいつも安くはない。資格の勉強は受かってからすればいい。
資格の話からは少し離れてしまうが、大学生や就職先、進学先が決まった高校生なら早いうちに運転免許を取ると良い。将来的にペーパードライバーになるとしても身分証代わりになるし、意外と就職後に使う場面がある。いずれにせよ学生は早い時点から卒業後の進路を考えて、それに合った資格を取っておくこと。
就職せずに起業するなら、より慎重に資格の取得を検討すべきだ。職種に関連する難関資格を持っていた方がなめられずに済む。かといって生半可な資格は持っていても役に立たない。大学生は三、四年になると就活やら卒論やらで忙しくなるので、入学直後から二年次までに色々動いて資格を取っておくのが望ましい。
専門学校生なら、教員かOB・OGに聞いた方が早いかもしれない。ともあれ既に自身の進むべき道が見えているのだから、取るべき資格も明らかになっているはずだ。
◆【高校生から大学生まで】総括 ◆
次のステップに活かせるものを選択しなければならない時期。選ぶべきはもう「使えそう」ではなく「使える」もの。資格取得の勉強は実務と直結しているとは限らないが、前提知識が多い方が理解は早い。先に苦労しておけば後から楽できると言える。
【今働いていて転職予定がない、同業種に転職予定がある】
資格取得を推進している企業に勤めているなら、給与が増えたり、一時金をもらえる制度を活用する。給与に直結している資格はそれだけでモチベーションになるものだ。早く取れば取るほど生涯年収が増えるのだから、やらない手はない。
資格を取っても給与に反映されない(一時金なども出ない)企業に勤めていて、かつ転職の予定が全くない場合、どんな資格の取得も趣味の範囲である。知識という武器は手に入るものの、試験会場への交通費や受験料などを出した分のリターンが見えにくい。それだけの向上心があるなら、テキストだけ買って勉強のみ行うなり、実務に関する専門書を読み漁ったりするなりした方が遥かに建設的だ。あえて試験まで受ける必要はない(試験を受けたほうがやる気につながるというなら止めはしないが……)。
もっとも、副業などで活用するなら話は別。サラリーマンが整理収納アドバイザーを取って訪問片付けサービスを始めたりブログによるアフィリエイトで収入を狙う、と言った変化球的な使い方が考えられるだろう。
◆【今働いていて転職予定がない、同業種に転職予定がある】総括 ◆
直接現金になるかどうか判断しやすい環境。資格取得はスピード感が大切だ。まずどうやったら収入につながるか、自分の勤め先(あるいは転職先)の仕組みをよく確認しておこう。
【他業種に転職予定がある、無職でつきたい職業がある】
目標となる職業に関する資格を取ることが必須に近い。履歴書に書ける分就職にやや有利になるし、入職後に給与のベースが上がることもあり得る。他業種に転職する、新しく仕事に就くということは、相手方からみれば「歳だけ食った新人が入ってくる」ということに他ならない。であれば、こいつを雇ったら使い物になる、と思わせる資格を得ることが重要になってくる。逆に、業種になんら関係がないと思われるような資格を履歴書に書こうものなら、こいつは何を考えてうちに応募したんだ? と思われること請け合いである。
◆【他業種に転職予定がある、無職でつきたい職業がある】総括 ◆
これは、と思わせるような資格を取ることが重要。資格を取得することでアピール力アップが期待できる。畑違いの仕事からくる人間であっても、すぐここで働くことができますよという印象が与えられるだろう。
【ブログ、動画などで収入を得ている、得ようとしている】
軌道に乗っているならあえて資格取得を目指す必要はない。が、ウリにしている分野に関わるものなら取っておいて損はない。費用対効果が望めなそうなら、かえって損する場合もあるので注意が必要だ。資格取得体験をネタにするのも面白いかもしれない、ただしそれでアクセスが伸びるかは残念ながら確約できないが。
◆【ブログ、動画などで収入を得ている、得ようとしている】総括 ◆
強みを伸ばせる資格、ネタになる資格を狙って取るのが良い。あくまで直接収入になるものではないので、「ご利用は計画的に」。
以上、いくつかのメジャーなパターンを挙げてみた。人生色々、それぞれの環境によってどんな資格が必要になるかは変わってくるため、例外はもちろんあるだろう。
ただ、漫然と資格を取ろうと思うよりは多少の指針となるのではないだろうか。うまく資格を利用することで、なるべく大きな利益を得られるように努めることができる。あえて取らないということも選択肢として挙げてある。何が利益になるかを考えて学ぶことで、自身の将来にとって大きなプラスとなってくるはずだ。
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