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自分へのインプットを意識しない人は、お金に振り回される

僕は、板前や配送ドライバーといった「ブルーカラー」から、エンジニアという「ホワイトカラー」に転身しました。

そこで、以前にも書いた通り自分の時間を失うことの怖さを意識しなければならないということに気づかされます。

しかし、それは単に“時間の量”をコントロールすればいいというものではありません。僕たちは“時間の質”という部分にも注目しなければいけないのです。

今叫ばれている働き方改革では「とにかく休め」「働く時間を減らせ」などといわれますが、そもそも大前提として 、仕事におけるストレスの大半は時間の量が多いことではなく、その仕事の中身や対人関係の問題です。長時間労働よりも精神的なものです。

たとえ2時間の労働であっても、パワハラ上司に圧力を受ければ、心を病んでしまいます。好きなことを仕事にしていたり、夢中になって仕事に没頭している人にとっては、長時間労働は苦でもなく、むしろ喜びだったりします。

ですから、自分の働いている時間の「質」を強く意識しなければなりません。そして、その時間の質を「いかに高めていけるか」という努力が必要になるのです。

ホワイトカラーの仕事では時間の質を高めることができます。例えば、たった5分の仕事でも、そこで発言した一言が重要な決定事項に関わるなら“質の高い時間だった”と言えます。つまりレバレッジを効かせることができる。

そして、そのレバレッジのもととなるのは、「インプット」だということに気付いたのです。「20代のインプットで人生が決まる」といっても過言ではありません。


この重要な位置づけとなる「インプット」とは、つまり、日々どのような情報を頭に入れていくか、です。時間の質を高めるには毎日のように様々な情報をインプットしていかなければなりません。

ホワイトカラーに転身してそのことに気付いた僕は、次のようなインプットをするようになりました。

●書籍は年間200冊ほど読む
●苦しくても、名著も読む
●ビジネスの武器を増やすための投資を惜しまない(学校、教材等・・・)
●毎日5紙の新聞に目を通す
●ネット記事や雑誌にも目を通す
●食事中は、ヘッドフォンをして経済ニュースか英語を聞く
●ニュースは民放ではなく、NHK-BSで国際情勢を把握する
●年に一度は、行ったことのない国に旅行して刺激を受ける
●映画、スイーツ、スポットなど流行りものは、好き嫌い関係なく体験する
●世の中のランキングには、目を通しておく
●人と会う時は、聞き役に徹して生の情報に触れる


最初は、情報を“浴びる”かのようにインプットしていくわけですが、問題となるのは「いかにインプットの時間を確保するか」です。
20代の頃にイメージしていたのは、平日3時間(昼休みや移動など隙間時間もインプットに活用)x5日 = 15時間と週末2日で計15時間、併せて週30時間のインプット時間を確保することでした。ですから、時間を確保するための工夫についても次のようなことを行っていました。

●動画は2倍速、スポーツは1.5倍速で見る
●社内の飲み会には行かない
●社内の人間とランチにも行かない
●2種類の速読講座を受講し、読書スピードを上げる
●待ち時間が長く混雑するので、昼12時台のエレベータには乗らない
●昼の12時〜13時には、飲食店に行かない
●混んでる電車は疲弊するので、朝8時台の電車に乗らない
●電車通勤は遅延リスクあるので、職場から徒歩20分圏内に住む
●コンビニのレジに3人待ってたら、その店での買い物を諦める
●トイレが行列になっていたら、別の階か隣のビルを探す
●なんにせよ行列には並ばない
●お正月やお盆などの渋滞リスク高い時期に高速道路を使わない
●車の長距離移動は可能な限り深夜の空いてる時間にする
●睡眠時間を8時間から4時間へ減らし質の高い睡眠を取るようにする
●SNSアプリをスマホに入れず、PCだけで確認する
●そもそも話すスピードを早くする
●テレビは捨てる


幾つか詳しく説明をしてみましょう。


●動画は2倍速、スポーツは1.5倍速で見る

サッカーや野球などの試合を観るのが好きな方もいるでしょう。帰宅したら習慣的にテレビのスイッチを入れる人もいるでしょう。たいして続きが気になっていないのに、惰性で延々と海外ドラマを見続ける人もいるでしょう。
娯楽としてたまに楽しむ分には良いと思いますが、そればっかりに時間を費やすのは壮大な時間の無駄遣いのように思えてしまいます。

僕もたまに野球を観たりすることもあるのですが、リアルタイムで3時間ぐらいずっとテレビ観戦することに耐えられませんでした。投手交代のたびに試合が止まったり、ピッチャーが1球投げるたびに30秒くらいの間が空いたり。

そこで、試合を録画して1球ずつ30秒スキップして観ることにしました。そうすると1試合20分ほどで終わります。他のスポーツ番組や、YouTubeやAbemaTVも、基本的にはすべて1.5〜2倍速で観るようにしています。
(NetflixやDazn、AmazonVideoに、倍速機能がないのは辛いです。。。)


●惰性で行くような会社の飲み会には行かない

会社ではよく親睦を深めるという目的の飲み会がありますが、飲み会で仕事における信頼関係を築けたことは一度もありません。一緒に仕事をしてお互いの関係値を深めていく以外に、信頼関係を築くことはできないとわかったので、行かないようにしています。
これは僕だけの感覚ではなく、同じ環境で育った僕の兄も同じような感覚を持っていました。

僕の兄は新卒で大企業に入り、最初の2~3年は普通に仕事をしながら会社の人と飲みに行ったりしていました。同期や先輩と飲みに行くのも最初の頃は「楽しい」と言っていたのです。しかし、3年を過ぎたくらいから、「これは壮大な時間の無駄だ」と気付いたようでした。

惰性で行くような飲み会には行かなくなり、空いた時間を英語の勉強に費やすようになりました。その後MBAを取得し、財閥系の商社に移りモスクワ駐在、今はロンドン駐在で、国際的な仕事をしています。入社当時と比べると年収もだいぶ上がったようです。


ということで「インプットの工夫」とそれに伴う時間の確保について幾つか取りあげてみましたが、こういった地道なインプットをしたからといって、すぐに何か成果が出てくるわけではありません。インプットは5年、10年と続けなければ効果は出ないので、ほとんどの人は継続しないのです。だからこそ30代後半〜40代になると、継続した人と継続していない人の差がハッキリと現れてくるのではないでしょうか。


「結果とは習慣の遅行指数」です。


20代は、元気なところを前面に出したり、それっぽく周りを批判したりすると、“デキるビジネスパーソン”ぽく振る舞えるかもしれません。そうやって勘違いしてしまった大企業のイタいサラリーマンを多くみてきました。イメージは、初対面でタメ口で話してきたりするような人たちです。

しかし、30代後半〜40代になると他人を批判するだけでは相手にされなくなります。批判をするにはそれを上回る対案をださないと、周囲から尊敬されることはありません。採用面接をしていて、経歴は立派なのに、「なんかこの人は浅いなぁ」と感じる人は、ほとんどインプットをしてない人であることが多いのも事実なのです。


現代のビジネスパーソンは、誰しもクリエイティブな仕事が求められる「クリエイター」とも言えます。そして、クリエイターというのは、「インプット加工業」とも言えるのではないでしょうか。そうなると、インプットの量がイコール「アウトプットの質」にも繋がり、周囲と差が出てきます。

例えば、駆け出しのプログラマーだった僕が10行のプログラムを書くところを、優秀なプログラマーは3行で表現することができていました。また、会社では目立たない、何をしているのかよく分からないおじさん社員が、会議でバシッとひとこと発するだけでプロジェクトが前進していくようなこともありました。僕と彼らとの違いはつまり、それまでの知識や経験の差、それに伴う「アウトプットの質」だったのです。

「アウトプットの質」を高めるためにも、「インプットの量」を増やさなければいけない。そして「インプットの量」を増やすためにも「日々の時間」を意識しなければいけない。ホワイトカラーに転身した僕は、そんなことを強く感じるようになっていきました。


時間もお金も「自分への投資」が最もコストパフォーマンスが高いものだと確信するようになりました。だから、今の僕が若い人に言いたいのは「借金をしてでも自らの教育にお金を使って欲しい」ということです。月1万円をチマチマ貯金するとか、惰性で行くような飲み会で無駄な時間をダラダラと費やすとか、本当にやめて欲しい。

貯金をするぐらいなら自分の投資にあてる、少しでも時間があったら英語でも読書でも“自分のため”に時間を費やしてもらいたいと願いします。

繰り返しになりますが、人生は「仕入れ」で決まります。
自分のインプットを意識しない人は、仕入れが上手くいかないわけですから結果的にお金にも振り回されてしまうものなのです。


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