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なんでいつも発売が遅れるの??

「なんで同人制作者っていつも完成が遅れるの?」
「遅れるくらいなら告知するな!」
「スケジュール管理能力なさすぎだろ…」

誠に申し訳ございません。
おっしゃる通りでございます。
ぐぅの音もございません。

同人作品を嗜んでいたら割とあるあるのひとつで、
あなたも好きな作者さんの「発売遅れます!」という告知に歯痒い思いをした気持ちもあると思います。
僕も割と作品を作ってきた方ですが完成直前はいつも作業が滞るし、遅刻の告知するのも辛いです(猛省)

これはもしやあらゆる同人作者さんの抱えてはいるが正体を掴むことができない"何か"があるのではと思い本noteを用い自分なり言語化したものとなります。

ひとつの問題提起なのですが体験版や支援版(仮称)と比べ、製品版の遅刻率って圧倒的に高くありませんか?
ということで以上の仮説を立てました。結論を一言で表すと

創作は完成に近づくほど辛くなっていくから

ではないかなと思っています。

※ 本記事は根拠やデータに基づいた内容ではなく、いわばいち同人製作者の"気づき"を言語化したものとなります。つまり全く当てはまらない方もいることを前提にお読みください。同人は自由であるべきだ。


創作は自由で楽しい!……最初は特に

昔の記事でも記載していますし、この手の意識高い文章には毎度のごとく出現するワードの一つ「同人は好きを詰め込め!お前の股間のありのままを出すんだ!」という啓発に似た文章。
至極真っ当だし、そこが醍醐味なのは筆者も再三言ってきており間違いはないのですが…本当にそうなのでしょうか?
思い返してみると本当の意味で自由なのは創り始めのときだけなのではないかと思っています。

創り始めっていつやねんという感じですが、個人的にはやりたいことが決まった瞬間(テーマ)だと思っています。私作品で恐縮ですが3作目の『LiLinTrigger』の場合はガンアクションゲームにしようと決めた瞬間、6作目の『Escape from『Primula』』の場合8bit風RPGにしようと決めた瞬間、といったところでしょうか。※1 つまり自分以外誰にもわからないほど、めちゃ最初です。

ゲーム制作は積み木を積み上げるようなもの

本職から怒られそうな寸法の入れ方

例えば1段目で「今作はRPGにしよう」と考えたら、2段目以降は基本的にRPGに則った内容しか作れなくなります。もちろん同人とは自由なもので2段目から突然アクションゲームにしても(多分)誰にも怒られないと思います。
しかし1段目の時点でそれなりの伏線や説明がないとユーザーを置いてけぼりになるのは必然ですし、ミニゲームやオムニバス形式といった方法で終わらせるのではないとしたら上層の3段目に続く理由も別途必要です。
実際世の中には同人ではないのにクライマックスで突然新宿にいって音ゲーをやらされるファンタジー世界観のアクションRPGもありましたが、現に多くのユーザーを置いてけぼりにしたと思います。※2


完成(頂上)が近づくほど、下層に矛盾した設計ができなくなる

ラーメン好きな人の一握りがラーメン屋を開業するのと同じように、
同人製作者ってみんな何かしら(同人)ゲームに強い影響を受けたいちユーザーに過ぎないんですよね。

なので自分に影響を与えた作品のオチ、魅せ場というのを理解しており、
作品のウェイトとして何よりも重要だということを理解しています。
そしてコレと先ほどの積み木論を組み合わせると…

目がイってるねこ好き。でも当事者は地獄。

創作の自由度(楽しさと言い換えてもいい)は狭いのに作品の完成度を求められる酷な場ということになってしまいます。
着想段階ではノリノリで制作を楽しんでいたのにこの差も「当初のスケジュールと違う……」と錯覚させる原因なのでは?と思っています。

ユーザーからの評価は話のオチ(頂上)のウェイトが大きいのに製作側は好き勝手やれない……このジレンマが人を病ませ、果てには製作中止にまで追いやられる。
だから自分が作ったゲームもユーザー目線で納得いくまで、なんならユーザーが想定している以上に冷静な、冷めた目で見てしまうのかなと。

なら魅せ場から先に作ればいいのでは

それもまた難しいかもしれません。縦軸を「創作順」ではなく「規模」にしている理由でもあります。

例えば起承転結の"結"、
「チュートリアルの相手をしてくれた師匠が実はラスボスだった」
という話を先に作るとしたら、キャラに好感を与える"起"、衝撃を与える"承"、納得を与える"転"が、頂上部に必要となってきます。
何も思い入れもないラスボス戦が急に始まっても面白くないですよね。

余談ですが本noteもいつも反論と結論から先に作っているため、
筆が乗らないのはいつも"起承"の部分です。


それでも完成には価値がある

上述によりゲーム……というより創作が上手い人を一言で表すと、積み上げる積み木の段が横に広い人かもしれません。
こ〜したい、あ〜したいという妄想は、創作において残念ながら何の価値もありません。やや酷ですが"努力"というのは、多くのユーザーにとってはどうでもいいのです。世に出して人に見せて、そこではじめて真っ当な評価を得ます。
しかし一度でも完成経験のある人があなたの"努力"を貶すことはないでしょう。


冒頭に述べましたがしょせんは結局、個人の感想です。
異論など様々あると思いますがよろしければコメントにてご意見ください。
コメントという形で言語化するだけでも見えてくるものがあると思います。


あとがきコラム:Q&Aコーナー

Q:同人製作やってみようというnoteの本趣旨なのに、
なんでこんなこと書いてビビらせてるの?

誠に申し訳ございません。
おっしゃる通りでございます。
ぐぅの音もございません。

でも考えてみてください、前の記事にて短編を作ることを推奨しています。
短編ということはゲームの規模はそこまで大きくなりにくく、つまり積み木が高くなりにくい……

偉いを享受せよ。

ほら、創りたくなってきませんか?
以上です、次回の記事もお楽しみに。


※1 自分の場合、「自分の表現したい(シ⚪︎れる)」ことと「他のゲームであまり見ない」ことの折衷案でテーマを決めています。後者はともかく、前者は大事。

※2 リアルタイムでやってたユーザーのひとりですが、なに食べたらあんな展開思いつくんだ。でも嫌いじゃないよDoD

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