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初「ババア」はこたえたが。

わたしが40代半ばで、夕方の新宿アルタ前を、ひとり歩いていたときのことです。ちょっと、人と軽くぶつかりました。

「いてえな! ババア!」


えっ? 振り返ったら中学生くらいの、少し悪そうな若い娘さんでした。 
わたしはたいそう物静かな、元深窓の令嬢だった40代半ばでしたので、

「おい、待てや、このガキ!」


と言って首根っこを押さえることもできず、トボトボとそのまま、歩いていったのでした。

どこまで歩いたか、わかりません。
いや、こたえました! 初ババアは。

ババアは、ジジイより破壊力がある気がします。

「いてえな! ジジイ!」


と40代の男性が言われたら、どう思うのでしょう?

「そんな言葉がどうこうより、おやじ狩りに遭わないようにしないと。」


と思いそうです。

そうか、おやじ、という、ジジイの前段階の呼び方がありましたね!
ババアの前段階は……おばさん? おふくろ? うーむしっくりこない。

初おばさんも、ちょっとショックはありました。
子連れの若いお母さんに、コンビニで、

「ほら、おばさんの後ろにちゃんと並んで!」


って。まあ、そういう年齢だから、しょうがないか、と思いました、けどね。けどけど。


でもですね、「おじさん」「おばさん」と呼ばれるのは嫌ですね!

しかも、公的な場というか、仕事の場です。
ある会合で、帰った女性を指して、

「あのおばさんは……。」


と話す司会の方がいました。

20年くらい前ですかね? コンプラなんて言葉はなかったけれど、テレビのニュースでは「30代の主婦」とか「70代のお年寄り」とかいうのをやめて、「30代の無職の女性」「70代の無職の女性」というようになってきたころでした。

わたしなど女性たちが抗議しました。でも、やめないんですよ。
この「60代お年寄りおじいさん」は!

「あの女性、という言いかたにすべき。」


と抗議を続けましたが、この方、最後まで「おばさん」と言っていました。

正確に言うと、

「おばさん(ニヤリ)」。


この、(ニヤリ)が、女性を馬鹿にしてる感じがするなあーと思ったんですよね。
ま、今こんなことをやっていたら、どこから見てもコンプラ違反ですが。


あ、初ババアの話でした!


初があっただけで、その後、第二回ババアはないのですが、

自分がこんなに「ババア」に弱かったなんて!


と、初ババアのとき、こころから思いました。


レベルで言うと、「ぶす」に近いですかね。女性に対する侮辱の最高レベル級ですね。



男性の場合は、「このハゲ!」あたりが最高レベルでしょうか。「おいジジイ」、ってそんなにショックを受けない気がして。勝手な想像ですが、どうでしょーねー?

しかし、さらに上がありました! 男女ともに、おそらく最大の年齢悪口!


くそジジイと、くそババアです。


くそ、ついてますからねー。これはいけませんねー。
なぜ、なごやかに語っているかと言うと、言われたことがあるのです。



息子、小4。
どっかで、聞いてきて覚えたのだろう。
とっても、もじもじしながら、小さい声で、

「……くそばばあ。」


おお、それを言う年齢になったかと感動して、

「なんだクソガキ!」


と返したら、すごく悲しそうな顔で、ふすまの向こうに去っていきました。
思いもよらず、ショックを受けてしまったのですね。

こんなかわいいくそババアなら、何度聞いてもいいんですけどねー(笑)。


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