四股とかテッポウの効用(機構)

先日ついったでいつものように他人様に対して「四股ふめー四股ー」と冗談めかしてbotしたところおもったより真面目な食いつきがあったのでやり方とかいちおぐぐってたら自分的にも発見があったのでまとめ的に。



要するに、四股の効果、あるいは筋トレ・ストレッチ部位というのは股関節と腸腰筋(太もも付け根外側から臀部にかけての筋肉)でそこから連動して腰部につながる。全体的には深層筋(インナーマッスル)が鍛えられるのはいわずもがな。


意識としては、とくになれないうちは「足をあげる」というほうに行きがちなのだけど、リンク先の解説にもあるように、「足をあげるというつもりでもなく、軸足の方に体重をかけると自然とあがる。ちょうどシーソーのように」、みたいなとこはある。ただ、これも股割りとかできていて可動域が上がってれば自然とそうなりがちなのかもだけど、最初の段階ではむずかしいだろうから上げる方の足の腸腰筋を意識するとあがりやすいしより効果がある感じがした。あとは下ろすときに上げた方の太もも裏あたりに力を感じつつ振り下ろす。断頭台とか鎌みたいな感じで。体重+筋肉の力が加わった重みで股関節をストレッチする。


最近はコーヒーを淹れつつ20回ずつで80回とか、あるいはなにかちょっとした湯で / 煮ものをしつつ50回とかがふつーになった。で、日に200回とか。


解説を見てたらやはり古武術的に身体の基礎に通じるみたいなことが書いてあって、まあ続けとくのは地味に良いだろうなあ、とか。

四股の効果を実感したのでテッポウのほうもそうなんだろうなあとおもってちょっと調べる。調べた結果メモ


成瀬先生が来る (内田樹の研究室) http://blog.tatsuru.com/2010/12/05_1301.php

(引用初め)

木曜日から「股関節と肩甲骨をがばっと開いて、身体を刃のような一重身にして、深層筋からの力をそのまま作用点に伝える」という身体の使い方を工夫している。

それは先日黒田鉄山先生のDVDで、駒形改心流の型のいくつかを見て、その独特の一重身から、「やっぱ股関節と肩甲骨だわな」と思ったからである。

前に大相撲の一ノ矢さんと『考える人』の「日本の身体」で対談したときに、シコが股関節、テッポウが肩甲骨の「開き」のためのものだということを教えていただいた。

相撲の場合は「自分の身体から出せる最大の力を出すためにはどういうふうに身体を使うか」というはっきりした目標がある。

そのための稽古法として、シコと摺り足とテッポウと股割りがある。

この四つに共通する身体運用上の効果は「一重身になる」ということである。

股関節を開き、肩甲骨を「抜いて」、一重身になる。

それによって下半身の太い筋肉群の力が足先指先にまでロスなしに伝導される。

体術の場合、相手が接している身体部位が緊張すると、相手はすぐに反応して、そこを咎める。

そのことを「起こり」という。

「起こりを消す」というのは技法上の最優先の課題であるが、物理的に言えば、それは「相手に感知されない部位の筋肉を動かして、技を遣う」ということである。

合気道の場合は手首が接点になる型がたいへん多い。

それはおそらく手首がもっとも「起こり」が出やすく、かつそこを制すると全身の運動が規制されてしまう鍵になる部位だからである。

だから、手首周辺の筋肉にまったく緊張がないままに深層筋からの強い力が指先まで一気に伝わるために、どんなふうに身体を使えばよいのかということが技法上の課題になるのである。

股関節の「開き」と肩甲骨の「抜き」によって、手首周辺の筋肉には緊張がないまま、身体は一気に一重身になり、深層筋の強い力がそのまま剣先にまで伝わる。

その術理が鉄山先生の映像をみていてよくわかった。

木曜日に大学のクラブで数人を実験台に稽古してみて、その実効性がわかったので、さっそく土曜日に芦屋の道場でも適用してみる。

たしかな効果があったと思う。

もともと上体の筋肉に頼らないタイプの人たちは股関節の開きが自然にできている。でも、肩甲骨の使い方について意識的に工夫するということは、あまりなかったように思う。

それは「肩甲骨を抜く」と出力が変化するという「実感」がなかったからである。

今回は、これまで稽古のときに私がうるさく口にしていた「背中に意識を置いて一重身をつくる」「身体を正中線に対してできる限り薄くする」「全身の筋肉の緊張を均等にする」といった指示を「肩甲骨の抜きによって達成された力感の変化」としてとらえてもらった。

人間の身体はそれまで意識したことのなかった身体部位を「使え」という指令が脳から来たときに、当然ながら「混乱」に陥る。

だが、この混乱は生産的な混乱である。

「運動精度を高めよ」という指示と「雄渾に動け」という指示が同時に来ると、身体は混乱する。

そして、何かこれまでしたことのない不思議な動きを始めてしまうのである。

それは「カレーが食べたい」という欲求と「トンカツが食べたい」という欲求が同時に到来したときに、「えいや」とばかりにカツカレーを作ってしまった料理人の経験に似たものである。

稽古とは混乱と葛藤の連続である。

それをどのように生産的なかたちで連続的に提示できるか。

それが指導者のエンドレスの宿題である。

(引用終わり)


肩甲骨を「開く」という感覚はまだちょっとわからないし、結果として起こりが生じずうんたらというのもまだ実感が無いのだけど、通ってる抜刀術のとこでも似たようなことは言ってたし、、まあやっていって損はないのでやっていこうかと思う。とりあえず四股同様、股関節≒肩甲骨ということであのへんを開くような感じで、腸腰筋≒肩の外側の筋肉を意識して。

壁に向かってテッポウをしてるととりあえずストレッチにはなるみたい。腕立てからすると「ほんとに効いてるの?」みたいな感じではあるのだけど100回、200回としてると地味に疲労があった。初日は。まあ斜め腕立てみたいな効果もあるのかもしれない。とりあえず僧帽筋とか肩甲骨の柔軟には効くので肩こり対策にはなるのだろう。


足の力は腕の力の4倍かなんかだったかなあということで四股の4倍ぐらいはやっとくことにする。



あと、流れで四股とテッポウがきちんとできたときの動き≒猛虎硬爬山に似てるのかなあとか思う。

つか、いまみると完全に大槍の操作の動きであり腸腰筋だなあってかんじなんだけど。。


白鵬の稽古動画ないかなとおもってようつべを

的はずれなコメントがついてていらっとするけどみていて学びもある。だいたいは軽いストレッチ的なもので四股なんかも力を入れてない・柔軟とかアップ程度のものなんだけど、軸足に手をかけずにあれだけ上げれる(反動の負担をかけずに上げる方の足の腸腰筋だけで上げている)。一番最後、2分50秒ぐらいにすり足ダッシュの様子がある。低い姿勢で一気に駆ける。


先日の千秋楽での立ち会いで「変化した」「横綱らしくない」みたいなのが話題、あるいはそういった見方からの観客の野次や態度が話題のようでイラッときたのだけど、白鵬は四股やすり足などの所作を見ていて気持ちよくなる力士の一人なのでもうちょっとその辺を見てみたい。できればそういう基礎トレーニングのガチ稽古な様子とか。

白鵬が現役力士のなかでもっとも稽古を積んできたのは立ち会いに向かうまでの呼吸を合わすまでの所作からもわかる。

四股の安定感、余裕、バランスとか。スイッチが入りだした時のナンバ歩き的なすり足とか。あれは牽制としてやってるということでもなく、何万べんもああいううごきをやってきたので身体に染み込んでいて、すり足なんかをするときの型←スイッチみたいなのができてるのではないかと思う。そのスイッチを押すと意識せずにああいう動きになる。

勝負が決まった後に勢い余ってみたいな白鵬のうごきも話題になり「いけませんね」されることが度々あるのだけど、あれもそういうスイッチ関連なのではないかとおもったりする。


とりあえず内田さんと一ノ矢さんの対談関連のは借りとこう。


一ノ矢さんと会う (内田樹の研究室) http://blog.tatsuru.com/2010/03/04_2157.php




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