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俺とお前とHiGH&LOW

こんにちは奥さん、HiGH&LOWです!

素人がインターネット上に拙い感想文を垂れ流すのもアレかと思いましたが、陛下だってお気持ちを表明してるんだし僕だってお気持ちを表明したい、軟弱な弱音を適当に考えたポエムに包んで吐きだして未成年の女の子にチヤホヤされたりオフパコしたりポリスやマスコミに取り囲まれてもみくちゃにされたいと思い、親にねだってPCデポで買ってもらった1000円の中古のキーボードを連打して、いままさに皆様の前に降り立ったわけです。はじめまして豆みつおです。唐突ですが皆様にHiGH&LOWへのお気持ちを表明したいです。そういうことです。


HiGH&LOWを観た人々が次々と豹変していく…

何気ない日常の中で不意に感じる違和感、それは、劇場版HiGH&LOWを観たツイッターの人たちが、まるで学校の皇帝に犬が入ってきた小学生のように興奮していたことでした。神聖なる学校内、しかも年端もゆかぬ小学生の眼前でマイン・カイザーが犬に!?という狂乱に恐怖を感じます(ええ、はい、私が何を言っているのかよく分らないと思いますが、私もよくわかっていません。変換で誤字が出てきたけどそのまま思い付きで文章を書き続けたからです)。そして映画館に行った人たちは皆こぞってHiGH&LOWの素晴らしさを称え始めました。老いも若きも男も女も、HiGH&LOWは面白い、HiGH&LOWは最高!スッゴォーイ!スォードヲツブシテクダサァーイ!などと朝から晩まで延々とツイートしているわけです。まるで森に入った子供たちが性格を豹変させて帰ってきた童話のようです。更に恐ろしいことに、彼らはまた映画館に戻って行くのです。何度も、何度も、何度も同じ映画を繰り返し見続けるのです・・・。映画館に戻り、ツイッターでHiGH&LOWの素晴らしを語りまた映画館に戻る。これはもう何かとてつもないことが行われているとしか思えません。ねえ奥さん、もしもあなたの息子さんが森から帰って来て何度も何度も同じことを呟き、また森の中に入っていこうとしたら、あなたならどうします?ええ、そうですね、真相を確かめに映画を…え?警察?いや、奥さん映画館に、え、いや、そこは穏便に、いやほんと、ほんとすんません、警察は勘弁してください・・・


俺に血の繋がってない妹が12人も!?

人々の心をこんなにも惑わせるHiGH&LOW、その正体を確かめるために、俺は劇場に足を運びました。観る前は「よくわからないけど、あのEXILE関連の美形を集めたファンサービス的なアレなんじゃないの?」などとバブリシャスガムをクチャクチャ噛みながら余裕こいてたわけなのですが、結論から言えば、上映開始わずか数分ほどで心を持っていかれました。閑静な商店街から見えるビルの向こうに突然立ち上がる火柱、直後、商店街に突入してきたダンプカーから黒ずくめのチンピラ集団が大量に降りてきてわめき散らしながら無差別に暴れ始め、ヒロインらしき女性に乱暴を働こうとしたときにバイカー軍団が颯爽と現れ、男前が「ぶっ殺されてえのか、てめえら?」と仰るわけです。どうですか皆さん。もうね、平成も28年にもなってこんなのありえないだろ!ふざけんな!!!大好き!!!!

元来、細やかな演出よりも力技の演出を好む私は、物語の導入での荒唐無稽っぷりに心をわし掴みされてしまい、その心地よい空間にズブズブとハマっていき、映画が終わるころには遂におかしくなって、帰宅後はHiGH&LOWのことばかり呟くアカウントに変貌してしまいました。ええ、ええ、今ならわかりますね、皆と溶け合って一つになってしまえば、それはとても気持ちがいいこと・・・(旧劇エヴァの怯え切った青葉シゲルの前に現れた綾波の大群みたいな顔で)

私はEXILEというアーティストに興味がなく、まぁ悪く言えば舐めきってたわけですし、HiGH&LOWは原作もないオリジナル作品でTV版の存在すら知らない全くのノーマークな作品だったわけなのですが、それだけに心のスキを突かれたと言いますか、目の前に突然怪物が現れた!という感覚っていいますか、近所の良く行くコンビニに入ったら霊長類ヒト科最強マーク・ケアーがヤンマガを立ち読みしてるくらいの衝撃を受けたわけです。オタクの人たちに分りやすく言うと、シスタープリンセスの設定を見た時と同じ興奮、と言えばお分かりになるんじゃないでしょうか。そんなバカなことがあるかよ・・・だが、それがいい・・・(~雲のかなたに~)


見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ

正直、HiGH&LOWは映画としては不出来であると言われても仕方がないと思います。物語に粗が多い、演出での説明が不足している、役者の演技力にも疑問がある、登場人物が多すぎて人間関係が把握できない、などなど、聞こえてくる批評は本当に正しいと思います。ただ、それらを差し引いても、私には面白いと言いきれる強烈なパワーを秘めた映画でした。何の説明もなく商店街に突入してくるダンプカー、パルクールを駆使して圧倒的な体術を見せつけるルードボーイズへの対抗策として軍師・劉が取った「とりあえず空き瓶を投げつける」という驚くべき戦術、とんでもない人数で繰り広げられるただのチンピラたちの凝りに凝った大乱闘を空中からダイナミックに撮影する恐らく日本映画史上初めての光景、なぜだか目を離せなくなる李さんの演技など、圧倒的なアクション描写、個性極まるキャラクターたちの魅力、ここぞというところのツボを押さえた過剰なまでの見せ所が満載で本当にたまらない。映画というよりも演劇やコンサートやプロレスのようなライブイベントに参加している感覚になっていき、最終的には、もしかして今回は琥珀さんに負けるのでないか?などというよくわからない感覚で見ている自分に気づきます。もはや完全に末期症状。映画としてはダメなのかもしれませんが、例え映画としてどんなに優れていても「シンドラーのリスト」ではこんな気分にはなりえません。HiGH&LOWじゃないとダメなんです。少なくとも私にとってはあれは映画としてダメ、なんていう一言で簡単に切り捨てられる凡庸な作品ではないのです。

HiGH&LOWへの評価は色々ありますが、平成以降のヤンキー漫画や少年週刊誌のバトル漫画に馴染んでいる人ほどHiGH&LOWをより楽しめているのではないかと思います。ツイッターで見かける感想では皆がそれぞれの世代でハマった作品を重ねて好き勝手に考察を始めており、それが湘爆であったり、クローズであったり、特攻の拓であったり、中にはTOKYO TRIBEや喧嘩家業を重ねて考察を始めてる人たちもいて、同じものを見ているはずなのに、その後ろに見えているものが全く違うのもHiGH&LOWの魅力の一つなのではないかと思います。

見えているものが違えば楽しみ方も千差万別のようで、私のツイッターでは、ある者は物語の今後を推察し、ある者はキャラのカッコ良さをひたすら語り、ある者は出てくるバイクの値段を調べ始め、ある者は村山君が好きすぎて村山君役の山田裕貴さんのデビュー作品である海賊戦隊ゴーカイジャーにハマって行き、ある者は「辻と芝マンは超能力者だ」と言い出し、ある者はキャラクターの強さを数値化させて「キリンジのパワーを1として考えると琥珀さんは100万キリンジだ・・・」などと良くわからない考察を延々とし始める始末です。皆が好き勝手に楽しんで勝手に狂っていく平成の阿片窟、それがHiGH&LOWの正体なのです。誰が何を言おうと、私たちが楽しければそれでいいんです。本当に面白いんです。だからみんなもこっちにおいでよ。私たちと一緒に廃人になって、HiGH&LOWの続編がたくさん作られるようにお金をたくさん落とそうよ・・・(おしまい)

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