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俺とお前とHiGH&LOW THE WORST X


ごあいさつ

こんにちは、いつものアレです。HiGH&LOW THE WORST Xのお気持ちです。頭に浮かんだことを適当に垂れ流すアレです。もう何年も同じことやってるうちにすっかり老いさらばえて、前口上でふざけるような年齢ではなくなったんです。おじさんもう48なんです。キン肉マンの殺人技と同じ数字なんです。これが48歳の文章なんですよ?どう思います?同窓生にはもう初孫だっているんですよ?いい年した大人がハイローのお気持ちですよ!?ネタバレとかあるんですよ!?ネタバレされたくなければ早く見に行けばいいじゃないのよ!!!????ふざけんじゃないわよ!!!???踏んづけちゃうんだから!!!!!!!!!!(突然、再現度の低いおすぎのモノマネで喚き散らしながら壁の隅っこに置いてある20年前に購入したマイナーな萌えアニメキャラの抱き枕、通称・古女房を怒鳴りつけ、演技と言うには妙にリアリティのありすぎるアナーキさんを真似た殺人ストンピングを繰り出し、一人で足を絡ませてスマホから流れるFOREVER YOUNG AT HEARとシンクロしたスローモーションの動きでゆっくりと顔を打ち付け足を捻挫。あなたならどうする?)

以上でごあいさつは終了です。ただいまよりお気持ち本編が始まります。

ぼくたちわたしたちのハイローが帰って来たよ

LDHが生み出した数々の不良作品のエッセンスを取り込んだ2010年代以降の格闘バトル系映像作品のマスターピースHiGH&LOWと、恐らくHiGH&LOWの世界観の根底の部分に一番影響を与えたと思われる高橋ヒロシ先生の「クローズ」「WORST」の世界観が融合した「HiGH&LOW THE WORST」が再び我々の眼前に現れたわけなのですが、皆さまはもう御覧なられましたでしょうか。今作では、鬼邪高全日制の頭としての貫目(かんめ・ヤクザ用語でいうところの地位や器量、格)を急激に上げていく花岡楓士雄の成長、そして新キャラクター天下井公平とそれに付き従う須嵜亮の物語が柱になっております。Twitterを見るに、天下井公平と須嵜亮のビジュアルと関係性、その演技に骨の髄までぶっこ抜かれてしまった人があふれているようです。分かります。私も開始早々の須嵜の物憂げなの回想シーンにしてやられました。あの憂いの表情で空を見上げる須嵜の姿から天下井の提唱する鬼邪高打倒のための不良連合に参加しなかった学校が暴力で蹂躙される様子が映しだされ、新たな強敵たちの姿が次々と紹介されるわけです。そして彼らが勢いよく出てきた先が、あの回想シーンの場所。そして須嵜があの物憂げな表情をする場所なのですが、ちょっと待って?つまり、先ほどの回想シーンは僅か数分前の出来事だったってこと?なんで映画開始早々に数分前をわざわざ回想してるのーーー???となりますよね?でも大丈夫です。これはハイローなのです。細かいことは気にせずに映えを優先するハイローが我々のもとに帰って来たのですよ?そんな小さいことなんかより、須嵜のあの何とも言えない物憂げな表情を楽しみましょうよ。憂いと迷いを秘めたあの表情。もしかしたら我々の知らないところで須嵜はタイムリープを何度も繰り返し、ラスト付近の天下井の暴挙を食い止めようとしていたのかもしれません。何度も何度もタイムリープを繰り返すが結果はいつもバッドエンド。(また公ちゃんを止められなかったな。次はナイフを素手でつかんでみようかな・・・)という流れでセーブポイントに戻ってきた、みたいな感じで回想シーンが繰り返されていたのかもしれません。そんなよくわからないバックストーリーを勝手に想像してしまいたくなるくらいに絵になるのが須嵜の良さ。天下井から貰った缶ジュースの空き缶を持ち帰り部屋で大事に飾っててる須嵜、実はこっそり運転免許を取得して親父抜きで二人だけの時間を作ろうとしている須嵜、なんていう妄想をしてしまうくらい、須嵜亮は最高なのです。

花岡楓士雄の急成長

個人的に、前作「HiGH&LOW THE WORST 」における花岡楓士雄の描き方には少し物足りなさを感じていたのですが、鬼邪高の絶対的な存在である村山がいまだ健在ななかで、全日最強の象徴である轟を差し置いて全日制の中心となり挑んだ鳳仙での喧嘩は圧倒された状態での痛み分け、タイマンでは上田佐智雄にも敗れてしまったわけで、楓士雄の人間的な魅力は十分に伝わりつつもバトルにおいては大きな実績は残せないままでした。そんな状況で迎えた今作、楓士雄はまさかの単独による鈴蘭殴り込みを仕掛け貫目の爆上げに成功します。高橋ヒロシ作品であるクローズ、ワースト作中において抗争による襲撃以外で他校に乗り込むケースは、かつての戸亜留市の4強の一つ黒焚連合の中島信助を含む1年生6人衆が鈴蘭最強の男坊屋春道とのタイマンのために赴いたエピソードや、鳳仙と並ぶ強豪・武装戦線の武田好誠が河内鉄生を伴って鈴蘭に乗り込んだエピソードなどごく稀で、作中においてはトップクラスの実力を持つ者にしか許されない特別な行動なのです。しかも「HiGH&LOW THE WORST」における単独殴り込みは上田佐智雄と花岡楓士雄のみ。敵方からも一目置かれる行動なのです。制作側が高橋ヒロシ作品における猛者の描き方に精通しているからこそできる格上げ演出といえます。また、前作でも見せた楓士雄の状況を利用(殴られた反動でその先の相手を蹴るなど)した臨機応変なファイトを鈴蘭でも余すところなく見せつけ、鈴蘭最強のラオウ一派にその名を刻むことにも成功。その足でひょっこり鳳仙にも顔を出す。こんな可愛げのある無茶が許される陽性のキャラは花岡楓士雄か山王連合会のヤマトくらいのものでしょう。ただ喧嘩を挑むのではなく友人を作る、仲間のために鳳仙を頼るなど今作では楓士雄というキャラクターが万人に好まれるような良い成長を遂げているのが感じられ、その描き方にもとても好感を持ちました。

名バトル楓士雄vs須嵜

今回、楓士雄はタイマンにおいては鎌高の氷室零二、そして今作の最強の敵、須嵜と戦いましたが、特に激戦となった須嵜戦において注目しておきたいのが体育館に到着するまでに肩で息をするほど疲弊した楓士雄と体力を温存し待ち受ける須嵜、有利なのは明らかにホーム側の須嵜なのですが、結果はアウェイ側の楓士雄の勝利となったことですね。勝負の分かれ目は二か所。一つは須嵜が楓士雄を体育館の角のコーナーに追い詰めたシーン。須嵜の格闘センスが光る名シーンなのですが、これは逆に言えば追い詰めたにもかかわらず疲弊した楓士雄を仕留めきれなかったシーンでもあるのですね。ここで楓士雄はフェイントを駆使して脱出したことで、勝負の流れは楓士雄に傾きます。そしてもう一つがクロスカウンターのシーン。今作では司、須嵜、楓士雄がクロスカウンターを繰り出すのですが、成功したのは楓士雄のみです。しかも楓士雄はパンチを受けた方向に顔をそらしてダメージを受け流すボクシングの高等技術「スリッピング・アウェー」を披露して須嵜のカウンターを迎撃しました。つまり楓士雄は一か八かの大技ではなく、技術に裏打ちされた決め技としてクロスカウンターを放ったわけなのです。敵地であることに加え疲労度も考慮すると、明らかに楓士雄の完勝であったと言えるでしょう。逆に素材としては最強クラスと言っても良い須嵜ですが、司や楓士雄とのタイマンにおいて前半は圧倒しつつも後半はスタミナの消耗による動きの低下がみられましたし、最終的にはつかみ合いの泥仕合になりました。また司の執念深さに動揺し棒立ちになってしまうシーンもあり、メンタル面での課題も感じられます。思うに須嵜が天下井に付き従って戦ってきた相手の中に司や楓士雄レベルの猛者が居なかったのではないでしょうか。楓士雄が須嵜の思いを汲んでタイマンを受けることによって度量と経験則の差を見せてキッチリと勝つ。不良バトル作品のお手本のような最高のバトルでした。

轟に関して

前作で仲間と居場所が出来、今作では釣り仲間もゲットした轟ですが、Twitter上で弱体化の話がちらほらと目にしました。恐らく轟が須嵜に簡単にあしらわれたことを指しているのだと思いますが、その直前に行われた風神・雷神とのリターンマッチ後の姿を見れば、それが激戦であったことは伝わりますし、そんな状態で大将である楓士雄をガードしながら敵地で戦えば体力の消耗はかなりのものでしょう。実際、体育館に到着した際には轟だけでなくあの楓士雄や小田嶋ですら肩で息をしていたわけなのですから、そんな状態で須嵜レベルの相手に大技で飛び込んでも簡単に避けられてしまうのは仕方のないことではないでしょうし、そう考えると特に弱体化したわけではないと私は思います。あと、体育館でタイマンをする相手が居なくて一人余ってしまった結果、雨宮のお兄ちゃんみたいな流れでザコ集団と戦うシーンが個人的にはここが最高に好きで、仲間が出来て温厚になった轟も良かったのですが、群れて粋がるだけの不良たちへ復讐するために定時性ではなく全日制にウッカリ転校した三輪車とあだ名をつけられて大爆発していた頃を思い出し、感無量になりました。本当に轟は最高ですよね。

おわりに

今作には沢山のオマージュがあったように思います。楓士雄に送られた佐智雄の手紙は九能龍信に送られたテルからの手紙のオマージュではないかと思いますし、また、トップに付き従う最強のナンバー2とラストにおける相手チーム敗北後にあえてタイマンが行われる流れを考えると、今回のストーリーは高橋ヒロシの「クローズ」におけるP・A・D(パルコ・アンド・デンジャラーズ)vsスネイクヘッズ編のオマージュではないでしょうか。更に、天下井と須嵜の関係性はスネイクヘッズの陣内公平と真弓鉄次を下敷きとしてHiGH&LOW THE MOVIEの琥珀と九十九の関係性をも取り込んでいるようにも思えます。陣内公平と真弓鉄次、琥珀と九十九の物語をクロスさせつつも、それらの物語とは全く違う結末に昇華させたのではないでしょうか。また、鬼邪高と鳳仙と絶望団地を絡めた前作に比べて、連合vs鬼邪をメインにしてすっきりとした構成にしたのは非常に良かったのではないでしょうか。風神・雷神戦後の轟が「次は直接来い」と言ったように、回りくどいことはせずにストレートに描いたことが今作の良さだと思います。まだまだ言いたいことは山ほどあって、須嵜と天下井のそれぞれの過去の考察、付き合いで連合に入ったけど既にウンザリしてる鮫岡のかったるそうなのに切れ味は鋭いネリチャギ、俺が勝ったら連合から抜けろと轟から言われ「それはちょっと・・・」と義理堅く動揺してしまう根はカワイイ風神と雷神、風貌と名前と逃げっぷり(そして罠にハメたあとの笑顔)だけでもう100点満点のガンジー、デカいメリケンサックに布を巻いてるけどどう考えても手になんか握っているのがバレバレなのがちょっとカワイイ氷室、タイマンに負けたのに普通にその後のバトルにも参加して瓶を投げてくる氷室、サボテンとガンジーと車を押す氷室、中岡を助けようとする中越の飛びっぷりを見て俺の頭の中に九十九さんを助けるときの琥珀さんのジャンプシーンがフラッシュバックしてしまったこと、焼きそばを頬張りながら喋る泰史の口の横から垂れたままの焼きそば、入院した清史の丁寧な口調と神妙な態度、絶対に顔だけは見せない看護婦、瀬ノ門工業高校の名もなき不良が見せる謎の不良捕縛術とその真っ赤なロープ、増援に来た高校の中にいる妙でデカい金属バットを持った明らかに高校生ではない巨漢の人、楓士雄とラオウのノリに付き合わされて同じポーズを決めさせられる佐智雄、司が食べてるのであの焼きそばは安全、なぜか突然我々に問いかけだす謎の楓士雄問答など、どれもこれも最高なのですが、もうおじいちゃんなので眠くなってきたのでとりあえずここで終わります。何度でも見たいと思える素晴らしい作品でした。次回作があることを期待したいですね。おしまい。




しかし、あなたならどうする?ってなに?本当に、あのモノローグ一体なんなの???????????????????????

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