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ファッションとの会話『Show Room 2019aw』

博多のart space tetraさんで4月11日(木)から4月14日(日)まで、福岡を拠点にする3つのファッションブランドの受注会、展示、リメイク商品等の即売会などを行うイベント『Show Room 2019aw』が開催されています。

本イベントは個性豊かな服の作品を自由に見たり着たりできるイベントとなっていて、参加しているブランド/デザイナーはそれぞれ服飾の学校にて馴染みのある「ANNA1993」の野口アンナさん、「HINOMIHO」の日野美穂さん、「GENKOTSU CREATE」さんのお三方。

会場では魅力的な作品がところ狭しと飾られていて、豪華なクローゼットに入ったような雰囲気になっていました。

三菱地所アルティアムさんでみたアーティストにインスピレーションを得た後、以前から好きだった雑誌作りや服飾を掛け合わせて独自の世界観を作り出している「ANNA1993」の野口アンナさん。特殊な製法で一点一点違う染め方になったという紫の小物だったり、細い線で描いた味のあるイラストなど、毒々しさがありながらもそのポップさに可愛らしさのある作品だと感じました。

福岡・広川で映像や音楽とファッションを掛け合わせたアート活動なども行われている「HINOMIHO」の日野美穂さん。自然がテーマの作品を作られているだけあって、見たときは昼のあたたかい光によって作品が光合成しているようで、一段と魅力的に見えました。陽に当たっている板がいい感じです。

気鋭のニュースマガジン『NOUVERTEmagazine』さん、『EYESCREAM』さんでも作品が紹介されるなど、躍進を続けている「GENKOTSU CREATE」さん。ニュースサイトで作風などは拝見はしていたのですが、実物はまた違ったスタイリッシュさがありとてもかっこよかったです。後ろに貼ってあった渇いた地帯の中に刺激的な服が立つことで化学反応が起こりそうな写真がすごくよかったです。

イベントは作り手のデザイナーの方々と至近距離で一緒に作品を見ていける展示会だけあって、デザイナーの方を通訳としてお客さんはファッションと会話しているような面白みがある展示の印象を受けました。

例えば解説いただいた野口アンナさんの作品には、たびたび「リサイクル」というワードが出てくるのですが、その素となる素材は使い終わった布切れだったり、近所からもらったものまであると教わり、この方はこんなところから誕生したのかという驚きや感動などなど。

自分や誰かが着て魅力を教えてくれるのがぼくの個性豊かな服の普段の楽しみ方というイメージでしたが、今回の服の見方は中が空洞でもまた違う(もしくはさらに)エッセンスがたくさん含まれていて、すごく服飾というものの深い魅力を楽しめた感じを覚えています。

博多の地で、3つのファッションの世界観が直に体感できるイベント。明日、13日(土)には福岡・広川でデザイン活動を行われている彌永裕子さんとのトークセッションもあるとのことで、興味のある方はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

(大坪 磨亜久)

【Show Room 2019aw】
会期:4月11日(木)- 14日(日)
時間:11:00 - 20:00
場所:art space tetra
(福岡市博多区須崎町2-15)