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【思い出】今年で最後『NORTH TENJIN PICNICS』に行ってきました。

2018年10月28日、日曜日。

ぼくは北天神の須崎公園で開催された「NORTH TENJIN PICNICS」に行ってきました。

天神の中央街から少し北に離れ、近くには海岸、周りには緑が生い茂っていて、大きな噴水が目印の須崎公園。そこで毎年秋に開かれるピクニックイベントが「NORTH TENJIN PICNICS」です。

このイベントは2014年から開催されている秋の福岡の恒例イベントで、手軽にピクニックをコンセプトとしているだけに、無料で貸し出されるレジャーシートを敷いて、美味しい食べ物や雑貨を眺め、野外劇場では音楽まで楽しめるという、肌寒くなりはじめた季節にチルできるような、子どもから大人までみんなで楽しめるイベントです。

しかし、そんな最高のピクニックも今年で幕を閉じることに。

それは須崎公園近くの再開発事業の関係で、移設や再整備が行われて今の場所は閉園となり、環境が整った今のロケーションは幕を閉じてしまうから。

けれども、今までみんなに愛されてきた最高なイベント「NORTH TENJIN PICNICS」は、しんみりなどは微塵も感じさせないほどのクロージングにふさわしい、感動の瞬間を目の当たりにしました。

最後の集大成にふさわしく、福岡の名店やアーティスト、そして街の人々が一挙に集って一つを作り上げたピクニックイベント。撮り収めた写真と共に、ここに記録したいと思います。

今年で最後のピクニックイベントとなる特別な今日は、最近続いているぐずつく雨雲とは打って変わって天候も機嫌が良く、青空の下はじまることとなりました。

ぼくは日曜は遅くに起床する方なんですが、この日はいつもより早くアラームをセットして出発。そのお目当はこちらのお品。

先着300名までにプレゼントされるオリジナルのトートバッグで、ぼくは11時くらいにいただけたのですが早起きした甲斐がありました。このイケてるバッグ、モノクロの写真をよく見てみると昔の須崎公園がプリントされているもので、蛍光色の緑色の文字とあいまっていい味が出ています。

その後、散歩がてら公園をうろうろしているとお客さんの数もだんだんと増えて、賑わいを見せてきました。今日は本当に空気も澄んでいて、いい具合に風が吹いている心地よい日より。雑貨屋さんで売られていたシャボン玉が子どもたちによって飛ばされていた景色も雰囲気が出ていました。

お昼頃になるとカレー屋さん、パスタ屋さん、ピザ屋さんのもくもくと共に美味しそうな香りが増してきました。福岡の名店が密集している今日だけあって、どのお店も美味そうに見えたんですが、ぼくの今日のランチはおにぎり一択。

モバイル屋台でおにぎりを販売している「おむすびひばり」さんです。料理家のご主人と陶芸作家の奥さんで切り盛りされているおにぎり屋さんで、寝かせ玄米の赤いお米がきれいに並んでいます。ぼくは福岡のローカル番組で拝見して以来、気になっていたおにぎり屋さんで、出店リストを見た時からここと決めていました。

ぼくはその中でも特に美味しそうだった名物の焼さばと大葉みそをチョイス。小さなおにぎりの中に和食料理がぎゅっと込められているような感じで、しっかりとした旨味のある魚とお味噌を味わうことができて美味しかったです。

そして午後からは、お店を詳しく散策。今年はフィナーレを記念して昨年よりも出店数が多くなっているとのことで、面白そうなお店がかなり目に入りました。今ぼくは雰囲気のある小物を集めることがハマっていることなんですが、そんな人にはたまらないものがたくさん。

おしゃれなステッカー、ガチャガチャで出てくるアクセサリー、 アンティークの食器だったり、サンプル品の洋服が売られているお店などなど。お皿のワークショップをしている「HEY&Ho.」さんでは、その豊富なシールが飾られている見た目とお皿に貼り付ける面白さから特に人気を博していました。

動物好きとしてはこちらの「犬の一日」さんも気になりました。犬の国産無添加おやつの専門店で、今日はワゴン車とともにおやつや衣装といった犬グッズを持ってこられていました。「Supreme」の服を着ているイケてる犬や、ひときわ目立つ背丈の大きな犬なども近くに見かけて、犬はいつもと違うこの雰囲気は面白いのだろうかと思いました。

そういったお店のほかにも、6人のアーティストレーベル「Henry&Mathew」さんの手づくり感が際立つ可愛いらしいフォトフレームがあったり、アーチになっている旗、木々に備え付けられた木製の小さなお家など、一見気付かなそうな細部に至るまでピクニック感を演出しているのも、公園なのに山岳地にいるような気持ちにさせてくれていいなと思いました。

そんな会場の雰囲気に見惚れて写真を収めていると、劇場広場の方ではチルな音楽が。

ウクレレを片手にゆったりとしたムードを作り出しているのは「まるやまももこ」さん。嘉麻市出身、在住のウクレレ弾語りのアーティストで、カフェやイベントなどでライブを行われてご活躍されている方です。

13時から14時のランチ後の、ちょうどいい時刻。軽快な音楽とともに、時おり挟むフリートークで劇場を和ませていらっしゃいました。

「まるやまももこ」さんの歌が終わる15時頃には秋の夜長で、この季節になると日も沈みはじめて冷気がやってきます。しかし、そんなことはつゆ知らず。段々と増えてくるお客さんと会場のバイブスを高めるのが我らが九州の音楽集団「九州ロッカーズ」さん。

秋の哀愁を吹き飛ばすように、 リハーサルでは今までのチルな雰囲気と違って、ファンクの音楽を鳴り響かせ、「HEY&Ho.」さんの店主でもあるMCの方のマイクパフォーマンスで場が盛り上がりはじめます。"みんなのうた"などとは程遠い雰囲気が出ているのですが、始める直前には子どもたちも壇上に上がりはじめ、いい意味でみんなでクレイジーさが作れてきました。

「九州ロッカーズ」さんは本当は11人構成のバンドらしいのですが、始まれば何のこと、集まったメンバーで会場をこれでもかと言うほど熱気の渦に。MCの方は無料で観に来ているお客さんを"万引き家族"と煽り、会場には笑いが起きます。

子どもたちは体育座りして熱心に耳を傾けます。時には木の棒でのサポートや、もらった楽器で一緒にセッションも。

「九州ロッカーズ」さんはメロディアスな楽曲も持ち合わせているのですが、それでも場が静まらないように楽しく歌いあげます。音楽が終われば子どもたちとハイタッチ。

ラストにもなると、もちろんアンコールが鳴り止まなくなります。子どもたちに質問して、いま大人気のDA PUMPの「U.S.A」がリクエストされるのですが、最後はまったく違う音楽が流れます。MCの方のダンスがいい味が出ていました。

そして最後は本当にこれが最後の「NORTH TENJIN PICNICS」を締めくくるようにも感じられた、九州ロッカーズのみなさんでカーテンコールがなされて、イベントは幕を閉じることとなりました。

1951年に開設された須崎公園で、2014年からはじまった最高のピクニックイベント「NORTH TENJIN PICNICS」。終わった今でもまだ余韻は残っていて、この貴重な瞬間に立ち会えて思い出深いものとなりました。これで最後となってしまった今では少し寂しさも感じますが、公園がなくなってしまってもこのエリア近くを通るときはにやりとできるような、楽しい思い出が出来ました。

感謝です。そして須崎公園、お疲れさまでした。

(大坪 磨亜久)

【NORTH TENJIN PICNICS】
期日:2018.10.29.SUN
会場:須崎公園
(福岡市中央区天神5丁目2)
時間:10:00-16:00
入場無料