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【フォトレポート】Diversity in Pulze

土曜の夜、ポツポツと。雨が降っているのか止んでいるのか分からないまま、ぼくは傘を持って天神の西通りを歩いていたと思う。その日の当日は、特別な場所で、ずっと聴いていた最高な二人に会えた日。好きな100%のオレンジジュースと、はじめてみた電子タバコの煙りとともに。

福岡・天神のPulze福岡さんでは、8月24日(土)に音楽イベント『Diversity in Pulze』が開催されていた。

本イベントは福岡の人気コーヒーショップのmanucoffeeさんと、天神西通りにある電子タバコのPulzeストアさんの共同企画となっていたもので、粋なエントランスフリーの音楽イベント。

参加アーティストの2人はともに福岡出身、ZINE制作や動画撮影などもマルチに活動されているビートメーカーのlee(asano+ryuhei)さんと、チルなベッドルーム・ヒップホップで人気を博し、昨年には自らが立ち上げたレーベル<Woodlands Circle>から2ndアルバム「KINŌ」を発表するなど、活躍を続けるラッパーのmaco maretsさん。

フリーのライブ、フリーの電子タバコ、フリーのドリンクで憂鬱な雨続きの日夜を極上なスモーキーの夜に変えた2時間。収めた写真とともに、ムードを感じとってほしい。

まずはMF Doomを彷彿とさせるファンタスティック・フォーのDr.ドゥームの仮面でお馴染みのlee(asano+ryuhei)さん。はじまりは映画「菊次郎の夏」内の北野武のサンプリングで会場をゆらす。裸足でステージに立つスタイルが素敵だった。

時にはマイクを持ちフリースタイルをかます場面も。"フリーの酒、タバコ、全部体に悪いこと大好き"と会場を盛り上げる。

黒いビートがムーディーに流れる中、そろそろ後半に入ると思っていると、単車のコール音が爆音で鳴りだす。コードの長いマイクを片手に、lee(asano+ryuhei)さんは威勢よく飛び出し、気持ちいいぐらいの「悪い言葉」のパフォーマンスで、会場をさらに熱気の渦に変える。

次にシンセサイザーとともに準備で出てきたのはチルなラップでお馴染みのmaco maretsさん。福岡のヒップホップカルチャーと言えばの「OILWORKS」さんの服を着こなし、彼が時おり人と微笑む顔とぼくらのわくわくが混じり合う時間だった。

シンセサイザーで声を高く変えて、ステージの前に。最初の歌を歌う。息をのむ瞬間。

選曲は最新のアルバム「KINŌ」をメインに、Amazing Seasonを歌うところ。場外の暗い雨とも重なり、チルが心の奥底によく届く。

Eyepatchの場面。歌詞と重ねるようにパフォーマンスをしていた。

折り返しごろになると、maco maretsさんがぼくらオーディエンスに挨拶する場面も。福岡出身だということ、共演のlee(asano+ryuhei)さんは学生時代によく聞いていたこと、またさらに新たな3rdアルバムを作っていることなどを明かし、ぼくら福岡の街の人々と距離をさらに縮める。

新曲の後、最後は夏の終わりに相応しい、Summerluck。イントロが掛かっただけで待ってましたのごとく会場は盛り上がり、彼の歌声が聞こえだすころには極上のムードが出ていた。

maco maretsさんのライブが終わった後は、lee(asano+ryuhei)さんが再び締めでステージに立ちTOKiMONSTAのSteal Promisesが印象的に流れているなか、ぼくは会場を後にした。

長い袖と傘とともに。夏もそろそろ終わる。もしかしたらもう終わっているのかもしれないけれど、今年の夏はハッピーだったような気がする。

『Diversity in Pulze』
期間:2019年8月24日(土)
場所:Pulze福岡
(福岡県福岡市中央区天神2丁目4-18)
時間:19:00 - 21:00
Live:lee(asano+ryuhei)、maco marets