ジョーク、気遣い、ちょっとした日々の佇まい。意識して行うことよりも、無意識下での行動の方が結果的に他者からみてみれば良い行いになるということもある。アートもまた同じように。

佐賀の岡田三郎助アトリエさんで5月17日（金）から5月19日（日）まで、抽象画家ShizukiKagawaさんの作品展『せつなさがやってきたのでたくさんの乾杯をしましょう』が開催されている。

本イベントは抽象画家のShizukiKagawaさんがこれまでウェブ上で公開していたものを、一筆一筆のタッチや絵の具の置き方など、直でみた原画でしか味わえない魅力を楽しんでもらいたいという想いから開催されているもの。

佐賀出身のアーティストShizukiKagawaさんの活動のはじまりは、2015年。それまでは東京や大阪などでグループ展として定期的に開催してきたとのことだが、今回の個展は自身の初となる個展となるのだそう。

悲しげで薄暗い色や、あたたかくてぼんやりした色。会場ではまるで夢の中にいるように淡い色が視界にたくさん入ったが、色の選択の理由を聞くとあえてスモーキーな色が好きで使っていると仰っていた。自分の世界観が表現できる、原色ではない混ざった色と。偶然、会場を取り囲む壁の色もまた緑色ではないエメラルドグリーンとなっていて、空間も自分の色とピッタリだったという。

"無意識を大事にしていて、意識が入ってきたらおしまい。"ShizukiKagawaさんが作品を作る上では、そういった筆の進め方をこころがけているというのが印象的だった。

人に見えたり、動物に見えたり、見覚えのある「何か」に見えたり。どこからともなくやってきたアートたちは、両者の無の意識がぶつかることによって魅力となる。

（大坪 磨亜久）

【せつなさがやってきたのでたくさんの乾杯をしましょう】
期間：2019年5月17日（金）～5月19日（日）
場所：岡田三郎助アトリエ
(佐賀市城内1-15-23）
営業時間：
17日（金）12:00～18:00
18日（土）10:00～18:00
19日（日）10:00～16:00
料金：入場無料