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恐竜時代の終焉。ポエトリーリーディング感想

昨日、22時からツイキャスで詩を読んできました。3on3のポエトリースラム「ジュラ詩ック・パーク」。
3回勝ち抜きで殿堂入りし、さらに上位の大会があるとのこと。
友人、先輩を誘って組んだ「召しませ!カルボナーガおにぎり」という訳のわからんチームで参加しておりました。
6月、9月と勝利し、迎えた昨日が3回目。
ところが相手は3人全員が日本代表経験のある「メメドードーズ」さん。

ラスボスが過ぎます。

それでも急に出てきた俺たちがスラムオールスターズみたいな人たちに勝つのも面白いじゃん!?と思って、ぶつかってきました。
結果、1勝2敗で、敗退。
私は観客票も僅差、審査員も悩んだと言われましたが、全部の票を取られて敗退。悔しい、悔しいですが、大将戦は相手の川原寝太郎さんが面白過ぎたので文句のつけようがありません。

メメドードーズの御三方はきっと殿堂入りされるでしょう。その時、おにぎりの奴らが一番強敵だったと言ってもらえれば嬉しいです。

新参の我々でも票を入れていただき、ここまで楽しめる素晴らしい機会を作ってくださった運営の皆様、ありがとうございました

しばくん、みそのみそさん、急な誘いに応えて一緒に戦っていただき、ありがとうございました。
まさかこんな大変なことになるとは思っていなかったと思います。毎回このためだけに書き下ろしていただきありがとうございました。
再結成はあるのかわかりませんが、また詩を読む場には誘わせてください。

1:12:50くらいから出ています。よければお聞きください。
以下、読んだ本文。

2022年異世界にいた

【読】
2007年高校1年生はどこへも行けなかった
真っ赤になった顔を
抱えた膝に埋めて隠した
音楽の授業、大勢の前で自作の詩と曲
歌い始めた途端、クスクスと聞こえた
声が震えて調子が外れてサビに行く前に
「ここまでにします」

片道自転車1時間と
9時間の学校を繰り返すだけの
田舎に事件はない

同い年の高校球児がテレビの向こうで活躍していた
野球は小学生でやめた
帰り道でだけ歌う歌は誰にも届かなかった

山から吹きおろす風と笑い声が冷たかった


2014年社会人1年生はどこへも行けなかった

「タラタラしてんじゃねえよ!」
歩いていると上司から叱られた
「喋り方が気持ち悪いんだよ!」
口が開けなくなった
「お前に任せるんじゃなかったわ!」
キーボードは投げられると一つ一つのキーが震えて大きい音がすることを知って
静かに震えた
片道徒歩15分と16時間労働を繰り返すだけの
東京には事件がある
俺と関係ないところで
昨日脱法ドラッグを吸引した車が突っ込んだ帰り道のカラオケ店の脇に花束が置いてある
その時間も残念ながら働いていた
飛び出した深夜2時
「同情するなら轢いてくれ」
最近は死ぬと異世界に行けるらしい

同い年のプロ野球選手が日本代表に選ばれたニュースを見た
野球も歌もどこかへ行く時間もなかった

俺を照らす光も避ける光も冷たかった


2022年異世界にいた
流行りのウィルスに侵され
寝込んだベッドで操作していたスマートフォン
気付いたら異世界

出会ったことのない種類の人たちが、
話す言葉は日本語なのに、
変わった名前をして、
真意の分からない言葉を
紡いでいた

東京では頻繁に異世界への扉が開かれていた
インターネットの中にも
何もないと思っていた田舎にも扉はあった
全国で、世界で異世界への扉が開かれている
フランスとベルギーには各地の強者が集まるらしい

2022年行きついた異世界の名前は詩世界
ポエトリーリーディング
ポエトリースラム

危険は侵さずとも事件は起こせる
死んで行くものだと思っていた異世界
でも本当は
知らない世界の扉はすぐ隣にあって、
少しの勇気で行けるんだ

同い年のプロ野球選手が戦力外通告を受けた
俺は草野球チームのエースで最多勝を挙げた
書いた詩を高校生が歌ってくれた
今はサビまで歌える、どこへでも行ける、届けられる

【歌】
死んだ後に何ができる
生きてるうちにやればできる
そんな程度じゃ満たされないなら
どこであれど、そこがGate

死んだ後に何ができる
生きてるうちにやればできる
やっぱりSmartにいかないから
いつだろうと、Restart


聴こえる拍手は温かかった。

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