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フレスコボールブラジル選手権2018

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落合真彩インタビューは下記からご覧ください。
日本代表の芝卓史さんが2018年12月のブラジル渡航前にインタビューしてくれたものです。↓↓↓

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2018年のフレスコボールブラジル選手権が終わりました。


1年間、目標にしてきた大会。

結果は、
女子で3位
ミックスで5位
のダブル入賞でした。

フレスコボール界にとって、歴史的なことだと言ってもらえました。

このトロフィーとメダルがブラジル国外に出ること自体が初めてだからです。

この結果にたどり着くまでに、いろんなことがありました。

今の気持ちを少し書いてみようと思います。



ブラジル出発前に芝さんがしてくれたインタビューのなかでも語っていますが、私が今年ブラジルに行くと決めたのは昨年末。


昨年行ったメンバーを見て感じた悔しさが、原動力になっていました。



ブラジルに行くために必要なのは日本代表になること。まずは、日本の大会で結果を出して切符をつかむことだけ考えました。

結果的に、前半戦で日本代表が確定。

特に、女子ペアの日本代表は今年が初代。
この辺りから、単純に自分がブラジルに行きたいという気持ちに加えて、代表として行くことでフレスコボール界に何か貢献したい、今自分がやらなきゃ誰がやるんだという使命感も芽生えていました。


本当に毎週フレスコボールをしていたので、この前「私が最後にフレスコしなかった週はいつなんだろう」とふと思って。

調べてみて、衝撃を受けました。

昨年の12月頭、でした。


つまり、ブラジルストレスを感じた日から丸1年間、毎週ラケットを握っていたということ。それも、9割が土日祝、全稼働。

まだ逗子などの拠点ができきる前で、仲間も今ほど多くなかったけど、とにかくやり続けました。


ただ私はみんなに比べて練習量が多いとか、みんなよりもがんばっているという意識はまったくなかったです。基本的には楽しくやってきたし、むしろ、みんなの姿に刺激を受けて、がんばろうと思わせてもらっていました。


「ブラジルに行くことは1年前に決めていた」と、いろんな人に言ってきたけど、そこまでの熱量を周りに感じさせていたかというと、そうでもなかったかもしれません。


だけど、1年間、1週も休んでいない。この事実が、何よりもそれを証明してるじゃんって。


「自分は今年にこんなに懸けてたんだ」って、そのときに初めて実感して、涙が出そうになりました。


そんな想いで迎えた初めてのブラジル。


自分たちの力がどのくらい通用するのかという怖さもありましたが、初日にブラジル人と打ったときに、「よし、やってきたことは間違ってない」と思えた。それが大きかったと思います。


ミックスは直前に出ることが決まったので、今回大きく力を入れてきたのはあやっぺさんと組ませてもらった女子ペア。


これまで1度もペアを組んだことはなかったけど、去年今年と本当にたくさん一緒に練習して、お互いに成長してきた、信頼できる相手です。



ブラジル選手権は日本とは違い、予選と決勝があります。女子は大会2日目に予選、3日目に決勝というスケジュール。

予選を突破できなければ、入賞もできないし、次の日にプレーすることもできない。だからこそ。

明日もこの仲間と試合がしたい。そんな、甲子園で戦う高校球児のような気持ちになりました。


その想いがあったからか、予選は緊張。でもその度合いは、日本の大会の数分の一でしかなかったです。

追われる立場でいる日本よりも、挑戦者として臨めるブラジルは、大舞台とはいえ何倍も楽にコートに立てました。


あやっぺさんの落ち着きにも助けられ、予選は無事通過。予想外にトップ通過できたことよりも、次の日も一緒に出られることがうれしかった。

決勝は、予選よりも緊張しないという、私としては異常事態。それが逆に、良くなかったかな…プレーは満足できるものではなく、順位も3位になりました。

正直なところ、決勝を前に、あやっぺさんの心身は限界を迎えつつありました。それでも、この決勝が終わればもうなんでもいいと、鞭打って練習していたんです。


今年は、入賞を目指してやってきていたので、3位入賞は立派な目標達成。

でも、優勝に手がかかったところで、引き寄せきれなかった。自分の力で、導ききれなかった。そこは悔しさがあります。


だけど終わったあと、周りから、すごくニコニコしながら打っていたと言われて。いろんなハードルがあったけど、本番を楽しめて、本当によかった…


この舞台で女子とミックス、それぞれ2回プレーさせてもらいました。


そうなれたのは自分の努力もあるかもしれないけど、やっぱり、フレスコボールはペア競技です。


ペアがいて、全力を尽くしてくれて、それに応えようと全力を尽くすからこそ、結果を出せる。私一人がすごいんじゃないです。


ペアと気持ちを合わせて、ブラジルの地で一番長く、しかもみんなの期待を一身に背負って、プレーできた。それは、とてもぜいたくな時間でした。





ここにいたるまでのいくつかの決断。


決してすべての人に賛同されるものではなかったと思います。反感を買うこともきっとあったし、自分勝手だと思う人もいたかもしれません。


そう思う人がいても仕方ない。それでも実現させて、歴史をつくりたい。そのくらい覚悟を決めてこだわったのが、今年でした。すべてを美談にできるはずがないことは、承知の上。


でも。
日本チーム最後の出場となった女子決勝の場面。

それぞれの思いを抱えた代表メンバーたちが、みんな声を出して盛り上げてくれました。ライブ配信や、メッセージで、日本からもたくさん応援していただきました。


うれしかった。


前横浜DeNAベイスターズ社長の池田純さんの本『しがみつかない理由』に、こんな言葉があります。


「お前のことは嫌いだったけど、みごとだったぞ」


好ましく思われていない相手からも認められ、「あっぱれ」を贈られるような、圧倒的な努力と成果。

フレスコボール選手として世界に名を刻むことで、少しそこに近づけたかなと思っています。


自分たちが選んだ道を正解にすると決めて、信じてやってきてよかった。


私の今後のフレスコボール人生がどうなっていくのか、自分でも何もわかりません。ただ、ここで得た経験は生かさないと意味がないと思うので、何らかの形で還元していければ。


一緒に戦ってくれた代表メンバー。一緒に乗り越えてくれたペア。本当にありがとうございました。



目一杯満喫したブラジル観光のことや、トラブル続きで毎日ホテルのフロントに通いつめたこと(笑)、日焼けのやばさ、ブラジル人との交流などについても書きたかったですが、長くなるのでここまで。

興味のある方はTwitterで、「#ブラジル遠征」と検索してみてください。いろいろ見つかります。笑



ここまで長文を読んでくれた方、ありがとうございました。よければ今後も、応援よろしくお願いします。


ブラジル、また行きたいです。

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