世界で、地方で、SNSで。人生を変えてくれたフレスコボールのためにできること――芝卓史さんインタビュー

2017~2018年、2019年4月現在まで、日本ランキング1位の芝卓史さん。2018年12月にはブラジル選手権で3位入賞(男子一般の部)。2019年2月に福岡に移住しながらも、3月のオオモリカップで優勝しているトッププレーヤーです。

選手としての実績だけでなく、普及活動としても福岡のフレスコボールクラブ設立に携わったり、採点アプリをプログラミング未経験から開発したり、幅広く活動しています。

名実ともに日本を代表するフレスコボーラー芝さんに、やっと個人インタビューできました(最初のペアインタビューはこちら)。ぜひお楽しみください!

フレスコボール福岡誕生の経緯

― 最初に、福岡にフレスコボールクラブができた経緯を教えてください。

芝 まず、家族で移住を考えて、福岡が候補にあがって、下見に行く前にインスタで「Field Workout H Studio」というスタジオでフレスコボールをしている投稿を見つけました。それで会いに行ったのがきっかけです。

2月に移住してからは、スタジオのインストラクターとクラブのコーチをさせてもらっています。

― 今は定期的に練習してるんですか?

芝 今は毎週日曜の14時半から日暮れまでやっています。逗子みたいにビーチ横にすぐ民家があるわけではないので、今はそんなに人目に触れてはないですが、スタジオに通う人が来てくれて、10人くらいで活動しています。

代表の濱司慎一さんがすごく動いてくださって、この前はTシャツを作ってくれたり、ネットを作ってくれたり、毎週の定期練習を仕切ってくれたり、熱量があって本当に助かってますね。

― これからどうしていこうと考えていますか?

芝 5月に福岡の大きな音楽フェスで体験会をさせてもらえることになっています。あとは、百道浜(ももちはま)っていう、東京でいうお台場みたいな人工ビーチでもやっていこうと思います。逗子とか関西みたいに、ローカルでもなんでも、早めにメディアを誘致したいですね。

「ブラジルを体現できるプレーヤー」とは

― 芝さんはフレスコ歴3年半ぐらいですが、目指しているところに、「日本で一番ブラジルを体現できるプレーヤーになること」「影響力を持つことで、フレスコボールの普及を促進させること」沖ケイタさんのインタビューで語っていました。それについて詳しく聞きたいです。

芝 まず選手としては、定量的な目標はスピードガンシステムの国際大会で入賞すること。ブラジル選手権もいいんですが、普及という観点で言うとワールドリーグのように、国旗が集まった方がメディアの注目も集まりやすいのかなと。

スピードガンは見てておもしろいのと、審判も定量的に判断してもらえるから、そこで勝てば確実に世界のレベルに近づけたことになると思います。

定性的な目標は、表現が難しいんですけど、関心とか感嘆よりも「感動させるプレー」をすることです。

― 「魅せる」というような?

芝 すごいなーで終わらせないプレーというか。感動までいくのって、迫力なのか、フォームの豪快さなのか、熱気なのかわからないけど。自分が一番感動したのはYouTubeのマルキーニョとニルトン(ともにブラジルトップ選手)のプレー。それを見るとレベルが違うなと思うし、史上最高のプレーな気がします。

― 「ブラジルを体現できるプレーヤー」っていう言葉の中にあるのは、そのプレーのイメージ?

芝 亮太(斉藤亮太:芝さんの最初のペア)とのペアインタビューでも言ったんですけど、「マルキーニョになる」って言う目標は今でも追っかけてます。ただ、今のイメージはフォアがマルセロ(ブラジルトップ選手)で、ディフェンスがマルキーニョですね。

― 芝さんのそのフレスコボール熱はどこから来るんですか?

芝 フレスコボールに出会ってから、本当に人生が変わったんですよ。出会う前は、父親を亡くしたりして、結構すさんでた時期もあったけど、前向きになれたっていうのもあるし、仕事もいつのまにか変わってたし。

窪島さん(日本フレスコボール協会会長)への感謝も大きくて、広めることに自分も力を貸したいなと思います。あと、家族を持てたっていうのは一番大きいですかね。

もちろん自分が上手くなりたいからというのもあるけど、競技者が増えないと盛り上がらないし、盛り上がらない中で上手くてもしょうがないし。まあでも、単純に自分がフレスコボールが好きっていうのも強いです。

― 好きなものを他の人にも知ってほしい。

芝 そこのバランスも難しいなと最近思ってますけどね。好きなものの魅力を信じるのも大事だけど、それを押し付けることはしたくない。自分がハマってるものって盲信的になりがちだけど、そうならないようにはしたいです。

当たり前を当たり前のように勝てるか

― これまでのフレスコ歴の中で、一番印象に残っていることは何ですか?

芝 いっぱいありますけど、1つ挙げるなら、2017年のジャパンオープンで3位だったことです。嬉しい記憶より悔しい記憶の方が残るタイプなのかな。

― 意外なところですね。その時は、何がどう悔しかったんですか?

芝 負けちゃいけない試合だったとは言わないけど……。優勝した倉茂嵐さん、準優勝の長ちゃんと橋詰さんペアでいうと、嵐さんと橋詰さんは自分たちより競技歴は短くて。

競技歴がどうこうではないけど、勝てないにしてももっとちゃんとしたプレーができなきゃいけなかったなっていう。全然納得はいかなかったです。

― 2017年は、芝斉藤ペアは「勝って当然」みたいなところはありましたよね。

芝 その当たり前を当たり前のように勝てるかっていうのが重要っていう。勝って当たり前の中でプレーするのも結構大変だからね。勝っても当たり前って思われるだけだし、負けるとね、なんかね……辛いんだよね。

― そうなんですよね……そうなんです。。

芝 だから、あの時の大トリは結構きつかったですね。前のペアもいいプレーするから、メンタル的にきつかった。

― プレッシャーへの耐性みたいなものはその後から強くなったんですかね。

芝 そうかもしれない。勝ちたいって思うよりは、最初に言ったように「感動させたい」っていう気持ちでやるようになってからは、適度な緊張になりました。勝ち負けの世界でもあるけど、あの時間はペアとの2人だけの時間で、それを見てる人がいるっていう感じ。

そこがフレスコボールのおもしろいところですよね。昨年のまっつんもそうだけど、自分が教えて、その人が入賞したりするのは結構自分のモチベーションになっています。そういう意味で、やっぱり倉茂はすごいなって思ってて。

2015~2016は藤元さんと組んでたけど、2017年は歴の短い嵐さんとチャレンジして、ちゃんと優勝して。勝ち負け以上にあれはかっこいいプレーだったなぁと思うし、今年はきんにくんと組んでる。そこはすごく尊敬しています。

活動の共通項は「普及につながること」と「自分の収益につながること」

― 選手以外の活動も聞きたいんですけど、まず「採点アプリ開発」は何でやろうと思ったんですか?

芝 採点競技なのに手軽に採点できないっていうのが、今後、普及の阻害要因になるなと思って。逗子のさかちゃんカップとか、地方や個人がもっと気軽にスマホで採点できればいいと思ったので、やっちゃおうかなと。

― 確かに、バランス点の計算とかややこしかったりしますもんね。

芝 ゆくゆくは同じ画面を2人で接続できるようにして、審判2人の合算で得点が出るようにできれば。あとはローカル用に配点や音をカスタマイズできたらいいなと思います。

― もう1つ、Twitterで見たんですが、「SNSスポンサー」って何ですか?

芝 意味合いとしては、自分のブログの収益の再投資と、ブロガーの関心を集められたらいいなっていう2つあります。

― 発信力のある人に注目してもらうっていうこと。

芝 そう。今後、フリーランスがどんどん増加していく中で、フリーランスって健康がすごく重要ですよね。だから体を動かす環境は絶対あった方が良い。それでいくとフレスコボールはブロガーとの相性もいいだろうなと。

だから、スポンサーになる代わりにフレスコボールの記事を書いてもらったり、Twitterで拡散してもらったり。その人のブログに、「しばろぐ」へのリンクを貼ってもらえるっていう個人的なメリットもあります。

― 芝さんは、選手以外の活動について、どういう基準で幅を広げているんですか?

芝 シンプルに、「普及につながること」と「自分の収益につながること」。それが重なっているかどうかです。

― Web広告やアフィリエイトの仕事をしているから、そことの掛け合わせですかね。みんな普及したくていろいろ活動するんですけど、芝さんって、みんなの目の行き届いてなかったところを打ってくみたいな感じが私はしてます。

芝 確かにこの2つはそうかもしれない。それはやっぱり自分のためにもなると思うからですね。100%普及のために活動できればいいけど、自分はそんなに尊い存在じゃない。

それに100%普及のためだけでやると、「こんなにやってるのに何で」みたいに独りよがりになっちゃうので。やりたいからやってるわけで、義務じゃないので、何割か自分に返ってくる方がいいと思います。

― 最後に、これから実現したいことを。

芝 1つは、福岡メンバーでの表彰台ですね。今年は厳しいかもしれないけど、早めに実現したいです。すごく伸びるとは思うので、伸ばせるように頑張ります。

あと、沖縄でペンションを経営したいなと思ってて、将来「フレスコボール沖縄オープン」みたいな大会ができればなって。

― 芝さんは、自分のやりたいことがまずあって、それをフレスコボールに寄せていくっていうイメージですか?

芝 いや、それで言うと今は全部フレスコボール基点ですね。フレスコボールが広がれば全部自分にも返ってくると思うので。

それと、自分が実現したいことじゃないけど、有沙の復帰かな。ブランクがあったにせよ上位メンバーに引けを取ってないし、やっぱり初代女王。

あと、強制はしないけど、子どもにもやってほしいなってのはありますよね。ラリーをめっちゃ見てるから、今のところ好きっぽいんですよ。芝家はフレスコボールめちゃくちゃすげーなっていう風になるのが実現したいことですね。

― 家族全員フレスコボーラーってすごいですね。楽しみにしてます!

次回のインタビューもお楽しみに!

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落合真彩

ライター・フレスコボール日本代表 2017~19年日本女子ランキング年間1位。ブラジル選手権3位入賞。年間最優秀選手(MVP)、最優秀ラリー賞受賞。 フリーランスでビジネス系のライターやってます。将来、人の心に届く本を必ず書きます。筑波大学卒業。

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