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フランチャイジーからの注目度高まる個人M&A|M&A BANK Vol.148

フランチャイズ加盟とはどう違う?

島袋
今日も「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」の著者であり、日本創生投資の代表である、三戸さんに来ていただいております!

個人的に気になっていることなんですが、僕は今もフランチャイズビジネス(FC)をやっていて、フランチャイズで加盟するのと、M&Aで買収するのって少し似ているんじゃないかと思っているんですが、三戸さんはそのあたりはどう思われますか?

三戸
それ、けっこう聞かれるんですよね。
この間もリクルートグループのアントレがやっていたFCのカンファレンスに登壇したんですけど、FCで独立したい人とサラリーマンで会社を買いたい人は似たような感じなので、私の公演の来場者数も多くて、同じ質問をいただきました。

フランチャイズとM&Aの違いは自由度だと思うんですよね。
FCはそれなりの看板と、マニュアルとか仕入れとか、「こういう感じでやってね」という決まりがある中でやるわけですよね。ある程度制約条件が出ると思います。
その点自分で会社を買う場合は、別に何の制約条件もありません。自分のやりたいようにやればいいですよね。
自分のやりたいことへの制約が変わってくると思います。

私自身やったことないのでわからないですが、FCとフランチャイザーの間で定義の違いとか制約のされ方の違いでいろんな揉め事があるのを見るじゃないですか。

サラリーマンで会社を買いたい場合は、「自分のやりたいようにいきたい」「リターンも欲しい」という思いがあるからやりたいんだと思います。

その自由度が100だとしたら、やっぱりFCはもう少しサラリーマン寄りというか、「雇われ感」があるかもしれませんね。
その分、FCの場合はもうすでにお客さんがいるとか、ブランドがあるとか、ある程度カバーされる部分があると思うんですけどね。

そのあたりの差かなと思います。金額的にはそんなに変わらないんじゃないですかね。


FCの難しいところ

島袋
FCビジネスは少し難しくなっていきそうですね。三戸さんみたいに個人M&Aを推奨される方々がいらっしゃって、「個人でも買えるんだ」と思うわけですから。

三戸
そうですね。
FCをディスってもしょうがないと思うんですけど、日本はけっこう成熟しちゃってるので、全国展開できるレベルの新しいビジネスってあまりできにくいんですよね。
アジアではコンビニとかスーパーとか飲食店だとかのFCビジネスが始まっていると思いますが、日本で新しいFCモデルで全国展開するのはなかなか難しいと思います。アッパーが決まっている状態ですからね。

その点で中小企業は大廃業時代で、引き継ぎ手がいない会社が何十万~何百万社とあるわけですし、それを買収するにしても、既にあった事業のオーナーがチェンジするだけなので、(フランチャイズの全国展開のような)難しい話とは違うわけですよね。
成熟している日本の中ですでにちゃんと回っている会社を買うだけで、それ以上のものすごい期待をしなければ、これまで通り運営していきましょうという話になりますから。

なので、零細企業の個人M&Aの方が可能性はあると思いますし、母数が多くなるんじゃないかなと思います。

島袋
なるほどなあ 確かにそうですね。

個人で事業を買おうと決めた場合はどういう点に注意すべきか、三戸さんにぜひ伺いたいなと思ったんですが、もうお時間になってしまいましたので、また次回伺いたいと思います。
次回もどうぞお楽しみに!


出演者

■三戸 政和:株式会社日本創生投資-代表取締役社長

日本最大級のベンチャーキャピタルにて国内外の投資先の経営に参画。その後、兵庫県議会議員を務める。2016年に中小企業向けの事業承継・事業再生専門の投資ファンドである日本創生投資を創業。ロンドンにて会社を立ち上げ、従業員へ事業を引き継いだ経験も。2018年、「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」を出版。

【株式会社日本創生投資とは】

「地方創生」「中小企業」「事業承継・事業再生」をキーワードに設立された投資ファンド。ベンチャーキャピタルやバイアウトファンド出身のメンバーで構成される。金融機関への借入返済がリスケ状態となり、事業価値が毀損している企業の抜本改革を得意とする。

■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役

シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。