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M&Aを検討中の方からのQ&A|M&A BANK Vol.211

M&Aを目指すなら、明らかにダメなことはしない。


島袋
次のご質問にいきましょう。「M&A前提で会社を作る場合、何に気をつけるべきですか」

冨岡
僕らだけじゃなく、M&A前提の会社や経営者、めっちゃ増えてますよね。
そういう時代なんでしょうね。

島袋
どう思います?

冨岡
気をつけるべきこと…
「デフォルトで死んでる」みたいなのはやめたほうがいいですよね。

島袋
どういうことですか?

冨岡
最初からもう無理ゲーみたいな…
わかりやすい例だと、ビジネスパートナーに反社会的組織の方々がいると、どんなに成功してもあとで行き詰まります。
そういう座組みでビジネスを始めちゃうと難しいですね。

法律とかでも、たとえば人材紹介のような許認可や免許が必要なジャンルで、(許認可・免許)なしでやっちゃうとか。
あるいは、それを取るとすごいコストがかかっちゃう事業をとりあえずない状態で始めて、うまくいったら取る、というやりかたをすると、専門人材を雇ってから全然利益が残らなくなってしまうかもしれません。


具体的に想定しておけば、無茶も防げる

冨岡
イグジット前提で考えているなら、その目標は1億でも10億でもいいんですが、その規模感・ステージになったときに必要なビジネスモデルと人材と数字を出しておくことが大事ですね。それを今から作れるか、どういう準備が必要になるか考えておく。

本来は売る予定がなくても考えなきゃいけないことですが、売る場合はよりそういうところを意識するべきですね。
あとは、売却しやすい事業としづらい事業がありますよね。最近はアフィリエイトメディアとかが苦しいじゃないですか。

島袋
苦しい、めちゃくちゃ売りに出てますよね。

冨岡
ダメではないけど、ガーッと下がっていっている領域にあえて飛び込むという自覚を持ってやった方がいいですね。

基本は、成長が見込める領域で、売却するタイミングも考えておく
現時点ではちょっと早いかもしれないけど、3年後にはこの領域が評価されるだろうなという領域を探すのはいいかもしれません。
今からタピオカ屋を開こうってなったら、よっぽと工夫ないときっともう厳しいじゃないですか。

島袋
タピオカミルクティー、もうだめですか?

冨岡
まあわからないですし、僕は好きなのでいいんですけど、
どうします?奥さんが「タピオカミルクティー屋開きたいから500万出資して」って言ってきたら。

島袋
貸付にしますね。

冨岡
(笑)そういうことなんだと思います。

島袋
あと僕が思うのは、売る前提でいるなら、買う人がいる(必要)ということですよね。
数年後に買うと言ってくれそうな人が具体的に見えていないときついですよね。
利益が出ているという理由だけでは買わないですから。

冨岡
バイネーム(名指し)でイメージできるくらいがいいでしょうね。「あの会社ならきっとこの事業を買ってくれそうだな」と。

たとえばパパ活とかそういう系だと、上場会社に売りたくても、領域的にグレーで難しかったりしますから、そういうミスマッチが起こらないように気をつけないといけないですね。

島袋
あと、僕が最近違和感を抱くのは、売却の実績がない人が「M&A前提で」と言っていると「は?知らねえだろ?」と思うんですよ。
そう思いません?

冨岡
島袋さんが「俺はやってるから」って言うとマウンティングになっちゃいますよ。
それは応援してあげましょう。

島袋
応援…
はい、全然いいと思います。


アーンアウト、3年で分割は普通か?

島袋
今回も視聴者の方からの質問回答編です!
譲渡代金についていくつか質問をいただいています。
まず1つ目、「譲渡代金についてアーンアウトで3年に渡る分割払いを打診されましたが、このような契約は一般的でしょうか?」

冨岡
率直に、長すぎますね。もちろんケースバイケースなのでいろいろなパターンがありますが、3年払いは相当だと思います。
売却代金がどのくらいなのかにもよりますが、もし1000万だったら、毎年300万ずつみたいな形になるので、もう給料以下じゃないですか。

島袋
そうですね(笑)ということは、一般的ではないですね。
売らない方がいいですよね。

冨岡
僕らもさすがにこれはしないですね。中堅・中小以下の案件なら、長くて2年。
詳しい金額はわかりませんが、やめておいたほうがいいんじゃないですか?


そもそも、アーンアウトにしないほうがいい

島袋
アーンアウトは、基本的にはやらない方がいいですよね。

冨岡
そうなんです。けっこう動画でアーンアウトのお話をしてきたので、付けるのが普通だと誤解を与えてしまったかもしれませんが、特に売り手目線に立った場合、譲渡代金が譲渡したタイミングで全額入金される方がいいですよね。
当たり前ですけど、キャッシュフローもいいし、確定するじゃないですか。
どう考えてもそちらの方がいいというのが大前提です。

ただ、どうしても買い手と売り手で金額面を中心に条件にギャップがあるときにアーンアウトを検討してもいい、ということです。

島袋
(譲渡した時点で)経営権は相手に移ってますからね。

冨岡
以前の動画でもお話ししたとおり、アーンアウトだと売り手がコントロールできないところも出てくるので、最初から考えることではないと思います。

島袋
ご質問への回答としては、一般的かと言うと一般的ではないし、基本的には避けましょうということですね。

冨岡
設定するとしても自分だけで考えるのはおすすめしません。
プロに相談した方がいいです。

島袋
そうですね。
ということで、そろそろお時間になりましたので、続きはまた次回とさせていただきます。
次回はM&Aの対価についていただいた質問にお答えしていきます。



出演者情報

■島袋直樹:M&A BANK株式会社-取締役会長
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡し、2018年3月よりM&A BANKの運営を開始。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。

■冨岡 大悟:M&A BANK株式会社-代表取締役/公認会計士
KPMG/あずさ監査法人のIPO部、フロンティア・マネジメント株式会社でのM&Aアドバイザー業務を経て、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後にTOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IdeaLink株式会社のCFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員も務める。

順次更新、島袋・冨岡の出演動画 一気見はこちらから
(M&A BANK YouTubeチャンネル)

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