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素直になれなかったあの日

さて、日が変わってしまいましたが、3月21日、春分の日でした。

この時期になると思い出すことがひとつ。父方の祖母のこと。父方の祖父母は大変にきっちりとした人たちで、泊まりに行ったときなど祖母が祖父のために三度の食事、十時と三時のおやつ、毎日の家事、全て几帳面にこなして過ごしていました。
当時はそんなものなのだなあとぼんやり見ていましたが今にして思うと、ものすごいことですね。

そんな祖母は彼岸になるとぼたもちを作りました。
もち米を蒸して搗き、小豆を煮てあんこに仕立て上げ、丁寧にしかしすばやくぼたもちを作っていき、親戚一同が集まる中振る舞っていました。
いつだったか作り方を教えてもらったのですが、思春期のおかしな時期に差し掛かりいつもなれなれしくタメ口で祖母に話しかけていたわたしが、敬語を使って祖母と話してしまったのです。
何故でしょうか。理由は覚えていません。わたしの敬語に対して祖母も敬語で話してくれました。その態度はよそよそしくてショックだったかもしれません。あるいは大人として扱ってくれたのかも。
祖母はそのことをすぐに忘れてしまったかもしれないし、くよくよ考えることでもないかもしれませんが、今思い出しても残っている小さな後悔でした。

祖母の作るぼたもちは甘さ控えめで、あれ以上のおはぎは食べたことがありません。作り方を教わったし、自分で甘くないものを作ればいいのですが、なんだかめんどくさいなぁとだるさにまかせて、スーパーマーケットできなこと粒あんのおはぎを買って食べました。めっちゃ甘いなぁ、祖母の作ったぼたもちの味がどんどん薄れていくのを感じます。

ぼたもちの味は消えても、心の痛みはまだ残っていますね。

終わり。

ちかたそさんからの質問!
いちばんすきな映画と、その理由を教えてください。

これは、いつも「フォレスト・ガンプ 一期一会」と答えるのですが、わたしは原作厨なので小説のほうが好きです。アマゾンプライムビデオで視聴可能なのでようやく昨年あたり見た気がします。なので、一番好きな映画、特に思い浮かばないですね。
いい作品だと思っているけど、大好きじゃないな。
フォレストとジェニーが過ごした古いアメリカの町並みは本当に涙が出るくらい好きです。ベンジーとか、マイ・ドッグ・スキップとか、犬映画に偏る傾向がありますが、そういう映画にも見られますね。大変なノスタルジーです。