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中盤の自主トレの勧め(級位者さん向け)

 級位者のみなさん、自主トレしてますか? 将棋の自主トレと言えば、棋書を読んだり詰将棋を解いたりすることが一般的だと思います。しかし、これだけでは足りないと思ったことはありませんか? そう、中盤の自主トレがないのです(棋書を読む=序盤の自主トレ、詰将棋=終盤の自主トレ)! 自主トレで序盤と終盤を鍛えても、中盤で逆転されてしまったら勝率は上がりませんよね。
 今回は私がやっている「中盤の自主トレ」をご紹介します。勝てなくてストレスが溜まっている級位者さんの参考になれば嬉しいです。

「中盤の自主トレ」とは

 私がやっている「中盤の自主トレ」とは、「自分の方がちょっと優勢な中盤の局面からソフト(ぴよ将棋)と指して勝ち切る」というものです。具体的な方法は以下の通りです。

1.自分の方が優勢な局面を用意する
2.1で用意した局面から、ぴよ将棋と対局する
3.待ったあり
4.自分が指す手に必ず理由付けをする
5.対局後に棋譜解析をかけ、疑問手・悪手を解釈する

1.自分の方が優勢な局面を用意する
 自分がよく指す戦型で、自分の方が有利な局面を用意します。自分の実戦で優勢だった局面や、棋書に載っている「これにて優勢」と書いてある局面などが良いと思います。

2.1で用意した局面から、ぴよ将棋と対局する
 1で用意した局面から、ぴよ将棋で「この局面から対局再開」をします。ぴよ将棋のレベルは自分がぎりぎり勝てるレベルが良いと思います。

3.待ったあり
 自分が不利になったと思ったら、「待った」をして下さい。そして、自分が有利だったと思う局面まで戻って指し直して下さい。何度待ったをしてもかまいません。優勢を維持しながら勝ち切って下さい。

4.自分が指す手に必ず理由付けをする
 ここが大事なところです。自分が指すとき、「なぜその手を指すと決めたのか」という理由を明確にして下さい。理由を明確にできるまで時間がかかってもかまいません。

5.対局後に棋譜解析をかけ、疑問手・悪手を解釈する
 振り返り方がポイントです。棋譜解析をかけて指摘された疑問手・悪手の「指した理由」が間違っていたかどうかを判断して下さい。そして、推奨手がなぜ良い手なのかを自分なりに解釈して下さい。

具体例(私の自主トレより)

言葉だけではわかりにくいので、私の自主トレを使って説明します。

1.自分の方が優勢な局面を用意する
 私は今泉先生の棋書(今泉の勝てる中飛車:200ページ)から用意しました。

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5.対局後に棋譜解析をかけ、疑問手・悪手を解釈する
対局後の棋譜解析から、私が振り返った局面を紹介します。

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 上の局面は▲3一銀に△1二玉と逃げられた局面です。私は、「竜が逃げるだけの手は指したくない。攻めを続けたい。」と思いながら次の一手を考えていました。そして指した▲2二金が悪手判定。推奨手は▲2五金!でした。
 この推奨手を受けて、「考え方は間違っていなかった。竜を逃げたくなければ、竜取りをかければよい。」と私は解釈しました。

注意点:無理は禁物

 この「中盤の自主トレ」は無理をしてはいけません。特に以下の2点に注意してください。
1.ぴよ将棋のレベルを上げすぎない
 なかなか勝てなかったら、ぴよ将棋のレベルを下げましょう。
2.疑問手・悪手の解釈は分かるものだけでよい
 分からない「疑問手・悪手」の指摘は忘れましょう。1局で1つ解釈できれば十分です。
 大事な点は、自主トレでストレスを溜めないことです。

おまけ:「夏の将棋フォトコン2021」のご紹介

突然ですが、「夏の将棋フォトコン2021」を知っていますか?

 このブログのタイトルに使った写真は、中盤の自主トレ風景(自主トレする時、私は盤駒を使っています)を撮ったものですが、「夏の将棋フォトコン2021」にも応募させて頂きました。みなさんもぜひ応募してみて下さい!

 最後に写真の局面を載せておきます。みなさんはどんな理由付けをして次の一手を指しますか?

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最後まで読んで頂きありがとうございました!

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