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[メリー・ポピンズ リターンズ] ~Mary Poppins Returns~(2018)

ベン・ウィショー…38歳…ひげが生えていても少年のようにかわいい…。

と、思わず、ただのつぶやきが口から零れ落ちてしまった。
「メリー・ポピンズ リターンズ」試写で観た。今回はリターンズ、およそ半世紀ぶりとなる続編。前作から約20年後の大恐慌時代のロンドンで、バンクス家は母親を病気で亡くし、父親と子ども3人、ときどき様子を見に来てくれる父親の姉と助け合って暮らしているが、不況の折、家を失う危機に追い込まれる。そんな中再び現れたメリー・ポピンズによって困難を乗り越えていく、という話。
「メリー・ポピンズ」と言えば、スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス。たぶん「メリー・ポピンズ」を観たことはあるはずだし、「チムチムニ~ チムチムニ~ チムチムチェリ~わたしは煙突掃除屋さ~ん」と歌えるし、スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスもスラスラ言えるけど、どんなストーリーだったかははっきり覚えていない…。メリー・ポピンズ=魔法使いの家庭教師という設定すら怪し気だったけど、深く考えなくてもよし!
エミリー・ブラントが演じるメリー・ポピンズがとってもきれいでキュート。少し高飛車で冷たいようにも思えるけれど、たちまち子どもたちを虜にしてしまう魅力たっぷり。音楽は「天使にラブ・ソングを」「ヘアスプレー」などを担当したマーク・シャイマン&スコット・ウィットマン。続編なので、すべて新曲だが耳になじんで口ずさみたくなる名曲がたくさん。今の技術では3DCGを使って、CGとリアルの境目をなくすことなどたやすいはずだけど、"ティーポットの世界"に魔法を使って入ったときは、あえて平面的なイラストタッチにしているのがとってもかわいい。昔のメリー・ポピンズっぽさを残している。
バスタブが不思議な世界につながっているバスタイムの魔法も、子どもたちが夢中になるシーンだろう。

ちなみに吹き替え版を観たため、オリジナルキャストの歌を聞けていない。やはりミュージカルなので、歌が気になるところ。吹き替え版ではメリー・ポピンズを平原綾香さんが演じているのだが、これは本当に、すっっっばらしかった!歌声を聞けばすぐ彼女だとわかるけれど、普段の演技は誰だかわからないくらいメリー・ポピンズにぴったり、艶はあるけどツンとした大人の女性、メリー・ポピンズそのものだった。さすがの歌唱力にのめりこんで楽しめる。一方で…メリー・ポピンズのかつての相棒的存在はバート(煙突掃除夫)だったが、今回の相棒はジャック、街灯点灯夫である。そのジャックを演じる岸祐二さんは、え…?この歌で物語が始まって大丈夫?という不安な気持ちになるほどイマイチだった。谷原章介さんはベン・ウィショー演じるバンクス家の父親マイケルの声をあてているが、まぁそこまで歌のシーンはないので気にならず。そしてマイケルの姉ジェーンは堀内敬子さん。キュートで一生懸命でその笑顔がみんなを幸せにする女性を好演していて、もっと歌が聞きたかったと心から思った…!というわけで、女性陣の吹き替えは圧倒的に良かったのだけど、男性陣は…うーん。もう少しミュージカル界で活躍している人を起用できなかったものだろうか。残念。
オリジナルキャストの歌声を字幕版で聞きたい。

子どものころのメリー・ポピンズのイメージって、ディズニー映画の中でも当時は珍しい実写で、かつ色合いも大人っぽくて、「子ども向けではない映画」と思っていたから、ほかの作品に比べて繰り返し観た記憶がなかった。それでもきっと、今思えば子どもたちが楽しめる工夫はされていたのだろうなぁ。今回は「シュガー・ラッシュ:オンライン」よりもよっぽど、子どもが純粋に楽しめるディズニー映画なのではないかという気がした。

2月1日公開。


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