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地域ブランドのつくりかた−愛される地方になるために

取材・編集:高橋慶彦 文字数:約5000文字

「地域ブランドをつくり、より多くの人に知ってもらいたい、特産品を買ってもらいたい、観光で来てもらいたい。」と考えている地域は非常に多い。

ジオパーク認定を受けた鹿児島県の離島・三島村の「大名筍」の市場展開、「100年後の未来に綾町の魅力を伝える」ことを掲げる、宮崎県綾町「aya100」プロジェクトを通じたオーガニック野菜の販路開拓。

このような実績を積み重ね、全国から注目を集める地域のブランド化に携わってきた地域プロデューサー 齋藤潤一氏にお話を聞いた。

地方創生と地域ブランドの意義

画像:Yahoo! Japan が主催「地方創生フォーラム」で登壇する 齋藤潤一氏

日本各地で、地域ブランドをつくろうとする動きは以前からあった。

近年では、地方から都市部への販路開拓という目的だけでなく、日本全国を対象にした地域のファンづくり、更には海外における地域ブランドづくりまで視野に入れて動いている地域もある。

日本政府としても、地方創生の一環として、地域ブランドの強化を推進している。

平成27年6月から農林水産省が開始した「地理的表示(GI)保護制度」は、その動きの1つである。

地域には長年培われた特別の生産方法や気候・風土・土壌などの生産地の特性により、高い品質と評価を獲得するに至った産品が多く存在しています。これら産品の名称(地理的表示)を知的財産として保護する制度が「地理的表示保護制度」です。
□出典:農林水産省

しかし、「地域ブランド」と言葉で言うのは簡単だが、効果が出る形で実現できている地域は少ない。

そもそも、「地域ブランドをつくる」とはどういうことなのだろうか?

「地域ブランドをつくる」とは?

地域ブランドをつくることについて、齋藤氏は次のようにとらえている。

地域ブランドをつくるとは
地域の「らしさ」を見える化すること

地域ブランドをつくろうと考えると、多くの自治体が「ロゴ」を制作しようと考える。最近では、PR動画を制作する自治体も多い。

ただ、どんなにカッコ良いロゴを制作しても、どんなに美しいPR動画を制作しても、そこから「大切なこと」が抜け落ちていると、地域ブランドをつくることはできないと齋藤氏は伝えてくれた。

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