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地方で自分らしく働く【後編】

取材・編集:高橋邦男/MACHI LOG 出版 編集長(文字数:3500語)


「地方にはアイデア次第で勝負できる可能性が膨らんでいる」

「働き方を変えるには「投資」という考え方が有効」

「地方に仕事がないのではなく、自分で稼ぐ力がない」


 全国各地で地域づくりに携わる齋藤潤一氏が、「地方で自分らしく働くために必要なこと」について、インタビュー前編で指摘したのがこれらのポイント。特に印象的なのは、よく耳にする「地方には仕事がない」との定説に対する指摘である。後編では「稼ぐ力」、そして「自分らしく働くこと」の本質にフォーカスする。


自分が大好きなことや人が抱えている課題を解決する

■「地方には仕事がない」とはよく耳にする話ですが、むしろ地方は人手不足だと言われています。高知県に移住したブロガー・イケダハヤトさんも「田舎には仕事が山のようにある。都会のような仕事がないだけだ」と書かれていました。齋藤さんはそのねじれた認識の原因の一つを「自分で稼ぐ力がないこと」と指摘されましたが、その理由は?

 地方では、受け皿となる企業の数は当然ながら都市部にはかないません。それに、地方の企業では自社の事業なり実績なりをPRする力が欠けているし、採用力もまだまだ弱い。いい会社であっても、存在がなかなか見えてきません。そういうことは、ねじれた認識に少なからずつながっているはずです。

 ただ、それはあくまでもこれまでの働き方の延長線上の話。本当の問題は、働くことがどこか他力本願になりがちで、自分の力で稼ぐという考え方になりにくいことだと思います。

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