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ピンク×マーシャ

まだ蚊はいない。考えごとをしに、時々来る場所。

あんまり期間限定っぽくないけど、選んでしまうんだな。

『かもめ』、大変だった…‼︎ というのが第一の感想。

マーシャ役をもらった時、ずしーん、と重みがあった。向き合わなきゃあかんのか。

たぶん、彼女は自分と遠くない。だからこそ、なのか、愚直なまでに愛し続けるその姿を、苦しくて見ていられない。

年中喪服に身を包み、かぎタバコを常用し、ウォトカを男並みに飲む。いや格好いい、マーシャ格好いいよ。

過去の自分を借りて苦しんだり、蛇行しながら、自分なりのマーシャを形にして(できたかな?)、本番を迎えた。1公演目は散々、だったと思う。演じている時は無我夢中で、気付かなかったけど、たぶん自意識の塊。

2、3公演目までは良かった。問題は4公演目。

なぜだか、イメージの中のマーシャの髪の毛の色がピンクになっていた。最近、映画『勝手にふるえてろ』を観た影響もあったのか、サブカル系? というかオタク系女子のマーシャでやってみたい、という気持ちが出てきて、いや、これまでの稽古で相手役と積み上げて来たものを壊してしまうことにならないか、途中で我に返ってとんでもないことになるのではないか…迷ったが、結局ピンクのマーシャでいくことにした。

結果→

三幕では、ほろ酔いでぽわぽわになるくらいの、あまり酒に強くないマーシャになり、

四幕では、およそ妊娠、出産経験があるとは思えない子供っぽいマーシャになった。(が、精神的に未成熟で母親になるどころか、自分が母親から自立できていない若い女として貫き通すことにした)

※あくまで、私が演じたマーシャが未成熟だったという意味です。

劇中はもろもろを正当化することで、ピンクのマーシャというキャラクターを諦めずに走り切ることができたのだが、終わった後に、不安の嵐がきた。
作品全体として見た時に破綻していないか、何より他の人たちが作り上げたものを壊していないか、が心配になり、もう自分は演じる資格がないんじゃないかなと落ち込んだ。

なぜ、稽古の時にもっと冒険できないのだろう。やれること、やりたいことをやる勇気が出ないのだろう。達成感よりも反省の嵐で、涙が止まらなかった。

でも、もう一度考えてみても、やっぱりピンクのマーシャを演じてよかった、やりたいことができたことはよかった。

終わったことは、もう仕方がないので、手元にある自分の課題に向き合うしかない。とりあえず、もっと声が出るようには、しなければと思う。

さぁ、次は第七だ。


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