カシューナッツの実を食べた話

私が2年前にカンボジアを訪れた目的の一つは、熱帯ならではの植物を自分の目で見ることだった。
例えばマンゴーなどのトロピカルフルーツや、コショウなどいわゆる商品作物など。
今の時代、ググれば大抵の情報は得られるけれど、実物ばかりは自分が動かねば手に入らない。
(Amazonの受け取りでさえサインしなきゃだし)

私は熱帯の植物の中でも、特にカシューナッツに興味があった。
ひょんなことからカシューナッツの実の形がヤバいと知り、ぜひ実物をこの目で! と思っていたのだ。

しかし私は首都プノンペンに滞在していたので、植物を見る機会がそもそも少なかった。
さらに本業(?)のインターンシップも忙しかったため、農村部に出掛ける余裕もなかなか無かった。
いつか見れるはず、そのうち見れるはずと思っているうちに、帰国日が刻々と近づいていった……。

しかしチャンスは訪れる。

帰国直前の週末、インターン先で私のお世話をしてくれていた社員さんが
「海に行こう」
とドライブに誘ってくれた。
助手席から窓の外を眺めていると、木に赤い実が生っているのが目に入った。

あれはもしや!

カシューナッツ!!

どこがカシューナッツやねんって感じのフォルム!
上の写真中央の赤い実の下にくっ付いてる、茶色い勾玉状の部分の中に、お馴染みのカシューナッツが入ってます。

もっと近くで見たかったので、わざわざ車を停めてもらった。
周りに畑や果樹園がある風でもないので、どうやら野良カシューナッツのようだった。

黄緑色の実はまだ未熟なのだろう。
真っ赤に熟れた実を1つだけ、こっそり持ち帰った。

カシューナッツのナッツじゃない赤い部分は、カシュ―アップルと呼ばれる。

上の写真だと、左側の鮮やかな赤色部分がカシューアップルで、右側の黒い塊がカシューナッツ。
黒い塊を割ると中からナッツが出てくるはず。
(このときは硬すぎて割れなかった)

アップル部分を切るとこんな感じ。
ほんとにリンゴみたいな色!
味もきっと甘酸っぱくておいしいのだろうな……と期待を寄せて、少しだけかじってみた。

めちゃくちゃ渋かった。
味わえど味わえど、舌全体に渋味が広がるだけ。
甘味も酸味もない。無慈悲。

というわけで、カシューアップルは激しく期待外れ!
でも、いい経験になりました。

そんながっかりカシューアップルですが、ブラジルなど南米には、ジュース用の品種があるらしい。
きっとアップル部分の味は品種によって当たり外れが激しいのだろう。

ところで、私たちが普段口にするカシューナッツの、カシューアップル部分は捨てられているのだろうか?
だとしたらすごくもったいない……。
ナッツもアップルも、おいしく食べられたらいいのになあ。

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マチエ

植物のこと、海外のこと、ゆるっと楽しく伝えたい。(農学部の大学生が中の人)

植物ほぼ一日一題

植物ショートエッセイ。だいたい毎日更新予定。

コメント3件

I think so. 大・感動、かつ、大・がっかり果実。そして、足が速い。以前、密閉脱渋を試みたら、痛みました。なにかいい方法はないものですかね〜
>kgぷりんさん そうなんです。言われないと絶対分からないですよね(笑) ドライフルーツにするというアイデア、いいですね!
>tosipyoさん あの渋味は裏切りですよね(;_;)保存と脱渋を兼ねてアルコールに浸けてみたらと思いつきましたが、渋と共にカシューアップルの味も消えてしまうかもしれません……
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