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令和5年第4回定例会代表質問(教育分野編)

こんばんは、神薗まちこです。
先日第4回定例会本会議で代表質問で取り上げた9つの分野について、まとめていきます。第二弾は教育分野について。

1:区立中学校の学校特色化の見直し

 教育について、3点の質問です。
 1点目です。区立中学校で実施している学校の特色づくりは、2004年学校選択制導入を皮切りに始まりました。社会環境の変化や区長発言にもあったように探究学習や教育DXの更なる強化や、未来の学校プロジェクトも進んでおり、今行われている特色化を見直す時期に来ていると本会議や委員会でも提案してまいりました。学校選択制の発端となった松濤中学校が、学校長が何代変わっても、強くしなやかに成長しているのは、2012年に導入したコミュニティ・スクールが機能しているからだと推察しております。公立の良さでもあり弱みでもあるのは、教員が変わるということです。だからこそ、この特色化の見直しを学校長や教員だけに任せるというのではなく、コミュニティ・スクールが中心となって、様々なステークホルダーを招いて熟議し、その中で各学校の特色や方向性を検討すべきと考えます。付け加えますと、ステークホルダーというと大人だけになりがちなので、必ず現役児童・生徒や高校生や大学生などのOBOGの招聘もお願いします。また小中一貫校になる鉢山中・猿楽小、原宿外苑中・千駄ヶ谷小、笹塚中・笹塚小に関しては中学校と小学校との合同プロジェクトとして実施すべきと考えます。
 区でいうところの基本構想を決定するような一大事業になりますので、プロジェクトを推進するファシリテーターが必要ですし、そこには費用と時間もかかります。その点はぜひ、学校任せではなく教育委員会としても強力なバックアップをお願いします。
 区立中学校の学校特色化の見直しについて、教育長の見解をお聞かせください。

■教育長答弁
 
学校の特色に関する見直しは、コミュニティスクールが中心になって、地域と教職員が熟議することが重要です。子どもの好奇心や探究心を高め、1人1人の持っている力を伸ばしていくために、どのような教育を実践していくのか、熟議により方向性を検討することが大切であると考えます。
 次年度からのシブヤ未来科においては、地域の方や企業等と連携して魅力ある体験活動を多く取り入れ、各学校の特色を最大限に生かした探究を展開していきます。教育委員会では、カリキュラムの作成や企業連携ポータルサイトの開発などを進めています。
 また、小中一貫校の新しい学校づくりにつきましても、未来の学校プロジェクトに基づき、学校と地域が熟議して検討していく必要があると考えておりますが、現時点ではファシリテーター等を招聘してのプロジェクトを設置することは考えていません。

●神薗見解●
特色化に関しては、20年前の松濤中学校から始まっています。渋谷区の教育システムが大きく変わっていく中で、今ある特色は正直もう特色ではないと感じています(どこの学校でもデフォルトで設置されているものが多い)。このプロジェクトのプロマネ的なファシリテーターをちゃんと置いたほうがしっかりと前進すると思っての提案でしたが、その点は置くつもりはないとのことでしたので、ではどういった進め方があるのか?ということはしっかり各校で議論していただければと思っています。また、ステークホルダーに必ず児童生徒やOBOGなど、子どもたちの声を入れることについては、特に答弁がなかったので今後も継続的に提案していきたいと思います。

2:スペシャルサポートルームの導入

2点目です。不登校児童生徒の数が過去最多との報道があり、文部科学省からも緊急対策パッケージが発信されました。不登校や不登校傾向のお子さんのいらっしゃる保護者から話を複数聞いていますが、原因もそれぞれ、相性のよい学びのあり方も様々です。本区では、東京都のモデル事業「バーチャル・ラーニングプラットフォーム」の取組みもスタートしましたが、お子さんそれぞれの状態に合わせ、学びの場を多様に提供していくことが重要と感じます。昨年度まで代々木中学校では、東京都の「不登校対応加配教員配置校」事業が3か年行われていました。文科省の緊急対策パッケージにも書かれてあるいわゆる「スペシャルサポートルーム」かと思います。オンラインやけやき教室などの取組みも重要でありますが、学校の中に「スペシャルサポートルーム」があると、学校には行けるけれども教室などにいるのがしんどいお子さんにとっての、心が休まる居場所となります。
 代々木中での「不登校対応加配教員配置校」事業の成果はいかがでしたでしょうか。また、「スペシャルサポートルーム」を小中学校全校に配置できるよう、段階的に取り組む必要を感じておりますが、いかがでしょうか。教育長の見解をお伺いします。

■教育長答弁
 
まず、代々木中学校での不登校対応加配教員配置高事業の成果ですが、不登校生徒が学校の中で安心して過ごせる居場所として、教室以外の場所に一部屋、別室を整備しました。この別室をクラスJと呼び、加配教員が支援員やスクールカウンセラーと連携して、生徒が心穏やかに過ごせる環境づくりやコーディネートをしています。
 3年間の取組により、クラスJの運営も定着して、今年度は別室を利用する生徒が最大10人で、昨年の2倍の利用者数となっています。また、生徒がクラスJを利用する中で、行事に参加できるようになるなど、教室復帰の足掛かりにもなっています。そのうちの3人は、教室での授業を受けることが出来るようになりました。
 代々木中学校のほかに、幡代小学校では、学校独自につばめ教室を設置して、教員が交代で入り、児童がいつでもりようできるように運営をしています。校内つばめ委員会を立ち上げ、方針や運営などを共有し、組織的に不登校支援に取り組んでいます。利用している児童は5人程度で、給食や体育など徐々に学級に入れるようになってきた児童や、遅刻せずに投稿できるようになった児童もいます。
 また、区内各校への展開についてですが、今後、校舎の建て替えに伴って、不登校児童・生徒支援のための部屋を校内に整備する方向で検討しているところです。建て替えまでの期間においては、現校舎において空き教室を活用できないか等について、各校の状況に合わせて検討してまいります。またスペシャルサポートルームの活用事例を生活指導主任会等で共有を図るなど、不登校児童・生徒への支援について充実を図ってまいります。

3:不登校の保護者の情報交換の場

3点目です。不登校のお子さんがいる保護者の方々からは、同じような境遇にある保護者同士で情報交換できる場が欲しいという切なる声をもらっています。こういった場で話すことで、「学校に行かなければならない」という呪縛から保護者が解き放たれ、子どもとの関係性も少しずつ変化し、良い方向に向かうという状況も見受けられました。ピアサポートの場にもなると思いますが、情報交換の場をつくることは出来ないでしょうか。教育長の見解をお伺いします。

■教育長答弁
教育センターでは、スクールソーシャルワーカーや教育相談員が保護者の相談に応じています。けやき教室では、過去に保護者懇談会を開いたこともありました。また、連携している東京大学先端科学技術研究センターでも、保護者のセミナーや子育て相談会を開催し、保護者同士の語り合いや情報交換の場を設けています。
今後、教育センターでも、ご提案の情報交換の場として、日曜相談などの機会を使って、保護者同士の懇談会や不登校に関する有識者を招いての相談会など実施を検討してまいります。

●神薗見解●
不登校の児童生徒に対する支援に関しては、かなり前向きに進めていこうという意志の感じられる答弁でした。私自身も今期最も力を入れていますが、本当に喫緊の課題であると捉えています。
都が運営しているバーチャルラーニングプラットフォームのモデル事業も始まりましたし、来年度にはけやき教室の移転もあります。学校という場にこだわらない、多様な学びの場を渋谷区でもしっかり作っていけるように、進めていけたらと思います。

先日、都民ファーストの政策塾で提案した話もブログにまとめていますので、よかったらご覧ください。


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