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令和5年第4回定例会代表質問(福祉・生涯学習分野編)

こんにちは、神薗まちこです。
先日第4回定例会本会議で代表質問で取り上げた9つの分野について、まとめていきます。福祉・生涯学習分野について。

1:認知症の支援について

1点目です。先月、認知症なっても展が終了しました。4日間で参加者が700名近い来場者だったということで、映画や講座の種類、ブース出展に関しても様々な工夫がされ、認知症になったとしても工夫して生活すれば、大丈夫なんだということを実感できるイベントになっていたと思います。本区においては、認知症サポーター養成講座も積極的に開催し、現在延べで2万人程度のサポーターがいると仄聞しております。来年2月に、この認知症サポーター養成講座を修了した方にフォローアップ研修を行い、チームオレンジに登録す計画と聞いています。このように、講座を受講して終わりではなく、活動につなげていく取り組みを行うことが重要と考えます。もう一つの活躍の場として、区内16箇所にあるオレンジカフェにもつなげていただきたいです。また、新規でカフェを立ち上げることを検討する方々の支援も積極的に行っていただきたいと思います。
 積極的な支援として、例えば、オレンジカフェの助成金を拡充できないかと考えています。オレンジカフェの区からの助成金は年間5000円と聞いています。子どもテーブルの学習支援の助成金は年間50000円ですから、それと比較してもかなり資源が限られており、活動範囲も制限されてしまうと考えられます。ぜひ、オレンジカフェを積極的に広げられるよう、支援の拡充を提案します。また、認知症サポーターの講師役の「キャラバンメイト」の方を中心に、認知症介護研究・研修センターが実施する認知症カフェモデレーター講座を区が一部助成する形で受講いただき、区内のオレンジカフェの新規設置などの支援に携わって頂くのも一手かと考えます。
 区長発言にもありました第9期渋谷区高齢者保健福祉計画の素案にも触れられているとは思いますが、認知症サポーターの更なる活躍の場の充実について、区長のご所見をお伺いします。

■区長答弁
認知症サポーターのさらなる活躍を目指して、サポーター向けにステップアップ講座を開催し、受講者を中心に支援チームを組んで、チームオレンジとして活動することを計画しています。チームの活動として、オレンジカフェの運営支援や、本人ミーティングの拡充に向けて取り組み、サポーターの活躍の場をさらに広げていきたいと考えています。
引き続き、認知症サポーターの活用を進めながら、認知症の本人や家族のニーズに合った支援を実施していくとともに、オレンジカフェについても、議員ご提案の支援策を含め、運営実態に合わせた支援を検討してまいります。

●神薗見解●
認知症は65歳以上の人が、5人に1人がなると言われている状況の中で、オレンジカフェは「認知症になっても大丈夫」と安心感やコミュニティにつながる場所になります。コロナ禍でストップしてしまっていたオレンジカフェの復活と更なる拡充を視野に入れて提案をしました。今後は若年性認知症の問題なども取り組んでいきたいと思っています。

2:福祉従事者の人材確保について

2点目です。連日メディアでも報道されていますが、介護サービスを支える人材の不足が続いており、本区においても重要課題です。本区の社会福祉事業団では、「あやめの苑・代々木」と「美竹の丘・しぶや」の2つの特別養護老人ホームを運営しています。子育て世帯の介護士、特に女性になりますが、お子さんが就学するタイミングで時短の制度がなくなり、夜勤等のシフトにも入らなければならない運用となっており、複数の方がそのタイミングでおやめになられたり、バイト職になったりという話をもらっています。いずれも積極的にやめたいという事ではなく、子どものために仕方なくキャリアを断念せざるえない状況です。経験やノウハウを積み上げ、中核を担ってくれるであろう人材がいなくなるのは、組織としても大きな痛手と考えます。これは子育て世帯だけに限らず、親族の介護に携わらなければならなくなった職員にとっても同様の課題になります。こういった福祉従事者が働きやすい環境や制度へ早急に改善すべきと考えますが、渋谷区社会福祉事業団の理事長でもある区長の見解をお伺いします。

■区長答弁
渋谷区社会福祉事業団運営施設に限らず、介護人材対策は引き続き重要課題であり、議員ご認識のとおり、ライフイベントによる女性介護士の離職対策も大きな課題の一つです。
現在策定を進めている第9期においても、介護人財対策を重点的な取組みに位置づけており、これまでの介護人材確保・育成対策に加え、介護現場の働きやすさ、生産性向上を図るべき、ライフイベント等で離職した潜在介護士の副食支援や介護助手を活用したタスクシェア等、働きやすい職場づくりに向けた施策の実現に向けた検討を進めてまいります。

●神薗見解●
教育もそうですが、介護の現場もやはり人対人の業界で、働いている人たちが気持ちよく元気に働いてもらえなければ、よい事業は生まれないと思っています。賃金アップもそうですが、それ以外にも働きやすいと思える環境をどう構築していくのか?それによって、人材不足をどう克服していくのかは大きな課題であると認識しています。

3:シブカツ(渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ)について

3点目は、シブカツについてです。現在、シブカツでは学ぶから働くにつなげる活動として、複数の取り組みが生まれています。11月25日に行われた「セカンドキャリアとしての自分事業づくり入門」は大変好評で20名の定員に約70名の応募が来たと聞いております。この結果からも、これまで自分自身が積み上げてきた職能をいかして働ける場に関して、ニーズがあると考えています。特に55歳~75歳くらいまでの方々は、働き盛りの時にWindows95が発売され、PCを仕事で積極的に使ってきた世代です。デジタルに弱いシニアというイメージとは違い、PCはもちろんスマホなども積極的に活用できる世代です。そこで、IT系のスキル講座とその修了時のスキル習得度合によって、仕事の紹介も出来る民間企業と連携し、ITスキルを学ぶ講座と仕事のあっせんを検討出来ないかと考えますが、区長の見解を伺います。

■区長発言
ITスキルに関して学べる講座ですが、ITスキルといっても、オフィスの基礎から、データ分析・利活用方法などを身につける講座まで多岐にわたるため、まず、職歴をいかすにはどのようなスキルが必要かを理解する必要があると考えます。このため、どのような講座を受けたらよいかを学べるセミナーを今年度中に開催する予定です。このセミナーを継続的に開催することにより、ITスキルが身につく講座の開設につなげていきたいと思います。
仕事のあっせんに関しては、現在、渋谷就労支援センターしぶやビッテと連携したセミナーや個別相談を開催しています。今後は、専門機関や民間企業とも連携し、ITスキル講座を受講した方の仕事のあっせんにつながることができないか検討してまいります。

●神薗見解●
2019年に立ち上がったシブカツですが、ハチコウ大学等を中心とした教養講座は順調に実績を積み上げています。一方で学んだ後に働くということにつなげるというコンテンツが弱く、この点の強化をこれまでも伝えてきました。現在の55歳以上の層に関しては、既に働き盛りの時にWin95が発売されて、パソコンなどをいかした仕事を取り組んできた世代ですそう考えると、仕事のスキルとしてITスキルを学び直し、それを職能として活かすことが出来るのではないか?と考え、提案しました。

4:移動支援について

4点目は、移動支援についてです。現在、障がい者児の移動支援に関しては、移動支援のヘルパー研修を年間2回実施し、講座終了時に支援事業者とのマッチングの場を設け、登録者を増やす取り組みを行ったり、区のルールを変更し、1人のヘルパーが2人の方の支援を出来るようにするなど取り組みを行っています。しかしながら、通学や通所に関しては、行き・帰りの時間帯が重なるため、複数人稼働が必要となり、競争率が高い状況は改善できていません。さらに支援者の輪を広げる取組みとして、S‐SAP大学に移動支援ヘルパー研修を出張講義として届け、研修を受けた学生にヘルパー登録してもらい、稼働いただくのはいかがでしょうか。区長の見解をお伺いします。

■区長答弁
支援者確保については様々な取り組みを行っていますが、支援者不測の解消に向け、引き続き拡充していく必要があると考えています。
議員ご提案の出張講義については、養成講座を行う事業者の確保等、課題もあります。そのため、まずは現在行っているガイドヘルパー養成講座にS-SAP協定を締結している大学の学生枠を設けるなど、大学との連携による支援者確保に取り組み、その状況を踏まえ、出張講座の実施について検討してまいります。

●神薗見解●
移動支援は議員になってから、ずっと課題として取り組んでいます。難しい状況があって、中々ヘルパーの確保が難しい状況にありますが、今回SSAP協定の大学と連携し、学生さんはヘルパーとしての経験を積むことで、大学の単位も取得できる、利用者さんは登下校等のピーク時に支援する人とマッチングできるといった状況を作れるのではないか?ということで、現在個別の大学とも相談して進められるよう動いています。


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