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【マチマチ対談】「人とのつながり」がもたらす新たな出会い(後編) -高橋秀明氏

マチマチ対談シリーズ第3弾となる今回は、多彩なキャリアを持つ高橋秀明氏(写真右)にキャリア形成論からマチマチに対する思いまで幅広く語っていただきました!

同氏とマチマチ代表の六人部は、もともと高橋氏の慶應義塾大学の講義を六人部が聞いていたという関係でした。マチマチ起業後にたまたま六人部から高橋氏に相談する機会があり、その後、定期的にアドバイスを頂いています。そんな高橋氏に前編ではご自身の経歴とキャリア形成論について、後編では高橋氏から見た六人部、マチマチについてお届けします!

高橋秀明 氏

慶應義塾大学工学部修士号取得後、アメリカへ渡りニューヨーク州立大学でコンピュータサイエンス修士を取得。その後、米国NCRに入社し、日本NCR会長、米国NCRコーポレーション上席副社長、富士ゼロックス代表取締役副社長、FXパロアルト研究所会長を歴任。病気退任後は慶應義塾大学SFC特任教授を勤めると同時に日米欧亜企業の社外取締役、アドバイザー、メンターを務めた。現在は大企業からスタートアップにシフトして、起業家・社会起業家支援をTiE Japanで、香港のGlobal Institute for Tomorrowでグローバル・リーダーシップ教育やインクルーシブ・ビジネスモデルに関わっている。

マネジメントにおいて重要なLine of Sight

ーー高橋さんは過去に外資系企業のマネジメントから1兆円を超える売上の大企業の代表も務められていました。そういった経験をされてきた中で、組織を作る大切な要素は何だと思いますか?

高橋:私がアメリカで学んだマネジメントの基本は今も変わらないですね。経営って実はとても冷酷なものなんです。数字に対する責任を負っている人が必ず必要だから、トップに立つ人はその覚悟が必要になる。

ただ、その覚悟を担当者にまで強いるのは間違っている。担当者は彼らの見ているLine of sight(見えているもの、感じとれること。視野の範囲)がありそこに「経営の責任」という項目は入っていない。日本の会社はタテ割りでシナジーを起こしにくい構造になっているけど、担当者それぞれのLine of sightの範囲・限界を理解して広げていくことが大切。

六人部:Line of sight、視野を広げなければいけないのはベンチャーも一緒だと思っています。最近マチマチでもビジョンやバリューを制定しましたが、オーナーシップとして自分ごとにする気持ちを持つこと。それぞれのLine of sightを広げるカルチャーを意識的に作っていかないといけないと感じています。

高橋:この前マチマチに遊びに行った時も、若い人も含めてみんなが積極的に発言をする空気になっていてとても良かった。大会社では下の人が話さないし話せない。上司もついつい命令をしたくなってしまうんでしょうね。

そうではなくて本質は多様なバックグラウンドを持った個性が交わること、つまりそれぞれのLine of sightが広がっていくことなんですよ。六人部さんはそうした文化を醸成するために何かされていますか?

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六人部:一番はこのミッションを達成したいと本気で思っているかどうかです。ミッションの実現のために今はOKR(Objectives Key Results)という目標設定手法を用いて、会社の最上位の目標であるミッションの達成を分解して、各メンバーがやっていることがどう貢献しているかをわかりやすくしています。同じ方向、ゴールを向いていれば、やり方は問わないといった感じです。

※Objectives and Key Results(目標と主要な結果)

あとは、個々のメンバー同士のつながりを網の目のようにちゃんと張り巡らすことに意識して取り組んでいます。個々がちゃんとつながること、すなわち信頼関係をどう築いていくかを非常に大事だと思っていて、様々な取り組みを行っています。

高橋:いいですね、うまくいかない時や失敗したことのリカバリで信頼は生まれます。ポジティブな瞬間よりもネガティブな時にその人の本質が見えます。日本の会社は良いことばかりにフォーカスしがちだけど「失敗に誠実に向き合う、失敗を許す」つらい時こそ手を差し伸べる組織がいいですね。

組織のトップに求められること

ーー高橋さんから見て六人部さんはどのような経営者に見えますか?

高橋:六人部さんはとても良い感じ(笑)。人の根源、根っこの価値観みたいなものを大切にする経営者だなと思う。以前六人部さんに良い意味で「お金の匂いがしない」と言った事がある。彼の経歴をみるとファイナンス分野の経験を積んでいるにもかかわらず、「お金の匂いをさせていない」、この「六人部さんらしさ」は大切にした方が良い。お金で繋がる関係ではなく、マチマチ全体としてカルチャーを共有した無形資産を大事にする組織の方がずっといいし、長続きするでしょう。

六人部:その点は気にしていて、ベンチャーに転職してくる人の中には「COOという肩書・役職がほしい人」「SOがほしい人」など様々な動機を持っています。それは悪いことじゃない。けど、やっぱり一番一緒に働きたいと思うのは「マチマチのミッションを実現したいと本気で考えていて、強いコミットしてくれる人」なんですよね。

昔は格好つけて、動機はなんでもいい、成果を出してくれればと思っていました。けど、そういった動機が全然違う人が入ってくるとチームの濃さ、ミッションを実現するという情熱が薄れてしまうんですよね。チームの「濃さ」をどう保つかが大事なんです。

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高橋:スタートアップは同じような分野にたくさん生まれるけど、必ずしも切磋琢磨して、良い刺激を与え合っているわけじゃない。むしろ他社を非難したり、模倣したり、足を引っ張るケースなんかもある。その点マチマチは競合らしい競合がいない、周りを気にせず自由に動けるテーマというのは非常に良い。

あと、印象的だったのは六人部さんがマチマチについて「単純な投稿数などの数値が上がることを目的にしてはいけない」と話していたこと。小手先の数値を増やすテクニックではなくて、数値だけでなく質的にミッションにつながっているかどうかが重要だと言っていた。この点は大いに共感できるし同時に六人部さんに期待できると感じました。

目先の数字や競合との小競り合いじゃなく、本当に大きな世界を狙っている、こういう人こそトップをやるべきだと思う。

ソーシャルイシューも見据えたマチマチの未来

ーー高橋さんから見てこれからのマチマチにどのようなことを期待したいですか?

高橋:マチマチのプラットフォームを通じて社会がもっと豊かになると良いと考えています。今の日本は社会課題大国です。ビジネスで解決すべき、また解決できる社会的課題のレイヤーが溢れていて、地域の無形資産を積み上げることが可能なマチマチだからこそ解決できる課題があると思います。

例えば私が日本に戻ってショックだった一つに、「子どもの6人に1人が貧困状態で、一日3食たべられない」という現実があります。その一方で大量の食品が毎日捨てられている、フードロス。マチマチはこうした社会問題も解決できる用になるでしょう。

六人部:以前にフードロスを解決するプラットフォームとしてマチマチと組みたいという相談をいただいたことがあります。私自身そこに関心はあるものの、今のマチマチですぐに進めるフェーズではなく、プラットフォームを確立した後にしっかり取り組みたいと考えています。

高橋:その通り、今ではなく待った方がいい。社会的課題の解決はユーザーに無理強いをして解決していくものではなく自発性が大切なんですよ。一人一人がその重要性に気付いた時に存在感のあるプラットフォームになっていることが重要。これからマチマチが成長する中で、六人部さん自身が強く解決したいと思う社会課題だがあればお聞きしたいですね。

六人部:サービスの特性上、様々な分野に関わるので、いまは「この課題」と限定することはできません。僕自身、投資、スポーツビジネス、EC、メガネ小売、SNS、不動産と幅広い事業に携わってきました。なので、この事業じゃないといけないということは考えていません。課題ドリブンで、より社会にとって大きな意味のある課題をすべて解決していきたいです。
マチマチは「限りなくリアルに近いオンラインサービス」なので、地域で実際に起きているリアルな課題を解決していきたいです。将来的にはデジタルから派生したリアルの接点をうまくビジネスに落とし込んでいきたいと思います。

高橋:期待していますよ!経営者のLine of sightが広がり、社会的な課題も入ってくると素晴らしい。そうした経営者が増えれば社会はもっと豊かになり、ビジネスの領域も加速する。六人部さんやマチマチのみんなはその担い手になれると思っています。

ーーお二人ともありがとうございました!

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