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コルク佐渡島さんに聞く!コミュニティをつくる上で大切なこと【後編】

こんにちは、まちのコイン広報担当の梶陽子です。

前編に続き、オンラインサロン「コルクラボ」を運営し、まちのコインのアドバイザーを務める「コルク」代表の佐渡島庸平さんのインタビュー後編です!

コミュニティは熱くし過ぎると続かない

ー 鎌倉で開始する「まちのコイン実証実験」では、ユーザーや加盟店を巻き込みながら、それこそ子どもやお年寄りの方からどんなもらい方やつかい方が良いかの意見も聞いて、一緒に作り上げて盛り上げていきたいと思います。
その時に、どうやったらみんなを巻き込んで、コミュニティを熱くしていけるかアドバイスをいただけますか?

コミュニティは熱くしないほうがいいですよ。それよりも、継続するほうが大事。ずーっと続くという安心感のほうが、地域に関わることの場合、重要なんです。熱いと続かなくなっちゃうから、熱くしないで、どうしたら継続できるかを考えた方がいいですね。でも、温度が低すぎても解散してしまうので、ちょうどよい温度で、その中で波があっても継続できるようなことを考えていくのだと思います。
まちのコインは、県や地方自治体がクライアントになっているので、単年度ごとに予算がありKPIを追っていくことになります。だから、結果を出していかなければなりませんよね。そうすると、だんだん視野が狭くなっていく。そんな中で、僕はアドバイザーとして、「そんなこと目指してたんでしたっけ?」と好きなことを言う役目かなと思っています。
クーポンアプリを作りました、というのを、もっともらしく言っているだけになってはダメですよね。

オフラインは、オンラインをサポートするもの

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ー佐渡島さんは「コルクラボ」のようにオンラインでコミュニティを作っていますが、まちのコインはオフラインでの仲間づくりを後押しするサービスデザインにしたいと思っています。今、オンラインコミュニティが盛んになっている中で、オフラインでのコミュニティはどう変化していくと思いますか?

基本的に「コルクラボ」 のやっていることは、みんなでめっちゃリアルに会うためのものです。オンラインだけの人間っていないんですよ。オフラインで毎日会うのは、同じ会社でない限り無理ですよね。だから、オフラインで会うのを超楽しむために、オンラインのサポートが入るという考え方です。

例えば、AIやロボットで”仕事”を奪われる、という言い方をされることがありますけど、AIやロボットに”家事”が奪われる、とは言わないですよね。自動食洗機によって、自分のお皿洗いという家事が奪われてしまう、なんて言わない。それよりも、色々な家電は、家庭生活をサポートしてくれるものなんですよね。

だから、オフラインとオンラインも、二項対立ではなくて、どれだけIoTが進んでもリアルなオフラインはなくなりません。オンラインは、とにかくオフラインをサポートするものなんです。食べログは、美味しいお店を探すのをサポートしているもので、食べログを見てもお腹いっぱいにはならない。

まちのコインもオンラインによってオフラインをサポートするツールなんだと思っています。

未来だと当たり前のサービスを、半歩先をみて今つくるということ

ー なるほど。確かにそうですね。まちのコインにはオンラインでもつながる仕掛けとして、じつは「人の通帳(コインの残高)が見える機能」があります。これが、オフラインでのつながりをサポートするものになり得るかもしれません。でも、通帳をみるという行為は、これまではタブーのようなもので、広がっていくのでしょうか?

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Twitterのフォロワー数やYouTubeのチャンネル登録数って、10年ぐらい前にそれに価値があるといって集めてた人たちは、当時は馬鹿にされていたんですよね。「なに、フォロワー集めるのに一生懸命になっているの?」と。でも、今はマーケティング費用をかけてもやるのが当たり前になってきている。

同じように、まちのコインができた瞬間に、コインを集めることに価値があるという空気にはならないかもしれません。コインが公開されることの価値も、最初はほぼ感じられないと思います。だから、それを公開することとは何なのか、しっかり意味付けをしてあげて、どのタイミングでその意味付けを全面的に出すのか、設計する必要があると思います。

マネーフォワード」も、辻さん(マネーフォワードCEO)がよく講演などで言ってますけど、最初は「Moneybook(マネーブック)」というFacebookのようなオープン思想を持ったサービスだったんですよね。家計が上手な人の通帳を公開して、誰もが見られるようにをすることで、ユーザー全員のお金へのリテラシーが上がり、より良い社会を目指すという。でも、誰も通帳を公開しようとは思わなかった。今の僕たちにとって、自分たちのお金、通帳は、公開したくない極端な個人情報だったということです。

では、「誰とつながっているか」は、極端な個人情報というのかどうかというと・・昔に比べると、そこに対する意識は変わってきています。前であれば、共通の友達を探すために、あれこれ質問していたら変なやつと思われていたけど、今は、Facebookの友達の中で共通の友達を探すのが当たり前になってるわけで。どの情報が公開できるのかは、時代の流れによって変わっていくものだと思います。
まちのコインを作る中で、自分たちの感覚が未来になっちゃうことがあると思うんです。でも、未来だと当たり前のサービスを今に実装してしまっては、ユーザーにも誰にも訳がわからないサービスになってしまう可能性があるので、半歩先にどう落とし込むのかが重要です。

その上で、僕の役割は、みんなが考えているよりもさらに先の未来を見て、まちのコインのサービスを考えていくことだと思っています。

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おわりに

まちのコインがユーザーにとってより良いサービスになるように、佐渡島さんにしっかり未来を見据えていただきながら、私たちカヤックもTHE GUILDさんや地域の皆様と一緒に、半歩先の、魅力あるサービスに落とし込んでいきたいと思いました。そして、まちのコインに関わる人、ユーザーの皆様が「つくる人」になって、これまでにない価値交換がどんどん生まれ、まちの賑わいや地域コミュニティの活発化に貢献できればと思います。

佐渡島さん、素敵なお話をありがとうございました!

[2019年11月14日追記]Webサイト公開しています!

https://coin.machino.co/

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