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ポーランド語の興味深い成り立ちについて

 こんにちは〜マキベリです。
留学するなら現地の言葉をマスターしたいですよね。
正規留学のような長期で滞在するなら尚更です。
ですがポーランド語は日本語と並ぶ世界で最も難関な言語の一つです。
今回はその概要について少し話をしていきます。

ポーランド語の授業

 ヴロツワフ大学の留学生は卒業までに一年間のポーランド語の授業を受けることが必須となっています。当時の僕にとっては英語すら辛うじてのレベルだったので、ポーランド語の勉強など、前もってする余裕がありませんでした。ですので割り当てられたのは一番下のA2クラス、クラスメイトは韓国語やスペイン語、ポルトガル語、トルコ語などを第一言語としている人が主だったと思います。
 授業はいつも一限から、朝早くから始まるので毎朝起きるのが辛かったのを覚えています。家を大体7時半に出るのですが、冬だとその時間はまだ真っ暗です。

ポーランド語の基本と歴史

 ポーランド語はインド・ヨーロッパ語族の中でも、スラヴ語系に属し、近い順番からチェコ語、ウクライナ語、ロシア語に似た言語です。ロシア語やウクライナ語はギリシア語を改良した、キリル文字を使うのに対し、ポーランド語はラテン文字を用います。これは宗教の違い、そして文字の輸入先が異なる事に起因しています。

 話はだいぶ遡りますが、古代ローマ帝国が東西に分裂した時に、西ローマ帝国はラテン語を堅持し、東ローマ帝国(今でいうトルコのイスタンブールを首都とした)の地域では元々からギリシア語が広く一般的に使われていたため、ギリシア語を公用語とし、使用を継続しました。
 その後、西ローマ帝国は間も無くして滅び、カトリックの潮流に息を吹きかけることとなりますが、一方東ローマ帝国はその後も国としての体制を維持し続け、東方正教会の潮流を生み出しました。
なのでローマンカトリックの国はラテン文字を使い、東方正教会の国々はギリシア文字を用いることなります。
 今から千年程前にビザンツ帝国によって東方正教会と共にギリシア文字がロシア、ウクライナに入ってきました。
時を少しおき、ポーランドにカトリックと共にラテン文字がもたらされます。このように歴史が複雑に織りなした結果として、同じスラヴ語派であっても、異なる文字を用いるようになりました。

 実際にポーランドとウクライナでは文字が異なりますが、語彙の三割程度が似ているため、互いに共通言語を持たずとも、翻訳なしに意思疎通ができると言います。孤立した言語体系を持つ、我々日本人からしたら理解のしづらい話ではございますが。
 
また、ギリシア文字をスラヴ語向けに改良したことでシンプルになったロシア語とは違い、その発音に対して無理矢理にラテン文字を当てはめている
ポーランド語は、英語の感覚で挑むと、その奇々怪界な文字列に
仰天することとなります(ラテン語起源の語彙がかなり多いので、逆も然りではありますが)。


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