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私の芝居日記 第26号「花と龍」

「花と龍」(劇団文化座)

原作:火野葦平 
脚本:東 憲司 
演出:鵜山 仁
日時:2024 年3月3日(日)14:00~17:00
劇場:俳優座劇場(東京六本木)

キャスト:
津田二朗 青木和宣 鳴海宏明 佐藤哲也 米山 実 沖永正志 白幡大介  髙橋美沙 高橋未央 藤原章寛 井田雄大 為永祐輔 兼元菜見子 岡田頼明 大山美咲 萩原佳央里 早苗翔太郎 田中孝征 若林築未  岩崎正芳 桑原 泰 市川千紘 深沢 樹 神﨑七重 泉 建斗 阿部由奨  小佐井修平 五十嵐芹架 石川 嶺 川越 司 廣田晴紀 小出菜々子  佐々木愛

明治の終り頃、
北九州・若松にあった港湾労働者を束ねる玉井組の頭「玉井金五郎」とその妻「マン」の人生を描いた作品。原作は玉井金五郎のご子息で作家の火野葦平さん。

賭場、刺青、やくざ、殴り込み、芸者といった任侠映画のような場面が連なる荒々しく、激しい舞台。
でも、ベースに流れるのは「ヒューマニズム」。
後年、玉井金五郎の妻マンが孫達に説いたと言われる
「身を捨てて、みんなのために尽くせ」
「弱きものをかばわんと世の中は成り立たん」という北九州・筑豊の川筋気質が物語を貫くテーマです。

面白く、痛快で、心温まるお芝居を堪能しました。

主役の玉井金五郎を演じる藤原章寛が良いです。
最近では「炎の人」のゴッホや「旅立つ家族」の李仲燮を観ましたが、「花と龍」の玉井金五郎がはまり役ですね。

正義感に強く、義理人情に厚い古風な日本人を藤原章寛が熱演しています。
それが良い。
クラシック音楽も良いが、日本人には演歌や邦楽がぐっとくる。遺伝子なんでしょうか。

文化座代表の佐々木愛もいいです。
初老の女親分をたっぷりと演じています。

それでは、またお会いしましょう。さようなら。
(山本満)


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