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温泉があればいいじゃないか

この時期毎年思うこと

田舎で暮らすことは都会とどう違うのか、医者としてへき地で仕事をするにあたっての問題は何か。

私の実家はとても辺鄙なところで、バスは1日2本、朝と晩しかなく、小学校も廃校となるほどで、町まで車で15分、近所の商店もなくなったような場所。でも両親は元気に暮らしていて、仕事もあって、震災はあったけれど不自由なく暮らしている。町には医者が2つあるし、もう何代も続いていてこれからもあり続ける。

かつて東京にだけあったけれどもう田舎にも在るもの、コンビニ、ドトール、ダイソー、TSUTAYA。足りないものはネットで買えるし、1時間も走ればデパートもある。コンサートだってディズニーランドだってその気になればすぐ行ける。

そんな時代に医師が田舎で働くのをを忌み嫌うのは何故だろう。教育が行き届かない、家族の事情、研鑽できなくなるが三大理由と言われている。子供の教育がネックと言われるが、有名私立に入れるのならまだしも、自然の中でのびのび育てるのはとても素晴らしいし、遊ぶところも事欠かない。子供の数が少ないかもしれないが、都会のど真ん中の学校もほぼ同じ問題を抱えている。人が多いのはドーナツ化した首都圏のベッドタウン。大きな外資系スーパーと私鉄駅とイオン。それで幸せが買える。家族の事情も都会の便利さから離れられなくなった結果。地方都市の方がスーパーもいくつもあり車も空いていて暮らしやすい。最後の研鑽できなくなる云々も有名研修病院に憧れる研修医の戯言で、郊外の市立病院の方がよっぽど症例もあり勉強になる。指導医がいるいないは立地には関係しない。

そういう諸々な理由をつけて、みんな都会で働くことを選択する。あー忙しい忙しいと言いながら。忙しいのが格好いい、それでないとみんなに置いていかれる、出世できなくなるという妄想。もしくは色々自分で積み上げたしがらみ。

地域医療に従事する先生方には足元も及ばないが、3-4年田舎で働いた経験から言って、とても働きやすい。顔の見える関係を築きやすく、セレクトされない患者層が見れて、看護師さんがやさしい。これはあくまで家庭医目線だけれど。

本当は田舎で働きたいと思っている医師はとても多い。多分、きっと。

思うに
きちんと指導体制が敷かれていて、
休みの交代要員がいれば、
そのあとも働いてもいいと思うのではないだろうか。

今なら、家庭医療専門医が指導する、
診療所所長の常勤枠をなくして交代制で配置する。
もちろん複数の年代の医師が関わることがよい。

あと、温泉。
近くにいい日帰り温泉がある。
これは田舎ほど充実している気がする。
温泉があればきっと働ける。
海でも山でもいいのかもしれないけど、
温泉は毎日行ける。

さらに言えば、本屋。
小さくてもいいから棚が楽しい本屋。
うちの町の本屋はいつの間にか絵本専門になっていた。これもすごい。


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#福島 #本屋が好き #地域医療


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