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その組織・コミュニケーションにエネルゲイアの時間はあるか?

私達は、どんな人でも何かしらの活動をしている。

事業活動、勤労活動、暮らしの活動、勉強等様々だ。

そして、活動には必ず、
「理想的な目的や目標」
「ゴールを実現したいという達成意欲」
が存在している。

そのため、コミュニケーションも
目的や目標に最適化されたものになりがちだ。

成したいコト・成りたいヒトを目指して
何が合理的かを客観的に議論する。
実現のために当然のことだ。

しかし、このような事はないだろうか?

・どんどん高い課題にチャレンジできてる事は良いが、それに取り組む自分の意欲が薄れてしまっているように感じる
・関わっている部下・メンバーが消耗しているように見える


場合によっては、目的・目標が与えられたものの場合もあるが、
それでも、それに取り組むという事は、「自分やチームで主体的に決めたことであるのに」である。

かくいう自分も、プロジェクトで人と一緒に働くうえで、
もしくは、自分自身の取り組みの中で、このような経験をすることがあった。

これらの経験を通じて学んだ、空間の重要性について、
お伝えしたい。

行為にはキーネシスとエネルゲイアの2つある


哲学の大家、アリストテレスは、人の活動は様々なあるが、
キーネシスとエネルゲイアの2つに分類されるといった。

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キーネシスとは、目的や目標を設定し、その未来に向かって邁進する「成る力=男性性」。

矢印のように、現在地点と未来の地点の2点に向けて
そこに向かっていく未完了な過程なので、現在進行と完了形が同時には存在しない。

一方で、エネルゲイアは、今を味わう「在る力=女性性」
始点と終点は存在せず、常に更新・完了され、始まっているので、
現在進行形と完了形が同時に実現する。(”見ている”と共に”見てしまった”が同時に実現する)

先に挙げた消耗・意欲減退の原因を端的に紹介するとすると、
エネルゲイア空間・時間の不足。

必要なコミュニケーションや自己対話は、
目指す目的に対して客観的な議論や行動の方法ではなく、

その目的に取り組んでいる自分自身の今の状態や感情についての
主観的な対話や洞察だ。


本来、エネルゲイアとキーネシスは、相補完的な存在で、
「①キーネシスで目的・目標を設定し、そこに向かっている過程で、様々なイベントが発生する。」

「②エネルゲイアで、そのイベントを感じる事で、その人しか得られない洞察や学びが得られるだけではなく、エネルギーを感じているので、新たな意図や意欲が生まれてくる→新たな目的や目標が設定される」

このようにして、成ることでライフイベントが発生し→在ることで学びが生まれ、人は学び、成長していくのです。

そのため、エネルゲイアの時間・空間がなければ、
学ぶことも、自分のエネルギー・感情を感じる事ができない。

そう考えると
消耗していくのは、自然の理だ。

それがたとえ、自分が設定、選んだものだとしても。

コトに向かうコミュニケーションと同等に、ヒトに向かうコミュニケーションに時間を使おう。


そのため、目的・目標のための合理的、客観的な議論と同様に、
学びのための感情的、主観的な対話にも、同等な価値があると感じ、

自分が携わる仕事や、人に関しては、
「どう成るか」と同じくらい「どう在るか」に関する
コミュニケーションを行う時間を費やしています


どう在るかに焦点を当てている時は、
結果がどうなるか分からない(コントロールできない)
不確実な未来。

それがゆえに、人それぞれのドラマティックなプロセスがあり、
非常に味わい深いものです。

「欲しい未来を実現する」幸せと異なる幸せがあります。

上質なエネルゲイアの時間・空間が
多様な個々人、団体に届けば、もっと人や組織は「本当に必要な事を学び」活きてくると思っています。

そのため、そういった内省空間を作れるコミュニケーション技術を持った人が増えていったらいいなと思っているので、その技術をオンラインで安価に習得できるプログラムを用意しました。

ご興味ある方は、是非ご参加ください。



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